(8)ヤマトとユダヤ、縄文人とインカ
マグモニーグルによると、「ヤマト」は国家の名称であるとともに、邪馬台国及び卑弥呼の出身部族の名前であるという。「日本書紀」によれば、国名をヤマトと命名したのはニギハヤヒ命である。ニギハヤヒ命は物部氏の祖神であるとともに、その中心氏族である海部氏や尾張氏の祖神、天火明命(あめのほあかり)でもある。少なくとも、マクモニーグルの透視では、邪馬台国の卑弥呼はヤマト族であり、系図分析から卑弥呼を生んだ海部氏がヤマト族を名乗っていた可能性が高い。彼らは、住んでいた場所に自らの部族名を残した。畿内に来る以前、卑弥呼の一族がいた山口県下関にヤマト=大和があった。同様に、物部氏が住んでいた九州の筑後山門(ヤマト)郡や熊本県の菊池郡山門も、ヤマト族がいたのだろう。
マクモニーグルは卑弥呼の一族が移動を繰り返していたことを透視している。マクモニーグルによれば、山口県長門に来たのは紀元125年頃で、それ以前は九州の福岡にいた。さらに時代を遡ると、ヤマト族は、紀元65年に福岡、紀元前55年に奄美大島にやってきている。それ以前になると、海外となり、紀元前205年の台北、紀元前265年に中国のマカオ、紀元前325年にベトナムのハイフォン、紀元前385年にベトナムのハノイ、紀元前475年に中国の昆明へとやってきた。ヤマト族が成立したのは紀元前805年頃であるという。
邪馬台国をはじめ、倭人の文化圏は南方系である。「魏志倭人伝」では東南アジアの人達と風俗風習が似ていると記している。この点、逆転列島倭地理観からすれば、納得がいく。九州を北にして時計回りに90度回転した状態にあり、邪馬台国は今の沖縄と同じ緯度だった。気候からも倭人の風俗風習が南方系で、さらにルーツが沖縄や台湾、ベトナムに遡るのも納得できる。
マクモニーグルは卑弥呼の一族の始まりは昆明にあるとした。つまり、卑弥呼の祖先は、もっと西からやってきた可能性があるとマクモニーグルは断言したのである。飛鳥氏は西域にも「ヤマト」という地名があるので、ヤマト族の先祖は昆明に来る前に、ここにいたのだろうと推測した。もしそうであるならば、ユダヤとつながるのである。ヘブライ語で「ヤマト」は「神の民」と言う意味である。正確には「ヤ・ウマト」だが、日本人が「ヤマト」と発音してもユダヤ人は理解する。もし、邪馬台国の女王・卑弥呼の一族のルーツが西域のヤマトにまで遡ることが出来るなら、彼らはユダヤ人だった可能性が高い。卑弥呼がユダヤ系ならば、日本における物部氏や海部氏、尾張氏もまた古代イスラエル人だったことになる。いわば「邪馬台国=ヤマト国」はヘブライ語で言う「神の民の国」であり、「大和朝廷」は「ヤマト朝廷」、すなわち「神の民の朝廷」なのである。結論は、日本は「極東イスラエル」である。
縄文人は、アイヌやエスキモー系などの複数の民族からなっていた。その主流はアイヌである。縄文人=アイヌの遺伝子に近いのはアメリカ大陸の先住民なのである。北米のカナディアン・インディアンのほか、南米のインカのミイラから抽出された遺伝子がほとんど同じなのである。日本から赤道反流に乗れば、約1年半で南米に行き着く。縄文人でも流れに乗れば、アメリカ大陸に行くことが出来る。縄文人が海洋民であることを思えば、遠洋に出ることなど大したことではない。考古学者エバンズ・メガース夫妻は縄文人が太平洋を渡ったのではないかと主張する。事実「魏志倭人伝」にはこのような記述があった。
「女王国の東、約1000里海を渡ると、そこに国があり、倭人が住んでいる。又、女王国から南へ約4000里海を渡ると、侏儒国(しゅじゅこく)がある。身長は3,4尺。また、その東南を船で約1年行くと、裸国(らこく)と黒歯国(こくしこく)に至る。倭国の地と比較して聞いてみると、絶海の中央の島の上にあり、隔絶もしくは連結していると言い、周囲を旋回すると約5000里あるという」
日本列島から約1年間、はるか洋上に旅立つと、そのに裸国と黒歯国があるという。状況から考えて、東南アジアではない。古代史研究家の古田武彦教授は、この裸国と黒歯国は中米や南米のアメリカ大陸だと指摘する。つまり、倭人はアメリカ大陸と縄文時代から交流していたのである。南米の先住民と縄文人=アイヌの遺伝子がきわめて近い事実はそれを強く示唆する。
ネイティブ・アメリカンが語り継ぐ白神は、この世の創造神でありながら、ある時地上に降臨して人々に道徳と文化、農業技術を伝え、再び天に帰って行ったとされる。インカではヴィラコチャ、ポリネシアではコンティキといい、ハワイではロノとも呼ばれる。中米のマヤではククルカーン、アステカではケツァルコアトル、北米では白い兄弟パハナなどとも呼ばれる。アイヌではオキクルミカムイである。神々の世界である天から降臨して、人々を教え導き、昇天している。極論すれば、縄文人はネイティブ・アメリカンなのである。インカの遺伝子の共通性からいえば、縄文人=インディオだと言っていい。
では環太平洋地域に広く分布する伝説の主人公たる白神の正体は何者なのか? 外見の特徴は人の姿をしており、肌が白く長い髭を蓄えている。創造神でありながら、ある時地上に降臨して、人々を教え導いた。彼は生贄を忌み嫌い、平和を説いた。やがて天に帰るのだが、再び地上に戻ってくると約束している。
髭を蓄えた白い肌と言うイメージがあるため、白人ではないかと指摘されるが、違う。スペイン人がやって来たとき、インカ人はフランシスコ・ピサロたちを帰ってきたヴィラコチャだと勘違いした。アステカ人はエルナン・コルステを再臨したケツァルコアトルだと思い込んだ。この結果、ほとんど無抵抗で征服されてしまった。幸いにしてハワイのポリネシアンたちは、最初こそ、キャプテンクックらをロノだと信じたが、振る舞いから勘違いだ気付いた。同様に、日本のアイヌもまた、源義経をオキクルミカムイとして崇め祀ったという伝説がある。今でも北海道には義経神社があり、源義経はオキクルミカムイとして祀られている。しかしいずれも白神そのものではない。再び地上にやってくるという約束を信じている先住民たちが渡来してきた異民族を白神だと勘違いしただけである。
では、白神は何者なのか? それは、イエス・キリストである。ゴルゴタの丘で十字架にかかって死んだイエスは3日後に復活し、奇跡の証をした後に昇天した。その時に、世の終わりに再びやってくると約束している。イエスは生前、「自分はイスラエルの失われた羊たちのためにやってきたのであり、パレスチナ地方以外にもいる別の囲いの羊をも導かねばならない」と言っている。つまり、復活したイエスが向かったのは世界中に散らばったイスラエル人たちの所である。逆にイエス・キリスト=白神伝説を持つ民族はイスラエル人なのである。アメリカのインディアンやインディオ、ポリネシアンの多くはイスラエル人なのである。アビグドール・シャハン博士は、アステカ人はイスラエル系だと結論付けている。又、シャハン博士は日本人も同様で、古代イスラエル文化を色濃く伝えていると主張している。遺伝子も近く、同じ神話を共有するアイヌも、イスラエル人なのである。縄文人の多くがアイヌならば、日本人のほとんどは古代イスラエル人の血を引いていることになる。
飛鳥氏は「白神」を白人とは思わないという。なぜなら、イエス・キリストはセムから出たアブラハムやダビデの一族から出ているからである。イエス・キリストは、ヤフェト系ではなくモンゴロイドであることを認識しなければならない。白い神とは、後光が射すほど強烈に光り輝く白光する神を言う。(白人ではない)