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カゴメ唄の謎(23)

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(23)大嘗祭

 2016年7月、今上陛下が突如、生前退位の御意向を示された。正しくは「譲位」である。今上陛下は御隠れになる前に、天皇位を退くことを望んでいる。82歳と言う年齢に加え、ご健康への懸念も少なくなく、公務や儀式を完全には執行できなくなってきていることが主な理由である。これに対して、政府は有識者会議を開き現在の「皇室典範」を一部改正し、特別法案と言う形で法整備を進める考えを示している。

 今上陛下が譲位することになれば、皇位継承権1位の皇太子殿下が新たな天皇として即位することになる。それに伴う様々な儀式が準備され行われる。むしろ今上陛下の御心は、退位に名を借りた皇太子への皇位の譲位とみるべきである。今の皇太子徳仁親王こそがラストエンペラーだからである。

 天皇即位において重要な儀式が大嘗祭である。大嘗祭は即位の礼を行った天皇が初めて行う「新嘗祭」の事で、正式には「践祚大嘗祭」と呼ぶ。天皇は毎年11月23日、世間では勤労感謝の日に新嘗祭を執行する。ただし、大嘗祭だけは規模が違う。専用の「大嘗宮」が建立され、そこで厳かに秘密の儀式が行われる。大嘗祭は、全く同じ構造を持つ「悠紀殿」と「主基殿」の二つからなる。神社建築として大嘗祭は伊勢神宮に見立てられており、悠紀殿は外宮、主基殿は内宮に対応している。天皇は両方で同じ儀式を行う。

 儀式の中心は新嘗祭と同様、食事である。皇祖神である天照大神に祈りをささげ、お供えした神饌を食す。いわゆる、天照大神と共に食事をするのである。しかし、大嘗祭には謎が多い。儀式を行う部屋には、なぜか衾と呼ばれる布団が敷いてある。諸説はあるがいずれにしても大嘗祭を通して天照大神と一体になることは間違いない。天照大神と一体になるからこそ、天皇は現人神として崇められてきた。

 天照大神は、あくまでも表向きは女神である。しかし、天照大神は男神である。皇室は勿論、裏天皇を有する秘密組織・八咫烏は男神としての天照大神を崇拝している。天照大神はイエス・キリストだからである。つまり、天照大神と一体になるということは、イエス・キリストの御魂を身に宿すということを意味する。カッバーラで言えば、絶対神の一人、聖霊コクマーが天皇の肉体に入るということで、預言者として聖別される儀式なのである。

 天照大神が神道の最高神である理由は、天岩戸開き神話にある。死と復活、そして不死不滅の存在になったからこそ、天照大神は至高の存在なのである。天皇もまた、死と復活を演じる。これが大嘗祭の奥義なのである。

 天皇が天照大神と食事をするという行為は、最後の晩餐を再現している。イエス・キリストは十字架に磔になる前に、12使徒たちと共に食事をする。イエスは自らを犠牲の子羊になぞらえ、手にしたパンをキリストの肉、葡萄酒をキリストの血の象徴として弟子たちに配った。世に言う「最後の晩餐」である。

 天照大神との聖餐式を終えた後、天皇は御衾と言う名の寝床に横たわる。天照大神が死んで天岩屋と言う墳墓に葬られたように、イエス・キリストも死んで横穴式の墓に埋葬された。これを天皇は自らの身体を持って再現するのである。御衾に入って横になった天皇は再び起き上がる。復活である。天岩屋に隠れた天照大神が天岩戸を開き、再び姿を現したように、天皇も起床し、大嘗祭の部屋から出てくる。それは十字架に磔になって埋葬されたイエス・キリストが3日後に復活したことを象徴している。

 大嘗祭を行うにあたって、不可欠な神具がある。「アラタエ」である。大麻で作られた亜麻布である。四国の阿波忌部氏の「三木家」で手掛けられる。「アラタエ」がないまま即位した天皇は「半帝」と呼ばれたこともある。亜麻布で出来た反物を机の上に安置して神座に供えるだけである。儀式を通じて天皇が手に取って何らかの所作をすることも無い。なぜか? この謎を解くカギは「カゴメ唄」にある。キーワードは「籠の中の鳥」である。祭壇におかれたアラタエは「入目籠」に収められる。入目籠の中にあるアラタエは「籠の中の鳥」である。その正体は天照大神であり、イエス・キリストである。アラタエもイエスに関わる聖なる神具なのである。これは一体何を意味しているのか? それは、イエス・キリストの「聖骸布」である。

「新約聖書」のマタイによる福音書、マルコによる福音書、ルカによる福音書、ヨハネによる福音書のいずれも「亜麻布」と記している。ユダヤ人は遺体を亜麻布で包んで埋葬する習慣があったのである。イエス・キリストの遺体を包んだ亜麻布は「聖骸布」として知られている。イタリアのトリノにある聖ヨハネ大聖堂に伝えられる亜麻布、通称「トリノの聖骸布」である。結論だけ言えば、これは本物である。イエス・キリストの復活が事実だったことを示す物的証拠だと言ってよい。

 大嘗祭におけるアラタエは、聖骸布を象徴している。イエス・キリストの死と復活を再現するにあたって、遺体を包む亜麻布が用意されているのである。


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