（２７）キリスト誕生のしるし＝ベツレヘムの星の正体
惑星ヤハウェは我々の近くに存在しているが、今その姿を見ることはできない。なぜなら、見えない場所に隠れているからである。しかし、この凶暴な惑星は過去に地球上の人々を破滅へと陥れた。人々はその姿を目撃している。それはノアの大洪水の記録ともとれる「エッダ」においては、大洪水の時に、天空に現れた赤く燃える星という表現で記されている。
金星出現以前に、木星の巨大火山クロノスから誕生したばかりの惑星ヤハウェは、マグマの塊と同じであり、宇宙空間に噴出されても、相当な熱を帯び、真っ赤に燃えたぎって灼熱の巨大彗星と化していた。また、本体から多量の原始惑星ガスを放出していたはずで、そのことは同じく原始金星だった巨大メノラーにも見えた。
巨大彗星メノラーはその本体から長く輝く幾筋もの尾をたなびかせていたため、古代人が長い髪や角と形容していたほどである。おそらくその光景は、ハレー彗星を見るような感じではなかったはずである。残念ながら、現在我々はハレー彗星の大きく長く尾を引いた姿を見ることは二度とできないようである。
１９８６年に地球に接近したのを最後にハレー彗星はこの世に存在していないらしい。１９９１年２月１５日、ハレー彗星は地球から６億キロも離れた木星軌道の後方で、突然惑星の核を含むコマが、直径３０万キロに膨張したかと思うと、通常の１０００倍という大閃光を放って消滅したとされるからである。
彗星と呼んでいるが、その本体は地球ほどもある巨大な天体だった。普通の彗星は中心核が氷の塊とされ、彗星の巣とされる「オールトの雲」や「エッジワース・カイパーベルト」から飛来するという。それらの大きさは直径数キロほどの小惑星規模に過ぎない、地球に大接近してもほとんど影響を与えていない点を見れば、質量もはるかに小さいことがわかる。ただし、それが地球に落下した場合は、被害が甚大になるだろう。
さて、惑星ヤハウェが約４５００年前に地球に大接近して大洪水を引き起こし、その他の太陽系惑星にも多大な被害を与えて通り過ぎていったが、実は、この惑星が今一度、有史以後の人々の記憶に残される出来事があったのである。
イエス・キリストの誕生の物語は、「新約聖書」に語られている。ここでそのあらましを述べることにする。「新約聖書」は次のように記されている。
「イエスは、ヘロデ王の時代にユダヤのベツレヘムでお生まれになった。その時、占星術の学者たちが東のほうからエルサレムにきて、言った。ユダヤ人の王としてお生まれになった方は、どこにおられますか。わたしたちは東方でその方の星を見たので、拝みに来たのです」（「マタイによる福音書」第２章１～２節）
この後、ヘロデ王は自分の地位が将来その幼子によって脅かされる不安から、東方の博士たちを呼び、後で幼子のことを詳しく教えるようにと命じる。
「彼らが王の言葉を聞いて出かけると、当方で見た星が先立って進み、ついに幼子のいる場所の上に止まった。学者たちはその姿を見て喜びにあふれた」（「マタイによる福音書」第２章９～１０節）
このようにして東方の博士たちは、イエス・キリストの誕生したことをその目で確かめたが、夢でヘロデ王のところへ戻ってはいけないと告げられたため、そのままエルサレムに戻らず、自分たちの国へと帰ってしまう。そこでヘロデ王は、救世主誕生と同期に生まれた２歳以下の男の子を、すべて殺害するという暴挙に出るのである。
さて、「新約聖書」に記してある言葉に注目してみると、そこには一つの星の存在が見えてくる。ユダヤに救い主が生まれるということは、イザヤなどの預言書が預言していたことで、東方の博士たちがエルサレムまで訪れたのは、ユダヤの預言と奥義を知っていたからである。救い主の誕生を知らせる「約束の赤い星」を見つけたからである。この時の星が、当方の博士たちを幼子イエスのもとへと導いたので「ベツレヘムの星」として名を残すことになる。それでクリスマスツリーの一番上に大きな星を飾るのだが、この星が同時にダビデの星を表している。なぜなら、イエス・キリストは、イスラエルの王だったダビデ王の直系であり、血統的にもユダヤの王として君臨する立場にあったからである。その意味でもイエス・キリストは正当なユダヤの王だったのである。東方の博士たちをベツレヘムまで導いた星を、彗星メノラーではないかと思う人もいるかもしれないが、彗星メノラーは紀元前８世紀以降は、すでに金星として現在の軌道に落ち着いている。それでは、ベツレヘムの星の正体は何なのか？ →（結論を先に言ってしまうと、ベツレヘムの星には惑星ヤハウェとエノクの街が関係してくるのである）