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邪馬台国と卑弥呼の謎(5)

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(5)九州の物部王国

 逆転列島倭地理観及びジョー・マクモニーグルの透視から、「魏志倭人伝」に記された邪馬台国は畿内にあった。つまり、卑弥呼が生きていた時代には邪馬台国の中心は大和地方にあった。だが、卑弥呼以前となると話は別である。確かに地名に一致は人間の集団移住を如実に物語っている。いったい彼らは何者なのだったのだろうか?

 北九州と畿内で一致する地名には、特徴的なことがある。福岡県の遠賀川周辺の地名が集中的に重なっている。しかも、これらの地名を冠した古代豪族は物部氏である。彼等、物部氏こそ、九州から畿内へと集団で移住した人々ではなかったのか。これを裏付ける記述が「先代旧事本記」にある。「先代旧事本記」によると、物部氏は祖神「ニギハヤヒ命」に率いられて、九州から畿内を目指した。付き従った神は32人、25部族で、河内国の河上にある哮峰(いかるがのみね)に降臨したという。(降臨したということは移住したということである) ニギハヤヒ命は「古事記」や「日本書紀」にも登場する。九州で生まれ、同じく畿内を目指した神武天皇(応神天皇)をして、同じ天孫族でありながらも、先に畿内へと入った神がおり、それがニギハヤヒ命だと言わしめている。ニギハヤヒ命は天磐船(あめのいわふね)に乗って天を駆けたというが、おそらく大船団を率いて瀬戸内海か日本海を渡ってきたのであろう。

 研究家の中には、九州における物部王国こそ、邪馬台国だったとする一方、邪馬台国よりも先だって物部王国が存在したとする説がある。卑弥呼と物部氏は無関係ではないのである。

 マクモニーグルは卑弥呼の実家があったのは山口県下関市だと透視している。遠賀川周辺の物部氏は関門海峡を挟んで、山口県側にも広がっている。事実上、下関あたりは北九州文化圏だと言って過言でない。つまり、卑弥呼と物部氏は関係があったのである。

 九州から天磐船に乗って畿内へと降臨したニギハヤヒ命は、この国を「虚空見つ日本国」と名付けた。「日本」と言う国号を命名したのはニギハヤヒ命である。ニギハヤヒ命が名付けた「日本」は「ヤマト」と訓じられている。ヤマトとは大和の事である。後の大和朝廷に連なる邪馬台国もヤマト国である。したがって、ヤマトとは物部氏に由来する。邪馬台国に先立って、畿内に物部氏がやってきて、三輪山のふもとに広がる盆地をヤマトと名付けた。後に倭国の連合が成立すると、都のあるクニをヤマトにちなんで「大和」とした。邪馬台国と言う漢字表記は古代中国人によるものだが、倭人は独自にヤマトを「大和」とした。これが大和朝廷へと引き継がれていく。

 物部氏が大量にやってきて、かって住んでいた場所の地名を機内に持ち込んだとするならば、ヤマトもそうに違いない。ニギハヤヒ命がヤマトと命名したのは、かって住んでいた北九州にヤマトと言う地名があったからである。調べてみると、九州にはヤマトと言う地名がいくつもある。

 マクモニーグルは「ヤマト」について3つの意味があると語る。①倭国全体の総称としてのヤマト ②女王が支配するクニとしてのヤマト ③卑弥呼の出身部族の名前である。つまり、卑弥呼がヤマト族ゆえ、彼女が君臨したクニはヤマト国となり、これが倭国全体を意味するヤマトになったというのである。しかし、物部氏と言う名の下に同族意識が形成されたものであり、物部と言う部族名が本来あったわけではない。後に物部氏と称する人々の中に、ヤマト族が含まれていたのではないか。

 「魏志倭人伝」によれば、不弥国から先は水行で投馬国に至り、再び水行と陸行を経て、邪馬台国に到着する。邪馬台国は畿内である。問題は投馬国である。邪馬台国の人口が7万戸余に対して、投馬国は5万戸ある。単純に考えて邪馬台国に匹敵する国力を有していたのは投馬国のみと考えていい。投馬国が女王・卑弥呼を認めなければ、邪馬台国による倭国連合はなしえなかったのである。結論を先に言うと、卑弥呼は投馬国の人間だったのである。倭国が混乱している状態で邪馬台国が西日本列島統一の野望を持っていた。最大のライバルが投馬国であった。投馬国を懐柔して西日本列島の連合を果たしたのである。つまり、投馬国の卑弥呼を女王として、味方に付ければ、他の西日本列島のクニは従わざるを得ない。そうした策略を描いた黒幕がいたのである。マクモニーグルの透視では、卑弥呼の実家は山口県にあったという。夏の居城と墓は下関市にあったといい、そこには大和と言う地名も残っていた。卑弥呼は投馬国出身だったのである。


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