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カッバーラでしか解けない「ヨハネの黙示録」(2)

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(2)黙示録は我々現代人へのメッセージである!

 新約聖書の末尾にあり、旧約聖書を含めた聖書最後の書である黙示録は、聖書最大の特異な書であり、難解かつ不可解な一書と評されている。

 なぜ難解かというと、異様な表現や尋常でない比喩が多用されているからだ。それゆえに、研究者ごとに異なる解釈が出てくるのである。

 ヨハネが残したもう一つの書「ヨハネの福音書」は平易で非常にわかりやすく、とても同じ著者のものとは思えない。混乱を招くような書を、ヨハネは何故残したのか?

 答えは、内容を見せながら隠すためである。見せながら隠すとはどういうことか? つまり、隠したい相手には表面的な意味しか分からないようにする一方、伝えたい相手には記述以上の内容が読み取れるようにするためである。

 例えば、地中に宝を埋める場合、その上に目印を置くが、あからさまに宝の在処を示すような目印では困るし、目印とわからなくても困る。そこは絶妙な匙加減が必要で、黙示録には、それが仕掛けられているのである。

 そうしておかないと、地中の宝は何者かに掘り起こされ、金属製品なら原型がわからないように溶かされ、重要な書類なら改ざんされるかもしれない。当時のローマ帝国はヨハネを敵視しており、後に聖書の書き換えをを企む者が出てくることもヨハネは見通していたのだ。

 では、ヨハネは誰に地中の宝を掘り起こして欲しかったのか?

 黙示録には、7つの教会の信徒たちに宛てた書簡が納められている。しかし、それだけではない。世が極まった頃に生きている我々にである。つまり、黙示録は我々のために書き残された預言書だったのだ。

 なぜそう断言できるのかというと、我々が生きている間に必ず起きる出来事が預言されているからである。ヨハネは未来にその預言を伝え残すために反キリストや底意を持つ者から神意を覆い隠す必要があった。だからわざと難解にしたのである。もちろん、ヨハネは黙示録を解読する鍵も残して置いた。その鍵を使えばヨハネが垣間見たと同じ未来を覗くことができる。その鍵が「カッバーラ」というユダヤ密教の奥義なのである。

 我々が生きる21世紀という世界は、残念ながら途中で終わってしまうようだ。これは聖書がそう断言しているのだ。世界三大宗教(ユダヤ教、イスラム教、キリスト教)は、どれもが旧約聖書を聖典として使用するため、未来の世界観はほとんど同じだと言っていい。世界三大宗教では世界の滅亡は信仰上の既成事実になっている。黙示録に記された預言の多くは、21世紀に集中している。これは21世紀が最重要とみていたからに他ならない。

 我々が生きている時代を、ヨハネはタイムテーブルを通して2000年前に霊視していた。言い換えれば、聖書が正しければ、これから先の世界は、黙示録のとおりに進行するということだ。

 我々がヨハネが見た未来を先に知っておくのは、重要で、そうすれば災難から家族と自分を守ることができるかもしれない。この世が終わるなら助かりようがないと思うのは間違いだ。そもそも聖書は救いのために存在する。そうでなければ、聖書は人類に無用の長物で、預言も邪魔以外の何物でもない。

 ヨハネは救いのために黙示録を現代へ送ったのだ。内容を正確に解読すれば、キリスト教徒以外の人々への伝達を視野に入れていたことは明らかだ。だから、ヨハネの意図に気付いた異教徒や、後のキリスト教会内の不信者により、黙示録の内容が書き換えられる恐れがあった。そこでヨハネは黙示というわざと難解で不可解な表現を用いた上で、以下の言葉で釘を刺した

「これに付け加える者があれば、神はこの書物に書いてある災いをその者に加えられる。また、この預言の書の言葉から何か取り去る者があれば、神は、この書に書いてある命の木と聖なる都から、その者が受ける分を取り除かれる」(新約聖書「ヨハネの黙示録」第22章18~19節)

 ヨハネはアジア文化圏の人間で、ユダヤもアジアに所属する。ところが黙示録の解読は、今までヨーロッパ中心に行われてきた。西洋文化圏の人間が、象徴と比喩を日常的に使うアジア文化圏の記録を解読してきた。常に表意的な物事を表し、象徴的表現に手慣れた人間でないと黙示録は理解できない。その意味でいうと、黙示録の解読の最も適した民族は日本人ということになる。

 2000年前、ヨハネが黙示録を書き送った7つの教会の人々にとって、その内容は比較的容易に理解できた。なぜなら、彼らはアジア文化圏の人々であり、何度も12使徒から指導を受けていたからである。それはカッバーラを知っていたことを意味する。


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