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「竹内文書」の真相(42)

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(42)額の十字と「あやっこ」

 新郷村では古来、新生児が初めて外出する時やお宮参りの際、額に墨で十字を書く。

 十字はキリスト教の十字架のことで、イエス・キリストへの信仰を表しているといわれている。

 「キリストの里伝承館」に行くと、額に十字を描かれ、エジコという容器に入れられた子供の人形を見ることができる。

 あたかも新郷村特有のように思われるが、意外にも全国的にみられる風習である。

 民俗学的に「あやっこ:綾子|阿也都古」と呼ぶ陰陽道の呪術である。一般に、お宮参りをする際に行われる。墨だけではなく、女の子には朱色で描く場合もある。地方によっては鍋についた墨を使うところもあるという。

 描く文字は「十」の他、「大」や「犬」「小」「×」などのバリエーションがある。

 大きくなるようにとか、おしとやかに育つようにとか、もしくは犬のように丈夫になって欲しいという願いが込められている。最も「犬」や「小」は「大」の派生であり、最も古い形態は「十」や「×」であった。意味は魔除けである。邪悪な霊から身を護り、災いが降りかからないようにする目的があった。

 陰陽道では魔除けの呪符として「セーマン・ドーマン」が知られる。

 「セーマン」とは安倍清明のことで、五芒星のこと。「ドーマン」は藍屋道満のことで、九字のこと。陰陽道にも陰陽があり、裏は迦波羅である。迦波羅の「裏セーマン」は六芒星で、「裏ドーマン」は十字である。「あやっこ」の「大」はセーマンの五芒星、「十」及び「×」は裏ドーマンの十字が原型なのだ。

 特に「十」もしくは「×」は、古代イスラエル人にとって、絶対神ヤハウエを意味する記号でもあり、それを額に描く風習があった。「新約聖書」の「ヨハネの黙示録」には、額に神の名を記すシーンが終末預言として描かれているが、それが「十」であり「×」なのだ。

 今のクリスチャンは祈る際、胸で十字を切るが、このルーツは額に描く神の名前なのである。

 原始キリスト教の伝統を色濃く受け継ぐエチオピア正教の修道士たちの中には、額に「×」を入れ墨したり、ナイフで刻んで傷にしている者もいる。

 裏の陰陽道を迦波羅というように、その思想は「聖書」にある。迦波羅はユダヤ教神秘主義カバラなのだ。新郷村に今も伝わる「あやっこ」の風習は、まぎれもなく古代ユダヤ教及び原始キリスト教の伝承なのだ。

 新郷村のキリストの墓伝説を彩る一つに民謡「ナニャドヤラ」がある。地方によっては「ナギャドヤラ」と称すこともあり、今では「北奥羽ナニャドヤラ大会」まで開催されるほどである。

 かなり東北弁が強く、独特の抑揚を持って歌われるため、何を言っているのかよくわからない。北奥羽ナニャドヤラ大会で披露される歌詞はこうだ。

「ナニャド ナサレテ ナニャドヤラ

ナニャドヤレ ナサレデ ノーオ ナニャドヤレ

ナニャドヤラヨー ナニャド ナサレテサーエ 

ナニャド ヤラヨー 

ナニャド ナサレテ ナニャドヤラ ナニャド」 

 文字面だけを追っても、何の意味もなさない。解釈を巡って、民俗学者の柳田国男が「なんなりともせよかし どうなりとなさるがよい」と解釈し、いわゆる逢引きの歌ではないかとしたのをはじめ、道歌「なせばなる なさねばならぬ何事も」のほかいろいろあるが、これらの説を分析し、徹底的に批判したうえで、ヘブライ語説をもって一刀両断したのが 神学博士の川守田英二氏である。

 「旧約聖書」をヘブライ語で呼んだ川守田博士は、「出エジプト」の一節(第8章8節)が聞き覚えのある民謡に思えた。著書「日本の中にのユダヤ」 から引用する。

「ナニャド ナサレ ヘテ→行く手に我ら追い払わんとするヘテ人を

ナニャッド ヤドー ヤーリャー→その領土に向かって進め上り給えエホバよ

ナニャッド ナツサレヒヰヤー→行く手に我ら追い払わんとするヒビ人を

ナニャドー ヤーレー→彼に向って攻め上り給え」

 同様の軍歌は他にもある。いずれも、細かい単語が置き替えられたり、アレンジが加えられているものの、基本的な音感はほぼ同じだ。日本語の東北弁の転訛を考慮すると、ほぼ民謡「ナニャドヤラ」と同じだと川守田博士は主張する。

 しかし、キリストの墓を紹介する際、決まって引き合いに出される民謡「ナニャドヤラ」であるが、川守田博士は快く思っていなかった。

 川守田博士は独自の仮説を持っていた。日本にヘブライ語をもたらしたのはイエス・キリストではなく、もっと古い時代のことである。古代イスラエル王国から分裂した南朝ユダ王国の預言者イザヤが紀元前8世紀、集団を率いて日本に渡来した。記紀神話に記されたイザナギ命になったと考えていた。

 果たして民謡「ナニャドヤラ」はヘブライ語なのか? ユダヤ教のラビ、マーヴィン・トケイヤー氏は批判的であるが、好意的なユダヤ人もいる。

 「ナニャドヤラ」を含めて日本の囃子言葉には、ヘブライ語の響きがある。元駐日イスラエル大使のエリ・コーヘン氏は古代ユダヤ人が日本にやってきた可能性を認めており、縁あって、新郷村にエルサレム・ストーンで作られた友好記念碑を贈り、現在、それがキリストの墓の前に設置されている。新郷村とエルサレムの友好の証は、誰でも見ることが出来る。


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