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「竹内文書」の真相(56)

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(56)アロンの杖

 出エジプトを経て、イスラエル人がカナンの地へと至る約40年の間に、モーセによって3つの聖なる神器が聖定されている。

 具体的には「モーセの十戒石板」と「アロンの杖」と「マナの壺」である。

 同じくユダヤ教の流れをくむ日本の神道にも天皇の王権を象徴する「三種の神器」がある。

 記紀によると、それらは「八咫鏡」と「ヤサカニノ勾玉」と「草薙剣」と呼ばれている。

 現在、八咫鏡は伊勢神宮の内宮に、草薙剣は熱田神宮に、そしてヤサカニノ勾玉は皇居、吹上御所にある剣璽の間に祀られている。

 それとは別に、三種の神器は皇祖皇太神宮でも伝承されている。

 イスラエルと日本の「三種の神器」は、ともに表裏一体の関係にある。

 具体的に、モーセの十戒石板は八咫鏡である。十戒石板が2枚あるように、八咫鏡は1枚で2枚の「合わせ鏡」を暗示する。

 マナの壺はヤサカニノ勾玉である。これは、記紀神話における山幸彦の物語で、勾玉が壺に引っ付いて離れなくなったという逸話があり、これをもって両者が同じであることを暗示している。

 アロンの杖は草薙剣である。ともに形状が似ているのみならず、世には「仕込み杖」という言葉がある。杖の中には刀や剣を偲ばせておくのだ。日本人にはなじみの仕込み杖を連想させることで、杖が剣に通じることを示唆している。

 さらに草薙剣は、元々「天叢雲剣」と言った。雲とあるように、出雲神話において、スサノオ命が退治した八岐大蛇の尾から出てきた。

 出エジプトの際、アロンの杖は蛇に変化して、魔術師の杖が変化した蛇を飲み込んだというエピソードがある。天叢雲剣の伝説は、これを意識している。

 後に、アロンの杖には奇跡が起こり、アーモンドの芽が吹いた。草木の葉が出たことが草薙剣という名前に隠されている。 

 現在、熱田神宮に祀られている草薙剣の正体は、まさに芽吹いたアロンの杖に他ならない。

 アロンの杖が日本にあるということは、残る二つのイスラエルの神器もまた、日本にある。

 マナの壺はヤサカニノ勾玉に対応するゆえ、同様に皇居に祀られているかと思いきや、実は、そうではない。今は伊勢神宮の外宮の地下殿にある。これはどういうことか?

 まず、マナの壺が日本にあるということは前方後円墳の形に暗示されている。前方後円墳を逆さまにみると、取っ手のついた壺に見える。モデルはマナの壺である。

 持ってきたのは失われたイスラエル10支族の一つ、ガド族である。王権のシンボルであるがゆえに、当初、マナの壺はガド族である天皇家で祀っていた。

 「日本書紀通釈」には、第21代雄略天皇が宮中にあった「黄金の甕=壺」を持ち出し、封印されていた蓋を開けたところ、中から白い煙が出てきて恐れおののいたと記されている。

 これがマナの壺であると見て、間違いない。この後、状況からして、マナの壺は宮中に外に出されたらしい。

 雄略天皇の時代、伊勢神宮に外宮を作り、丹後の籠神社に祀られていた豊受大神を勧請している。 かって、籠神社には黄金製の「真名之壺」があったことがわかっている。代々、籠神社の宮司は真名之壺からわずかに金を削り、これを酒盃に入れて飲む襲名儀式があったとされる。

 ところが、戦後、真名之壺は神隠しに遭う。

 同時に、伊勢神宮の外宮の御神体はマナの壺だという噂が立つ。

 主張したのは右翼系の作家、中山忠直である。

 彼はほとんどまともな根拠を示さずに、そう主張したのだが、おそらく情報が漏れたのだろう。

 考えてみれば、外宮は籠神社から勧請されたわけで、真名之壺がマナの壺であるならば、確かに筋は通っている。

 ちなみに、熱田神宮にアロンの杖があり、伊勢神宮の外宮の地下殿にマナの壺が祀られている。

このことは、裏天皇である八咫烏も認めている事実である。


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