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「竹内文書」の真相(52)

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(52)釈迦は預言者

 仏典に記された釈迦の生涯を見ていくと、不思議なことに、福音書に描かれたイエス・キリストの生涯と驚くほど似ている。

 まず、釈迦の母の名前「マーヤー→摩耶」はイエスの母「マリア」に音感が近い。

 マーヤーは釈迦の誕生を夢の中に現れた6本牙の白い象によって知らされるが、これはマリアの前に現れた大天使ガブリエルの受胎告知だ。

 釈迦がコーサラ国の王子であるに対して、イエスは古代イスラエル王国のダビデ王の直系であり、どちらも王族である。

 釈迦は29歳で出家するが、イエスは30歳でバプテスマを受けて伝道を開始する。

 伝道を開始するにあたって、どちらも悪魔の誘惑を退けている。

 教えを広めるに際し、釈迦は保守的なバラモン教を批判し、イエスはユダヤ教のパリサイ人らを糾弾した。

 いずれも、階級や身分の違いを超えて、人類は平等だと説き、釈迦は十大弟子、イエスには12使徒がいた。

 死ぬときも、釈迦は沙羅双樹の下で、イエスは木製の十字架の上で絶滅した。

 死を嘆き悲しむ前に、釈迦は一度甦り、イエスは復活して生きたまま昇天した。

 釈迦とイエス、・キリストの類似性は、かねてから指摘されており、それゆえキリスト教は時代的に古い仏教の影響を受けているのではないかという説がある。

 特にイエスの思想は当時、非常に革新的であり、保守的なユダヤ教の教義とは相いれない。むしろ大乗仏教の教えに近いとする学者もいる。

 だが、実際は、むしろ逆なのだ。

 釈迦の方が将来現れるイエス・キリストの生涯をなぞっているのである。これを「予型論」という。

 旧約聖書に登場する預言者たちの事柄は、全てイエス・キリストの生涯の一コマに対応しており、それ自体が預言になっているのである。

 例えば、モーセが生まれた時、イスラエル人の長子が虐殺されたが、同じことはイエスが誕生する際に起こったユダヤ人の幼児虐殺を暗示している。

 荒れ野でモーセが青銅の蛇をかけた旗竿ネフシュタンは、十字架に掛けられたイエス・キリストである。

 イスラエル12支族を率いたヨシュアは、12使徒を従えたイエスである。

 生きたまま天に上げられたエノクは、まさに復活して昇天したイエスの予型なのである。

 したがって、釈迦の生涯がイエスの予型ならば、彼は預言者である。イエス・キリストの預言者だったことになる。

 仏教では、厳密に神と云う概念はない。あくまでも神は方便として語られる。解釈使用によっては、仏教は、無神論的哲学である。

 しかし、釈迦自身は神を否定したわけではない。神とは何かと問われたとき、答えなかった。存在を肯定したわけでも、否定したわけでもない。

 特に釈迦が悟りを開いたとき、その教えを人々に広めるように、梵天=ブラフマーが現れて説得した。

 ブラフマーはヒンドゥー教、そしてバラモン教の神である。宇宙そのものであり、この世の想像主である。 聖イッサ伝説において、イエスがゾロアスター教の祭司に最も古い神こそ、天の御父なる神だと説いたが、まさしく同じことは、ブラフマーにも言える。

 失われたイスラエル10支族の血を引く釈迦は生涯を持ってイエスの予型となり、悟りを開いて、絶対神ブラフマーの預言者となった。

 神に関する問いには答えなかったが、絶対神ヤハウェ=イエス・キリストの存在を知り尽くしていた。

 まさしく、これが「竹内文書」における暗号「釈迦の墓」を解く鍵となる。


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