（１８）秘密結社（八咫烏」
大嘗祭を取り仕切るのは忌部氏の中の忌部氏、賀茂氏である。賀茂氏はレビ人であるが、中でも大嘗祭を輩出するコーエンである。コーエンとは、大預言者モーセの兄アロン直系の子孫で、幕屋やソロモン神殿の至聖所に入って儀式を行うことが出来る高位の祭祀一族である。一般の忌部氏は神社や祭具、服飾など儀式に関わるものを製造するが、賀茂氏は一切関わらない。コーエンは儀式のみを行う。大嘗祭においてコーエンである賀茂氏は儀式を取り仕切るが、必要な物を用意するのは忌部氏である。
神道祭祀を行う賀茂氏は、自らを「鴨族」と称す。籠神社の海部氏も鴨族を名乗る。海部氏は物部系の忌部氏、レビ人の中のレビ人としてコーエンの自負がある。賀茂氏を名乗るのは秦氏である。実際は、複雑な婚姻関係を結んでいるので、物部氏系の賀茂氏もいるが、彼らは自らの先祖を「阿遅鋤高日子根神（あじすきたかひこねのかみ）」や「賀茂建角身命（かもたけつぬみのみこと）」なる神に求める。多次元同時存在の法則からすれば、両者は同一神であり、別名を「八咫烏」という。記紀神話において、八咫烏は熊野で道に迷た神武天皇（実は応神天皇）を救った神として知られている。
邪馬台国の卑弥呼は物部氏であり、海部氏出身だった。彼女はレビ人＝忌部氏であり、コーエン＝賀茂氏だった。コーエン一族ゆえ、特殊な霊能力を持っていた。記紀神話によれば、長髓彦（ながすねひこ）と戦った神武天皇の弓矢の先に止まった「金鵄」は八咫烏である。太陽の中に棲むという金鵄＝八咫烏の脚は3本ある。奈良に同じ名前の鳥見山が3つあるのは、八咫烏の3本脚を象徴するとともに、「生命の樹」における絶対三神を表現しているのである。
卑弥呼の鬼道は一種の陰陽道だと考えられる。陰陽道は森羅万象を陰と陽で読み解く。この世を二元論によって解釈する神秘思想である。陰陽道が表なら、裏は「伽波羅（かばら）」という。これは「カバラ」、つまりユダヤ教神秘主義「カッバーラ」を意味する。陰陽道は天皇祭祀の宗教であり、特別に陰陽寮が設置され、陰陽頭が呪術を取り仕切った。民間陰陽師は「漢波羅（かんばら）」と呼ばれた。漢波羅は、裏の陰陽師の事を意味する。官僚として表の陰陽師に対して裏の漢波羅がいるのである。中でも漢波羅秘密組織の事を「八咫烏」と言う。彼らは鴨族である。鴨族の陰陽師なのである。漢波羅秘密組織（八咫烏）の構成員は約70人。その下に伝令役としての「烏天狗」と呼ばれる鴨族がいる。70人のうち上位12人は「大烏」であり、その中の3人が「金鵄」の称号を持ち、3人で一人の「裏天皇」を形成する。
「新約聖書」に記されたキリストの70人弟子が八咫烏であり、大烏は12使徒である。イエスの12使徒のうちペテロとヤコブとヨハネが指導権を握っていたように、彼らが金鵄に相当する。イエス・キリストの最も近い預言者として裏天皇は存在しているのである。
パレスチナ地方にいたイスラエル人は全世界へと離散した。ユダヤ人の血統を持つ人々は、1948年に建国したイスラエル国へと帰還した。（残念ながらユダヤ人の血を引く本物のユダヤ人は少ない。アシュケナージ・ユダヤ人と称する白人系のユダヤ人は、ユダヤ教に改宗したヤフェト系民族であり、真のユダヤ人ではない） 日本人のほとんどは、古代イスラエル人の血を引き、ユダヤ教徒原始キリスト教をルーツとする神道を奉じている。世界最古の王家である天皇を頂く日本が2000年以上も続いた背景には、漢波羅秘密組織「八咫烏」の存在がある。彼らが仕掛けた呪術、世にいう「国仕掛け」があるからこそ、今日まで日本は存続できたのである。当然ながら邪馬台国のバックには八咫烏がいた。八咫烏は卑弥呼を陰で補佐し、倭国をまとめた。西日本列島の倭国を治めた邪馬台国は中国と外交交渉に乗り出し、魏の皇帝から「金印」を贈られた。刻まれた名称は「親魏倭王」である。魏から授かった金印は邪馬台国の国家承認の証でもある。つまり、卑弥呼は中国の皇帝から正式に邪馬台国の女王として認められたのである。
朝鮮半島から騎馬民族がと渡来し、大和朝廷を開いたとき、初代天皇が金印を継承したはずである。卑弥呼の金印は天皇によって保持され、現在漢波羅秘密組織「八咫烏」が保管している。
飛鳥氏は、マクモニーグルに卑弥呼の金印がどこにあるかを透視するよう依頼した。すると、彼は福岡市博物館を透視した。しかし、マクモニーグルが透視したのは国宝の金印だった。つまり、「漢委奴国王」と刻まれた金印だった。なぜ、マクモニーグルが漢委奴国王印を卑弥呼の金印、すなわち親魏倭王印と見誤ったのだろうか？飛鳥氏は八咫烏の呪術にマクモニーグルが嵌めらたのではないかと考えた。アメリカ軍のエリート超能力者マクモニーグルが八咫烏の呪術の前に敗れたのではないかと考え、アメリカ政府の奥底にいる魔物の存在を思うとき、八咫烏のささやかな宣戦布告だったと思われる。