(14)古代文明人が残した異常な太陽運行記録はポールワンダリング(極移動)であった!
サハラ砂漠の巨大な氷床の跡の発見で、地球の両極は不変ではなく移動することが判明した。極が移動する現象の事を「極移動」と言う。この極移動こそが世界中の古代文明が残した異常な太陽運行記録の正体だった。
極移動とは急激に極が移動する極ジャンプのことで、「ポールワンダリング」と言う。地軸移動のポールシフトと区別することにする。一般的には、「地軸傾斜」による南北逆転と、「極移動」による南北逆転を同列に扱っている為、両方を一緒に「ポールシフト」と呼ぶが、あえて呼び名を変えて区別する。
地軸傾斜の場合は、方位の入れ替えと共に、自転の逆方向を伴うが、極移動の場合なら、方位の入れ替えはあっても自転方向に変化は起きない。そこで、極移動とはどういうものか簡単に説明しておく。
地軸傾斜とは地軸自体が地球ごと回転することであり、180度傾斜した時、自転は逆方向になる。天王星や金星のポールシフトはこの部類に属する。だが、極移動とは地軸は維持されたまま、地球本体だけが引っ繰り返ることである。当然、地軸は移動していないため、自転は前と同じ状態で回転する。このポールワンダリングが起きた場合、方位は入れ替わっても自転方向が変わらないため、地軸傾斜の際に起る「逆+逆=正常」と言う相殺作用は発生しない。そのため太陽は、それまで登った方向とは逆の方向から昇ることになる。すなわち、見た目にも逆、方位的にも逆の西から昇るのである。
そして、古代人が見た異常な太陽運行と、方位の入れ替え現象は、このポールワンダリングの過程でしか起こりえないことが分かったのである。火星でも極移動が起きた痕跡がある。それは、火星の赤道付近に、氷床らしい地形が発見されたからである。その奇妙な凹みは、台状クレーターと呼ばれ、火星の北極と南極地方でしかできない特有の形をしている。遠い昔、厚い氷床に隕石が次々と衝突した時、無数の隕石の破片が、微小な塵を含めて氷床の表面に積もった。ところが、氷床が溶けるほど暖かくなったとき、上に積もった場所だけが日光を遮断するため溶け方が遅く、氷床の周囲だけが溶けて中心部だけが残されることになる。すると、火星表面の風化が進んだとき、結果的に台状のクレーターだけが残されてしまう。火星で最も暖かい地域は、地球と同じ赤道付近である。それでも摂氏マイナス数十度である。火星に軟着陸した「バイキング1号・2号」は、ともに赤道付近には着陸していない。1号は、北緯22度4分のクリュセ地方に着陸し、摂氏マイナス49・16度からマイナス85・16度を観測している。2号は、北緯47度9分の地点に着陸し、摂氏マイナス52・16度からマイナス82・16度を観測している。よって、赤道付近も、一年を通して水が凍るマイナス温度であることは間違いないく、それなら氷として現在も、そこに氷床が残されてもいい理屈になる。しかし、それが残されていないということは、台状クレーターが形成された頃の火星は、現在の火星より暖かかったことを意味するのである。
火星の地軸傾斜(赤道傾斜角度)は、地球の23・4度と似た25・2度であり、地軸移動をしていない証拠は、地球と同じ反時計回りに自転していることから判明する。それなのに、赤道付近の2か所に、巨大な氷床跡を残す原因とは、自転軸はそのまま残し、極地方だけを地殻ごと移動させるポールワンダリング以外には考えられない。さらに言えば、大昔の火星は、雪を降らせるだけの濃い大気があり、温暖な気候と湿度を生み出す海洋も存在していたことを証明することになる。なぜなら、地表にできる氷床は、南極大陸やグリーンランドの氷床と同様、大量に降り積もる雪が徐々に体積を増し加え、やがて雪自体の重さで圧縮されて氷化したものだからである。そうなると、火星には水分を含んだ雲が浮かび、火星の各地には河川や湖があったことになる。そればかりか大陸が地球と同じく、プレートテクトニクスで移動した可能性すら出てくる。事実、火星の各所では、大河の跡や、海洋と陸地の間にできる波打ち際の浜辺の跡、さらにマリネリス渓谷と言う、プレートが湧き出す海溝の跡まで発見されている。つまり、火星では、極移動と言うポールワンダリングが発生したということである。
火星の氷床は、紀元前2344年頃、火星を襲った惑星ヤハウェによる直撃で火星人類が絶滅した後、厚い雲の天蓋がはぎ取られたことから出来たものである。雲の絨毯が亡くなった為、急激に寒くなった火星の両極に大量の雪が積もり、瞬く間に氷床を形成していったのである。その氷床跡が今では赤道に移動しているということは、その後で火星はもう一度天体規模の大異変に遭遇したことを意味している。惑星ヤハウェとは、金星誕生以前に木星から出てきた惑星(当時は灼熱の巨大彗星)で、様々な天変地異を起こした後、現在「ケプラーの法則」を超えて太陽の反対側に隠れている。