(32)イエス生誕を祝った東方の三博士は、アジア系人種である!
ベツレヘムの星が、当時はかなりの人々の目を引いた星だった。そうでなければ東方の博士たちが、わざわざ遠い国から訪れるわけがない。ところで、この東方と言うのは、パレスチナから見て東方と言うことである。紀元前3世紀頃、ローマ帝国と敵対関係にあった「パルティア」という大きな帝国があったが、この国はペルシャ人の国であった。また、パルティア人はローマ人に対して敵を持っていた所為か、ローマ帝国から迫害を受けていたユダヤ人に対して非常に友好的だった。パルティア人の都市の一つがバクダッドであり、ここにバビロン捕囚以来住んでいたユダヤ人も多かった。彼らは紀元前539年に、捕囚から解放された後も故郷のパレスチナ地方には戻らなかった人々である。このパレスチナから見た東方の国に住むユダヤ人の中に、ユダヤの預言と奥義を知っている博士がいた。
よく「東方の三博士」と言うが、博士の数は三人ではなく、もっと大勢いたはずである。なぜなら、イエス・キリストの誕生は、イスラエル12支族の救いに関わる出来事であり、この頃すでに西アジアから消えていた。イエスの誕生はイスラエル10支族にも重大な出来事だったからである。
イスラエル10支族は、2つに分かれた北イスラエル王国の人々の事である。彼らは、紀元前722年、アッシリア帝国に滅ぼされ、そのまま北へ連行されたまま、いつしか世界史の表舞台から忽然と姿を消してしまったのである。そのため、彼らは、「失われたイスラエル10支族」と言われ、学者たちは全滅したと考えている。しかし、彼らが向かった方向は東方であり、東方の博士たちが来た方向と一致する。欧米人の東方の博士たちに対する考え方は、インドやアフリカの異邦人がメシアを拝みに来たという程度であるが、事実はそうではない。イエス・キリストの誕生は、全人類の救いに関わる結果になるが、伝道の行動はイスラエルの全支族の為だけに絞り込まれていた。
「イエスは、「私はイスラエルの家の失われた羊の所にしか遣わされていない」とお答えになった。しかし、女は来て、イエスの前に平伏し、「主よ、どうかお助け下さい」と言った。イエスが「子供たちのパンを取って小犬にやってはいけない」とお答えになると、女は言った。「主よ、ごもっともです。しかし、小犬も主人の食卓から落ちるパン屑を頂くのです」 そこでイエスはお答えになった。「「婦人よ、あなたの信仰は立派だ。あなたの願いどおりになるように」 その時、娘の病気は癒やされた」(「マタイによる福音書」第15章24~28節)
すなわち、イエス誕生に訪れた東方の博士たちは、イスラエルに属する者を代表した人々であり、それが東方とある以上、失われた10支族の各族長だったことになる。すなわち、東方の博士たちの正式な数は、少なくとも10人であり、彼らはそれぞれの支族を代表した聖人(預言者)として、メシア誕生に立ち会ったのである。よって、欧米人が描く東方の三博士たちの姿は、どれもが白人風か黒人風だが、彼らの考えは全く間違っている。なぜなら、イスラエル12支族(レビ族を含むと13支族)は、セムから発祥したイスラエルの末裔であり、アジア系人種(特にモンゴロイド)である。マリアはユダ王室の直系であり、ヨセフも同じユダの直系である以上、羊飼いたちがベニヤミンの末裔だったことになる。
「六か月目に、天使ガブリエルは、ナザレと言うガラリヤの町に神から遣わされた。ダビデ家のヨセフと言う人の許嫁である乙女の所に遣わされたのである。その乙女の名はマリアと言った」(「ルカによる福音書」第1章26~27節)
更に、レビ族は東方からきていたかもしれないが、エルサレムで神殿活動を行っていたバプテスマのヨハネの父・ザカリアもメシア誕生の場に立ち会っていたと思われる。バプテスマのヨハネの父・ザカリアは、神殿の祭司(レビ族)としてメシアがダビデの直系から誕生することを神から知らされ預言した部分がこれである。
「我らのために救い主の角を、僕ダビデの家から起こされた」(「ルカによる福音書」第1章69節)
イスラエル10支族のほとんどは、ユーラシア大陸を絹の道に沿って広がり、広大な草原の道を騎馬民族として拡散したと考えられる。しかし、北の果てを目指したイスラエル10支族の本隊の行方が不明なのである。北の果てとは北極しかない。(北極の亜空間世界(地球内部のアルザル)に移住したと考えられる) つまり、ノアの大洪水以前の時代に、プラズマ・トンネルによって火星に移動した一部の人間たちもそうだし、最終的には街ごと太陽の亜空間へ移動したエノクの街もそうである。彼らは絶対神ヤハウェを信仰し、その信仰の強さゆえに神に取りあげられたとされる。しかし、火星の移住した民族は結局、文明の堕落を招き、惑星ヤハウエの誕生によって、地球上の堕落した民と同時期に滅ぶ最悪の結果を招いている。