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核分裂を阻止する「統一場理論」の話(4)

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(4)E=MC²は時間軸を移動する物体のエネルギー

 相対論と量子力学は、両者を統一する試みはなされたけれども、相性が悪い。2つとも巨大な理論であり、資本主義と共産主義のように、互いに「私が正しい」と主張し合っている。

 有名なところでは、量子力学の巨頭ニールス・ボーアと相対性理論のアインシュタインによるボーア対アインシュタイン論争がある。相性の悪い2つの理論をミックスするというのは途方もない問題である。

 まずこの1つの大きな問題が統一場理論の前に立ちはだかっていた。そこで五島氏は「私は理論で考えようとしている。理論は道具であるから、人間の直感を取り戻そう」と考えて、もう一回E=MC²の戻った。低いところから上に持っていくのも移動であり、マーカーを右端から左端に動かすのも移動である。ともかく移動がないとエネルギーはない。

 では、E=MC²は移動が全くないのにどうしてエネルギーがあるのか? 五島氏はアインシュタインの時間軸の考え方を使った。机の上に物がある。この物は時間軸を想定すると、時間軸の中を猛スピード(光の速度)で走っている。3次元に生きる私たちが時間軸の中を猛スピードで走っていると捉えるのが、アインシュタインの時空モデルである。

 机の上にある物は、相対論の時空という概念では、世界線という紐のようなものである。ひとつながりの紐のようなものがずっと未来まで続いていて、この中を空間が猛スピードで走っている。この時、その紐のようなものを輪切りにしていくと、移動しているように見える。世界がAの所を横切るとAにあり、Bの所を横切るとBに移動するから、世界で見ると、結局、移動していることになる。

 わかりやすく言うと、時間があるということは、時間軸の中を世界全体が光の速度、秒速30万キロメートルという物凄いスピードで走っているということになる。

 ここで登場するのがフランスのルイ・ド・ブロイと言う人である。彼はド・ブロイ波を仮説として提唱し、これは後にシュレデインガ―の波動方程式として結実し、量子力学の基礎となった。

 ド・ブロイによると、物は固いように見えるが、実は波である。しかも、この波の波長は計算できる。もったいが走っているときに質量とスピードに応じた波が生まれる。ここから物理学の大革命が起きた。スピリチャルの人が「万物は波動である」と言っているのは、ここから来ている。

 万物は波である。動いていると、波が起きる。時間軸の中を猛スピードで動いている物体は、当然波を発生させる。机の上にある物は止まっているように見えるだけで、実は時間軸の中を猛スピードで走っているので、当然波が出ている。その波のスピードは光速度である。ここからド・ブロイの波長を計算し、エネルギーを計算すると、E=MC²が出たのである。

 すごく難解な特殊ローレンツ変換を計算しないと出てこないE=MC²が量子力学から出てきたというのは、非常に面白いと思われる。

 相対性理論の主要公式が、量子力学から出て来るということがわかると、量子力学と相対論を統一するにはどうしたらいいかと考えた時に、障壁が無くなって先に進みやすくなったのである。

 

 相対性理論は要らないということになるかもしれないが、量子力学の概念を使って、ローレンツ変換に近いもの、それから時間が伸びたり縮んだりするということが全部出て来る。そして、E=MC²がローレンツ変換も何も使わずにすんなり出てきた。(「自然界の先駆的統一」の前半に書いている)

 E=MC²が出てきたところで理解できることは、「物体が時間軸の中を動いているからエネルギーがある」と考えられるのである。

 物体は止まっているように見えても、時間軸の中を移動しているわけだから、止まっていても当然エネルギーがあるというのが、E=MC²の正体だった。

 時間軸の中を移動しているということで、直感的にわかりやすくなった。 時間軸の中を物体が運動していると考えると、アインシュタインが時間が実在することを発見したと言える。しかし、時間軸を完全に作ってしまうと、刻々と変化して無数にある時間軸のただ1本に過ぎない。そのため最近では、一般相対性理論的に言うと、「時間なんてあっても無くてもいい」という理論がどんどん出て来る。元々は時間を神聖視していたのではないかと思う。


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