(16)グランドクロスとメルカバー
ノストラダムスはユダヤ人で、表向きはカトリックを信仰していたが、その裏ではユダヤ教神秘主義カッバーラに精通し、絶対神からの啓示を受けていた。主に預言は「預言詩」と言う形で残されたが、難解な表現や象徴が散りばめられており、本当の意味を解読するのは至難の業とされる。最も有名な預言が次の4行詩である。
「1999年第7番目の月 天から地に落とされし驚愕の大王
アンゴルモアノ大王を甦らせんと その前後、火星は平和を盾に支配し乗り出す」(「諸世紀」第10巻72番)
「第7番目の月」は現在の暦では8月にあたる。「天から地に落とされた驚愕の大王」とは堕天使ルシフェルの事である。「アンゴルモアの大王」とは、「新約聖書」に預言されている偽キリストの事である。「火星」とはマルスの事であり、戦争の象徴、つまり、アメリカ軍を意味する。
ノストラダムスの預言を世界の終りのように思っていた人が多かったが、実際には、1999年8月には世界が破滅するような大事件は起こらなかった。しかし、ノストラダムスの預言は見事成就していたのである。黙示録的事象が顕現していたのである。それはまさに、地球生命体ガイアにとって運命の出来事だった。
ルシフェルは天上界の世界にあって、ナンバー2であった。エル・ランティーの命を受け、多くの衆生を救済する目的で地上界に如来として肉体を持ったが、地上界の物欲(地位や名誉)に溺れ増長慢となり、天上界に戻ってきたが、エル・ランティーの地位が欲しくなり反乱を起こすのである。その結果、ミカエル大天使に敗れ、ルシフェル側に付いた天使の三分の一が地上界へ投げ出されたのである。
「さて、天で戦いが起こった。ミカエルとその使い達が、竜に戦いを挑んだのである。竜とその使い達も応戦したが、勝てなかった。そして、もはや天には彼らの居場所がなくなった。この巨大な竜、年を経た蛇、悪魔とかサタンとは呼ばれるもの、全人類を惑わす者は投げ落とされた。地上に投げ落とされたのである。その使い達も、もろとも投げ落とされた」(「ヨハネの黙示録」第12章7~9節)
地上とは、地球である。堕天使ルシフェル達は、この地球に落とされたのである。他の天体に落とされた堕天使もいるが、少なくともルシフェルは地球に封印された。堕天使が天上界に戻ることが出来ないのは、地球に縛られているからである。特殊なプラズマによって縛られている。ちょうど鎖につながれた犬の様な状態なのである。ブラック・プラズマ・フィラメントによって堕天使は地球内天体レメゲトンに封印されている。彼らの本拠地は、暗黒天体レメゲトンである。暗闇の中に棲み、そこから地上へ邪悪な波動を送り、時には霊体を伴って姿を現し、人々を誘惑する。
「聖書」には地球内天体レメゲトンに通じるプラズマ・トンネルの事を「底なしの淵」と表現する。
「イナゴは、底なしの淵の使いを王としていただいている。その名は、ヘブライ語でアバドンと言い、ギリシャ語の名はアポリオンと言う」(「ヨハネの黙示録」第9章11節)
「アバドン=アポリオン」とは堕天使ルシフェルの事である。地球内天体レメゲトンに君臨する堕天使ルシフェルはプラズマ・フィラメントを通じて、他の天体に縛られている配下の悪魔たちに指令を出している。ノストラダムスは堕天使ルシフェルが終末に向けて活動を活発化させることを預言詩で警告していたのだ。1999年を境に魔物が動き出したのである。
1999年8月には、何が起きたのか? 地球を中心に太陽系の惑星が4つの星宮に集中する。4つの星宮とは、獅子宮(獅子座)、金牛宮(牡牛座)、宝瓶宮(水瓶座)、磨羯宮(蠍座)で、天の四方で直行することから「グランド・クロス」と呼ばれる。さらには反地球ヤハウェも、このグランド・クロスを形成していたのである。占星術敵におけるグランド・クロスは1999年に限ったことではないが、この時は特別だった。4つの宮が「神々の戦車(メルカバー)」に対応していたからだ。
カッバーラにおけるメルカバーとは、絶対神の王座とも呼ばれ、4つの顔を持つ天使として描かれる。「新約聖書」には、次のように記されている。
「この王座の中央とその周りに4つの生き物がいたが、前にも後ろにも一面に目があった。第1の生き物は獅子のようであり、第2の生き物は若い雄牛のようで、第3の生き物は人間のような顔を持ち、第4の生き物は空を飛ぶ鷲のようであった」(「ヨハネの黙示録」第4章6~7節)
蠍座はかって、鷲座とも呼ばれていた。4つの顔を持つ生き物とは、天空における4つの星座を意味しており、そこに太陽系の惑星が集まって形成されるグランド・クロスこそ、絶対神の戦車メルカバーを象徴しているのである。
この4つの生き物は、「旧約聖書」にも登場し、預言者エゼキエルがケルビム(諸天善神)と呼んだ天使の事である。カッバーラでは、この世の生物のヒエラルキーを象徴すると言われている。メルカバーの4人の天使については、終末において、殺戮の天使としても登場する。
「4人の天使は、人間の3分の1を殺すために解き放たれた。この天使たちは、その年、その月、その日、その時間のために用意されていたのである」(「ヨハネの黙示録」第9章15節)
メルカバーのケルビム(諸天善神)は地球上の人間を殺戮することが使命である天使なのだ。死ぬのは人間だけではない。地球生命体ガイアも死ぬのである。ポロスコープは地球を中心に描かれている。したがって、グランド・クロスの中心は、地球が位置する。これは地球が十字架に架かったことを意味する。ゴルゴダの丘でイエス・キリストが十字架に架かったように、地球もまたグランド・クロスに架かる。1999年8月、地球生命体ガイアは天の十字架に架けられたのである。