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飛鳥昭雄氏による「日月神示」の霊感語訳(19)

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(19)再び日本に危機が迫る!

(上つ巻・第40帖 両義預言、再び日本に危機が迫る)

 日本を囲む東西南北すべてが敵になる。しかし、敵の中にも味方がいて、味方の中にも敵がいる。黄金の島ジパングに世界中が攻め込んでくる。この時は絶対神の守りが日本にあることを敵国に思い知らせる機会でもある。しかし、日本人の心根が変わらない限り、神からの神風は吹かない。

(解釈資料)

 なぜ神風が吹かなかったのか→日本が宗教カルトに陥っていたからである。

日本は太平洋を越えた東にあるアメリカ、カナダ、西にある中国、イギリス領インド、さらに西のイギリス、フランス、オランダ等々、南にあるオーストラリア、ニュージランド、北にあるロシアのすべてを敵に回して戦っていた。インドに関してはイギリス領インド帝国は連合軍だったが、自由インド政府は枢軸国の日本側についていた。戦後の「東京裁判」でインドの代表パール判事は、「平和に対する罪」と「人道に対する罪」は戦勝国によって作られた事後法であり、事後法を裁くことは国際法に違反すると主張し、被告人全員の無罪を主張した。一方、「三国同盟」の一国だったイタリアは、ムッソリーニが公開処刑された後、連合側につき枢軸国の敵となったが、「日ソ不可侵条約」で中立の旧ソビエトは、一方的に条約を破って連合軍として参加した。

 岡本天明はこれらを預言していたことになる。何故、神風が吹かなかったかだが、「日月神示」は日本人に責任があると述べている。明治以降、東京のシンボルは天皇が居を構える皇居であり、宗教的シンボルが「靖国神社」だった。強力な中央集権制を支えた国家神道は、幕末期の日本を折檻した「神道復興運動」から派生したもので、歴史的には最も新しい神道だった。問題は、富国強兵の中央集権国家を支える政治色が強すぎる結果、宗教カルト化したことである。日本人はナチスドイツと比較して、戦前戦中の日本をナチスと違うと擁護するが、ナチスは「国家社会主義ドイツ労働党」と言う政党、つまり政治結社であり政治カルトだった。それがやがて国家カルトになったわけだが、ドイツ人全てがナチス党員だったわけではなく、多くは厳格なクリスチャンだった。ナチスはそもそも宗教ではなく政治的イデオロギーだったからである。

 一方の日本は、「教育勅語」と連動しながら国家神道を尋常小学校から徹底的に教え、日本不敗論を無理に信じ込ませていく。それは宗教の拡大解釈であり、狂気の沙汰である。実際、明治生まれの新興宗教を国が承認した結果、一気に宗教カルト化していく。それまで日本全国に広がった神社を国家神道が統合し、血管やリンパ管を通して癌細胞が拡散するように、瞬く間に体中を汚染した。既に拡散していた神道を国家神道が乗っ取ったのである。さらに、国民総監視体制として「向こう三軒両隣」の隣組を起こし、各家庭を互いに監視させたのである。

 ドイツを見ると、ナチス党が結成された1920年で党員数は2000人に過ぎず、1930年代以降、ヒトラーの躍進に伴い、要員数が増えたが、1932年の党員番号数で120万人、政権奪取の後は390万人を超えるまでになった。

 日本は国家神道を掲げ、強力な国家カルトを創り上げたのでほぼ100%の国民が国家神道の支配下となり、世界でも稀な宗教国家カルトが誕生したのである。そういう中、明治元年(1868年)に出された「神仏分離令」により、神仏混交で同境内を共有した寺を追放し、明治3年(1870年)の「大教宣布」により、全国の寺を焼き討ちし、経典や仏像を破壊する「廃仏毀釈」の大津波が日本中を席巻する。この狂気の沙汰をカルトと呼ぶ。

 全国の尋常小学校では、天皇皇后両陛下の「御真影」の下賜がはじまり、教育勅語が制定された後の1910年代に、全国規模で「奉安殿」の成立が拡大する。奉安殿に両陛下の写真と教育勅語を安置し、前を通るときは衣服を正して最敬礼をする。このような奉安殿は京都を含む全国各地の学校に建てられ、「忠君愛国教育」の象徴として君臨した。また登下校時に前を通過する際、職員生徒すべてが、奉安殿の彼方の皇居に向かって最敬礼するように定められた。つまり、イスラム教徒がメッカに向かって拝する行為を,日本も東京に向かって行っていたのである。

 国民の洗脳が行き過ぎた結果、国民の期待を裏切ることを誰もできなくなった。そのため、敗戦をダラダラ引き延ばす羽目に陥ったのである。だから国民の多くを不幸に陥れた国家神道を宗教カルトと言う。だからこそ、「日月神示」が世に出てきたのである。最後に重要なことは、これは両義預言になっていて、もう一度同じことが我々の生きている間に起きるということである。岡本天明は、その方を最も重要視していた。


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