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「竹内文書」の真相(61)

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(61)二つの契約の聖櫃アーク

 契約の聖櫃アークは非常に危険である。

 「旧約聖書」によると、略奪したペリシテ人たちに疫病などの災いをもたらし、恐怖した彼らはイスラエル人に返却したほどだ。

 威力は絶大で、エリコという町の周りを担いで回っただけで、城壁が崩れ去ったこともある。

 ゆえに、取り扱いは常に慎重にしなければならない。

 基本的に祭司レビ人の仕事である。直接、手で触れてもいいのは、彼らだけに限られている。

 他の者が不用意に触れると、即死することもある。上部は絶対神ヤハウェが顕現する祭壇でもあるので、もし怒りを買うようなことがあれば、激しい稲妻が襲ってくる。

 例えるならば、まさに契約の聖櫃アークは高電圧高周波の発電機のようなものである。

 危害が及ばぬようにするためには、電源を切るしかない。電子機器ではない契約の聖櫃アークの威力をスイッチオフにするためには、どうすればいいのか?

 契約の聖櫃アークを描いた古い絵を見てみると、しばしば布で覆われている。

 中には上部が真っ平になっている絵もある。贖いの蓋に載せられていた黄金製の天使ケルビムの像は取り外しができたという説もあるのだが、それにしても奇妙だ。

 いっそのこと、贖いの蓋を外しておいたとは考えられないだろうか?

 これを裏付けるように、かって八咫烏の一羽は、こうつぶやいたことがある。

「御船は分けな、あかん。一緒にすると悪さをするさかいなぁ」

 八咫烏が言う「御船」とは契約の聖櫃アークのことである。

 アークとは船に例えられることがあり、実際、ノアの箱舟もアークと呼ばれる。

 契約の聖櫃アークを分けるとは、すなわち贖いの蓋と本体の箱を分離するという意味である。

 分離して、それぞれに新しい蓋と箱を用意して合体させる。

 こうすると、契約の聖櫃アークの威力を制御できるらしいのである。

 結果、外見上、契約の聖櫃アークは二つできることになる。

 「竹内文書」の「十戒石」になぞらえるならば、贖いの蓋の方が「表契約の聖櫃アーク」で、本体の箱の方が「裏契約の聖櫃アーク」となり、二つが合体した本来の姿は「真契約の聖櫃アーク」と言ったところである。

 八咫烏はまた、これら二つの契約の聖櫃アークを鶴と亀で呼ぶこともある。

 翼のある天使ケルビムがあるので、表契約の聖櫃アークが鶴であり、4本の小さな脚と大きな胴体から、裏契約の聖櫃アークが亀に対応する。

 そうなると、徐福が日本に持ち込んだ契約の聖櫃アークはどちらなのだろうか?

 浦島太郎伝説における契約の聖櫃アークが玉手箱なら、それを授けた乙姫様は、浦島太郎が助けた亀であった。

 玉手箱の蓋の表面が滑らかで、突起がないことを考えると、これは裏契約の聖櫃アークだとみて間違いないだろう。玉手箱を開けて浦島太郎がお爺さんになったことから、中にはアロンの杖が入っていたと推測できる。

 では、もう一方の鶴、表契約の聖櫃アークは、どうなったのだろうか?

 こちらは絶対神ヤハウェが顕現する贖いの座があるゆえ、十戒石板が入っていたに違いない。

 徐福が旅立った時、少なくとも秦始皇帝が手にしていたはずである。行方を追うためのキーワードは、ここでもイスラエル・コード「秦」である。


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