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「竹内文書」の真相(73)

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(73)現人神の法則

 現人神の法則とは、記紀に記された諡号に「神」と言う文字が付く天皇には多次元同時存在の法則を適用すると言うことである。

 記紀において、天皇ではないが、諡号に「神」と言う文字をむつ人物がいる。神功皇后である。神功皇后は応神天皇の母親であり、日本書紀には「神功皇后記」が設けられている。

 系図をたどると、神功皇后の先祖に「天之日矛(あめのひぼこ)」がいる。天之日矛は新羅の王子で、伝説が似ている大伽耶の王子「ツヌガアラヒト」と同一人物ではないかと考えられているほか、「イササワケ命」と言う別名もある。

 興味深いことに、このイササワケ命、あるとき幼い応神天皇と名前を交換している。応神天皇は「ホムダワケ命」と称すが、これはもともと天之日矛のことである。

 逆に、応神天皇はイササワケ命だったことになる。応神天皇からしてみれば、7代前の先祖と名前を交換したことになるのだが、この辺りは神話である。天之日矛を神と位置付ければ、ここでも現人神の法則が適用できる。

 応神天皇=ホムダワケ命=イササワケ命=ツヌガアラシト=天之日矛

 天之日矛は新羅の王子で、ツヌガアラシトは大伽耶の王子である。新羅と伽耶は、かって秦韓と弁韓で、ともに秦人が建国に携わっている。天之日矛の伝説が残る地には、必ず秦氏の影がある。それゆえ、学術的には、天之日矛とは個人名ではなく、秦氏集団の象徴だったのではないかと考えられている。

 整理すると、大和朝廷を開いた応神天皇は騎馬民族の大王で、失われたイスラエル10支族のガド族だった。しかし、母方は秦氏で、ユダヤ人原始キリスト教徒だった。おそらく、朝鮮半島にいた時か、もしくは九州に上陸したころ、ユダヤ教徒から原始キリスト教に改宗していると思われる。

 記紀によれば、秦氏が渡来してきたのは、応神天皇の時代である。これは応神天皇自身も、秦氏と一緒に渡来してきたことを暗示している。応神天皇を初代天皇に担ぎ上げたのは秦氏であった。ゆえに、秦氏の血を引く応神天皇は八幡大神として祀られることになったのである。

 籠神社の極秘伝によると、応神天皇は朝鮮半島からの渡来人で、大邪馬台国の王家に婿入りをする形で王権を継承したという。

 神武=崇神=応神天皇は畿内に入って、物部氏が支配する大邪馬台国を征服し、大和朝廷を開く。この時点からイエス・キリストが降臨し、応神天皇との間で聖なる契約が結ばれている。契約は代が変わり、新たな天皇が即位するときに更新される。これが「大嘗祭」である。

 大嘗祭とは天皇が即位して初めて行う「新嘗祭」のことである。「嘗」と言う字から分かるように、その年に収穫した作物を神々と共に、天皇が召し上がるという儀式である。大嘗祭を行わずに即位した天皇は「半帝」と揶揄されたこともある。

 天皇の儀式の中で、大嘗祭は最もミステリアスだとされ、その意義もいまだに解明されていない。儀式としては「大嘗宮」と呼ばれる建物を「悠紀殿(ゆきでん)」と「主基殿(すきでん)」の二つ作り、それらの部屋で同じ儀式を執り行う。儀式は深夜に行われ、斉戒し斉服に身を包んだ天皇が、まず悠紀殿に入る。部屋の中央には布団が敷かれており、その周りに祭具が並べてある。天皇は儀式を終えた後、直会(なおらい)として供物を食す。同じことを主基殿でも行う。

 不思議なことに、布団が敷かれているのに、天皇は横になることはない。なぜ、同じ儀式を悠紀殿と主基殿で2回行うのか? 謎は多い。

 民俗学的には、天孫降臨におけるニニギ命が真床追衾(まとこおうふすま)にくるまれていたことから、それを儀式的になぞらえていると言い、大嘗祭を通じて歴代の「天皇霊」を身に宿し、現人神になるのではないかと考えられている。

 しかし、大嘗祭がイエス・キリストとの契約更新の儀式であるとすれば、その意味がはっきりする。大嘗祭とは天照大神と食事を共にする儀式である。悠紀殿及び主基殿の部屋に布団があるのは、かって、そこで横になっていた。一度、布団に入って寝て、かつ起き上がることが重要だった。

 儀式とは、すべからく死と再生の思想が根底にあり、大嘗祭の然り。布団に横になり、再び起き上がると、死んで甦ることを意味する。天照大神がイエス・キリストであることを思えば、儀式の意味は一つ。死と復活である。天皇がイエス・キリストの死と復活を自ら追体験することによって、その御魂を身に宿す。これによって、天皇は天照大神=イエス・キリストの現人神となるのだ。


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