(36)日本はアメリカの軍産複合体に呑み込まれる!
アメリカは第2次世界大戦後、国家統制で動く全体主義の旧ソ連との「冷戦時代」を踏まえ、国家的合理化を一気に推し進める。巨大企業の向上から小さな町工場、国家中枢から自治体、大学から保育所に至るまで、あらゆる階層や組織が、何らかの形で軍事企業と関わるシステムに変貌させた。
1961年1月17日、第34代アメリカ大統領アイゼンハワーは、大統領最後の演説でアメリカ政府が軍産複合体を国家の基盤と承認したことを表明した。同時に、軍産複合体が戦争抑止ではなく、戦争優先機関となる危険性を指摘した。
「我々は、アメリカ合衆国の巨大な軍事機構と軍需産業の合体を初めて試みることになった。・・・・・軍部と軍需産業の一体化は恐ろしい結果を招く可能性が絶えず付きまとうからである。この巨大複合組織に、自分の基を危うくさせてはならない」
軍産複合体のトップはアメリカ最大の官僚組織であるペンタゴンだが、一心同体の軍事企業のトップがロックフェラーである。そのロックフェラーの上位にあるのがロスチャイルドなので、全てがロスチャイルドを肥えさせる戦争が美化され、アメリカ版の聖戦となっていく仕組みである。
この体制は、アメリカの従僕で植民地である日本にも適用され、アメリカに従いたいなら、日本はアメリカと同じ体制に移行せねばならないとする。これは日本がアメリカの軍事機構に吸収され、完全下請けになることを意味する。そのための法改正が、安倍首相が強行した「武器輸出三原則」の撤廃である。これで日本はTPPと連動してアメリカの軍産複合体と一体化する道が決定した。
トランプ大統領により、TPPが廃止されたとしても、そこは変わらない。アメリカは移民大国なので貧しい若者には事欠かない。貧者の競争が加速する中、自ら軍に志願する若者の数にも事欠かない。彼らはロックフェラーの命令で自作自演の「9・11」への報復の名でイラクとアフガニスタンに急遽派遣され、報復と平和維持の名目で多くの若者が戦死した。これがアメリカ式のマッチポンプで、天文学的な金を儲けるシステムになっている。
そこに日本の若者が不可欠なのである。自民党はステルス支配するアメリカの傀儡政権であり、日本が21世紀版の「新連合軍」に加わり、ロシアと中国を相手に第3次世界大戦を戦えば、戦後は新秩序の中で北方領土、尖閣諸島、竹島も日本領に認めてもらえる約束になっている。これがアーミテージ・リポートのブラックボックスの肝で、戦争が起きるならば強い側に所属し、戦後のリーダーシップに備えるのは、パワーバランスの常套手段と言える。
大西洋にもTPPと同じようなTTIP(大西洋横断貿易投資パートナップ協定)が存在する。両者は似ても非なるものである。当時TPPで大筋合意した国はアメリカ、カナダ、メキシコ、ペルー、チリ、オーストラリア、ニュージランド、ベトナム、シンガポール、ブルネイ、日本である。
2016年のリオオリンピックの開催中は何事もなく済んだ。そもそもオリンピック発祥の古代ギリシャでは、周辺の国と国との戦争が絶えなかったので、4年に1度の「オリンピック大祭」の期間だけは休戦したとされる。、近代オリンピックでもその精神が継承されたが、「第1次世界大戦」により1916年の「ベルリン大会」が中止され、日本が開催を決めた「幻の東京大会」も、第2次世界大戦で開催されなかった。
ブラジルで行われたオリンピックもドーピングに揺れたロシアの部分参加により、ロシア外しが行われずに済んだが、「パラリンピック」では全部門からロシア選手が排除された。障害者は背負った部位により、器具も使えば医薬品の種類も多種にわたってくる。それをドーピングの一括りだけでロシアを締め出すのはあまりにも短絡的だろう。事実、ロシアは「欧米のロシアへの嫌がらせ」と怒りを隠さなかった。
パラリンピックは1948年7月、まだ戦争の爪痕が残るイギリスで開催された。「ストーク・マルデビル病院」のスポーツ大会を発祥とする。要は戦争被害が色濃く残るのがパラリンピックで、リオ大会では、9月7日~18日まで行われたが、ロシアが参加できなかった点に不安が残る。そのロシアがシリアに引き続きイランと急接近したのも気になる動きである。
一方、イスラエルの「ソロモン第3神殿」建設の機運がピークに達するのが、2016年10月2日とされた。2016年5月26日、ネタニヤフ首相がリーベルマン率いる「わが家イスラエル」と連立を組むと発表した。元から連立に参加していた「ユダヤの家」に「わが家イスラエル」を加えた結果、イスラエル史上最大の極右内閣が誕生した。この内閣の主張は力付くで「第3神殿」を建設することである。そうなれば世界最大の人口を持つムスリム(イスラム教徒)が黙っていない。世界規模の宗教戦争が勃発する。ロシアとイスラム対EUの第3次世界大戦が近い将来ヨーロッパで起きることは間違いない。なぜなら過去全ての世界大戦はヨーロッパで起きているからである。