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プラズマ宇宙論(10)

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(10)神が与えた食べ物マナの正体

 モーセに率いられてエジプトを脱出した古代イスラエル人たちは、シナイ半島の荒れ野を40年間もさまようことになる。その間に、エジプトから持って出た食料はすべて食べつくしていた。そこで神様が与えた食べ物が「マナ」だとされる。マナは早朝に大地に白い露のごとく降り積もり、食すると甘い味がしたという。しかし、日持ちがせず、日が高くなると蒸発し、1日経つと腐敗したという。

「朝には宿営の周りに露が下りた。この下りた露が蒸発すると、見よ、荒れ野の地表を覆って薄く壊れやすいものが大地の霜の様に薄く残っていた。・・・・・何人かはその一部を翌朝まで残しておいた。虫がついて臭くなったので・・・・日が高くなると、それは溶けてしまった」((出エジプト記」第16章13~21節)

「イスラエルの家では、それをマナと名付けた。それは、コエンドロの種に似て白く、蜜の入ったウェファースのような味がした」(「出エジプト記」第16章31節)

 聖書研究家や学者たちは、旧約聖書を神話としながらも、もし記述が事実とすれば、現地に生えているタマリスクと言う植物が関係しているとする。タマリスクに寄生する虫が、タマリスクに穴を開け、その穴から分泌される物質をマナと呼んだというのである。しかし、虫穴から滲み出る露ほどの分泌物が、推定200万人もの人間の胃袋をどうやって満たすのかと言うことである。また、彼らの飲料水は荒れ地の中にあるオアシスや、岩の間から滲み出す水によって賄われたと旧約聖書は述べている。

「主はモーセに言われた。イスラエルの長老数名を伴い、民の前を進め。また、ナイル川を打った杖を持って行くがよい。見よ、私はホレブの岩の上であなたの前に立つ。あなたはその岩を打て。そこから水が出て、民は飲むことが出来る」(「出エジプト記」第17章5~6節)

 現在でもシナイの砂漠では、夜は氷点下に下がることがあり、岩が割れる音が周囲にこだますることがある。湧水が割れた岩の下から出ている場所もあり、旧約聖書の記述がいかに現地の状況を正確に書き残しているかが窺える。

 天から降るマナと言う食べ物に戻す。ヴェリコフスキーは天体的立場から、非常に興味深い指摘を残している。それは、巨大彗星メノラーのガスの尾が地球の大気に触れたとき、尾に含まれていた炭化水素が地球を取り巻く大気圏内でゆっくりと変化していったというのである。即ち、細菌の作用と絶え間ない放電作用により、炭化水素が食べられる物質に変わり、それが出エジプトを果たした後、シナイの砂漠をさまよう古代イスラエル人に、神が与えた甘い物質、マナの正体だったというのである。さらに、このマナと同じものが、「ギリシャ神話」の中に残る「アンブロシア(神々の食べ物)」であり、インド神話の中の「マドウ(甘露)」だったとする。それが真相かどうかは証明されていないが、理論的にはありうることである。

 巨大彗星メノラーの大接近により、地球の重力に混乱が生じ始めた。自転が大きく変化し始めたのである。その結果、地球の南北は逆転し、従来とは逆の方向に自転するようになった。ヴェリコフスキーは、その時の現象を「地球の自転の停止」、そして「ポールシフト(地軸移動)」が起きたと考える。しかし、時速1666キロの速度で自転する地球が停止した場合、地上の生き物はすべて東の空に向けて吹き飛ばされることになる。それゆえ、地球の自転停止は絶対にありえない。それでは、何が起こったのであろうか?

 ポールワンダリングの視点が、大異変の謎を解くカギとなる。古代エジプト第18王朝(紀元前1479年~1458年頃)は、ハトシェプスト女王の時代だった。夫の名はトトメス2世で、王であった夫の死後、権力を握った女王は、在位期間の間に、シナイ半島の鉱山開発や、商船による交易を拡大し、トトメス2世の権勢をしのいだと言われている。そのハトシェプスト女王の下で、大臣をしていたセンムートの墓が発掘されたとき、古代エジプトの信仰で重要な「天井板星座」の位置が、おかしいことに学者たちが気付いた。センムートの天井板星座図には全く違うパターンの星座が描かれていたのである。即ち、2種類の星座が描かれていた。南板は、オリオンやシリウスなど現在のエジプトでも見慣れた星座で占められているが、東西が逆になっているのである。本来シリウスの東になければならないオリオン座が逆の位置に描かれている。つまり、南板に描かれている星座は南北が逆転しているのである。一方、北板に描かれている星座は、本来のエジプトの星の位置で描かれている。そうなると、地球は南北が入れ代わったことになるのである。古代エジプトの記録書「パピルス・ハリス」には、「火と水の天変地異が起きた際、南が北となり、地球は引っ繰り返った」と記されている。また、天変地異の書とされる「パピルス・イプワー」には、「大地は陶工のろくろのように回転した」や、「大地は逆転した」と記されている。さらに「エルミタージュ・パピルス」には、「未曾有の災害が大地を襲い、全地を逆さに倒した」とある。イスラムの「コーラン」にも、「二つの東、そして二つの西」と言う神について記されているが、南北の逆転以外に、この意味を解けるとは思えない。→(実は巨大彗星ヤハウェが暴れまわった時に2度ほど南北が逆転している。巨大彗星メノラーによっても2度ほど南北が逆転している。計4回南と北が逆転している。)


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