(11)E=MC²が導く感謝の心
五島氏の論文「自然外の先駆的統一」にも問題点がある。それは相対性理論を破っていることである。物理学者はローレンツ変換が大好きである。ローレンツ変換を破るとダメなのではないかという説もあるが、ミクロ領域で相対論と量子力学はどうしても折り合いがつかない。どちらかが席を譲る必要がある。
量子力学と相対論、この水と油の関係にある2つを統一していく上で、五島氏は量子力学的な世界観を立場とした。すると、時間軸に秘密があり、時間軸から入っていくと、面白い統一場理論ができた。統一場理論を作って改めて、E=MC²を考えると、神と云う絶対創造者が宇宙を創り、いろいろなものが生まれた。例えば、机の上にコップがあるとする。私たちは机の上にコップがあることを当たり前だと思っているが、このコップをコップたらしめているのは、その背景に意思があるからである。瞬間瞬間にここにあろう、ここにあろうとしている意識の積み重ねが、ここにコップをあらしめているのだろうと思う。毎朝、起きると、家があり、水がある。神ご自身が、そこに家があるように、そこに水があるようにと瞬間瞬間に念じられているから、消えてなくならない。
私たちが家があるのは当たり前、水があるのは当たり前だと思っている。瞬間瞬間にそこにあらしめている力の意思があるから、そこに物がある。そう考えると、毎朝、目を覚まして、ただ漫然と毎日過ごすのではなく、目の前のものに感謝をするという発想がE=MC²から自然に出て来るのではないかと思われる。
ヒンドゥー教では、ブラフマンが無から有を作った創造主であり、その創ったものをそのままあり続けさせる力がヴィシュヌである。実はヴィシュヌの力こそが一番重要なのではないかと思われる。
量子力学はニールス・ボーアが創始者である。ボーアは太極図が好きだった。彼は禅が好きだったのである。禅の世界は人間が修行をして行って神や仏になるのではなく、元々人間の実在は光であり、汚れていないという発想をする。元々光である証拠に、どれだけ病み、どれだけ疲れ、どれだけ人に裏切られて猜疑心の塊になっても夕陽を見れば単純に感動する。美しい音楽を聴けば心が晴れやかになる。
どんな人生の苦難も決してその人をどん底に落としてはいない。と言うことは、汚れ無き魂が存在するわけである。仏陀も晩年はそのことについて論じられた。「修行して仏になったようだけれども、実は私は最初から仏である」 それが法華経だろうと五島氏は思っている。
元々仏である。これが神髄であるということを最後に仏陀が説いている。その神髄だけを残したのが達磨の説いた禅の道である。それが日本に伝わり臨済宗、曹洞宗になり、足利尊氏、今川義元、織田信長、徳川家康に大きな影響を与えた。
キリスト教はもともと、人間はエデンの園から追われた罪人であり、懺悔しなければいけないという原罪思想がある。だから、土曜日は教会に行って祈り、日曜日はボランティア活動をすることによって、後半の人生を清らかなものにしようということになる。
仏教は違う。修行して自分から汚れを落として悟っていくというよりも、元々悟っている。元々仏である。その元々の所に帰一していくことが仏教の神髄である。その思想をニールス・ボーアは好んだ。
どちらかと言うと相対性理論はキリスト教的な「神は博愛なり」という発想から来ていて、量子力学は仏教的な価値観から生まれてきた。五島氏は、量子力学と相対論の融合の過程で、もしかしたら、キリスト教と仏教の融合、和合ではないかと思いを馳せた。
イタリアから始まったルネサンスは、神からの人間の解放だった。それまでは教会が絶対権を持ち、贖罪として、免罪符と言う形で神父にお願いして罪、汚れを取ってもらった。そこからマルチン・ルターやカルヴァンが現れて人間の主体性を取り戻した。そして、1600年以降、デカルトが現われ、「我思うゆえに、我あり」を唱え、座標と言う数学的な考え方を広めた結果、人間を数量で測る考え方が主流となった。「あいつは俺より優れている」という座標から競争が始まり、一人一人の世界を拡張させていった。例えば、マゼラン、コロンブスが登場して植民地化、帝国主義が世界を席巻した。しかし、拡張し尽くした果てに発見したことは、皮肉なことに地球は狭いということだった。どこかの国が絶対優位ということはない。そのことが分かったのは、2018年の世界現象ではないか。残るは、一人一人が自分と向き合うことだろうと思う。そう思ったとき、キリスト教的な発想だけでは無理がある。無理やり1つにするのではなく、元々1つである、自分を掘り下げていけば、1つのものに到達するという仏教的な考え方で五島氏は論文を作ったという。
(まとめ)
①瞬間等価原理ですべての説明がつく。
②パラレルワールドは本当に存在する。
③私たちの宇宙とは全然質の違う宇宙が何層も重なっている。
④UFOは光のスピードがこの世と全く違う空間を飛んできている。
⑤プランク定数が大きいと小さな努力で沢山の成果を得られる。
⑥光速度とプランク定数で定義すれば未知の世界も理論づけが可能である。
⑦ワープ航法や瞬間移動も全部計算できる。
⑧将来生まれる卓越した理論は回転に真っ向から挑んだ理論である。
⑨天使や聖霊は光速度とプランク定数が違う世界から来ている。
⑩高次元の世界は物事があっという間に実現する。
⑪奇跡や超常現象は光速度とプランク定数が違う世界にアクセスしている。
⑫引き寄せの力が強い人は、万有引力Gが大きな世界にアクセスしている。
⑬願望実現と引き寄せの法則は異質の宇宙の法則である。
⑭生命と宇宙は共振関係にある。
⑮人間は大宇宙の申し子である。
⑯短時間に願い事を実現するためには嫌な過去はさっさと忘れる。
⑰やたらに努力するのではなくボーッとしていた方が引き寄せられる。
⑱hc/G=m²は幸運の方程式。
⑲物理の探究をしながら人生の法則を探求する。
⑳量子力学的な世界観から時間軸の秘密に迫ったのが統一場理論である。
㉑維持するヴィシュヌの力こそが重要である。
㉒汚れ無き魂の存在を仏陀は説いていた。
㉓五島氏がやろうとしていることはキリスト教と仏教の和合である。
㉔自分を堀り下げていけば1つのものに到達する。