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核分裂を阻止する「統一場理論」の話(3)

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(3)クラインによる、重力と電磁力の統一の試み

 将来的に統一場理論を作りたいと言ったときに、大きな問題が1つある。力には重力、電磁力、強い力、弱い力の4つの種類がある。重力場は、一般相対性理論で説明がつく。つまり、重力は相対性理論の範疇にあるのだが、後の力は量子力学と非常に相性がよく、ほとんど量子力学の世界である。

 重力は、リンゴの木からリンゴが落ちていくのを見たニュートンの「リンゴが落ちるのは地球が引き寄せているからだ」という単純な発見から始まって、その後、アインシュタインが相対性理論の中に組み込んでいった。

 相対性理論の重力を簡単にイメージ的に言うと、リンゴは地球に引っ張られたのではない。時空が歪んでいるから、端にあったリンゴがコロコロと滑って真ん中に落ちただけである。「時空は曲がっているのだ」という説明になる。その重力と、量子力学である電磁力とを始めて統一したのがアインシュタインと同時代の天才科学者であるオスカル・クラインである。ここで初めて5次元という言葉が出て来る。クラインは5次元理論を作った。ところが、アインシュタインの相対性理論が検証可能であるのに対し、クラインの論文は、理論的にはあり得るのではないかと言われるが、残念ながら検証のしようがなかった。それでクラインの発見は次第に無視されるようになっていった。

 しかし、最近、クラインの発想がそのまま超ひも理論になっている。クラインは生まれるのが早すぎたのだと思う。五島氏が後にクラインの理論を修正したところ、面白いことがわかってきた。5次元という言葉はスピリチュアル系の方もよく使う。最近はアメリカの科学者(ハーバード大学のリサ・ランドールなど)が5次元についてまともに論じている。

 3次元は、縦(奥行き)・横・高さである。宇宙は3つの要素でできている。3と言うのは、洋の東西を問わず、いろいろなところに顔を出している。「古事記」では造化三神である、アメノミナカヌシ・タカミムスビノカミ・カミムスビノカミ。聖書では父と子と聖霊。インドの法では天・人・地など物が造られるときの土台としてよく使われる。中国では3本の足でできた鼎に座って将軍が指揮をとったと聞いている。

 縦・横・高さはビジネスにも応用できる。高さは志で、今から会社で何か事業をするときに、自分一人の利益を考えるのではなく、最近では環境を豊かにする、あるいはダメになった環境を元に戻す。今生まれているニュービジネスはほとんど環境に関係がある。人間の目は、昔は個人の利益、次は貧富の差をなくすなどの社会的な事、今度は自然の方に向いている。人間の考えの高さがどんどん高くなっているわけである。 

 横は、どこまで同業者のことを考えているかというか、異業種も含めて考えるべきだが、商店街であれば、賑わいを演出するために、商店街で共同してチラシを作ったり、どの店で買っても何%値引きになるクーポン制を取り入れたりする。1個1個は独立した商店主だけども、商店街全体でやるというのが横の発想である。

 奥行きは、1つのノウハウや技術をどこまでも、応用して使っていく。この3つがないと、ビジネスも失敗する。この3つに加えて時間軸があると言ったのがアインシュタインである。これは日本にある金剛組という建設会社は、西暦500年代の創業と言われる老舗企業である。(587年創業、現在は高松建設傘下)

 京都に行くと、のれんとか何となく歴史の味わいがある。そういう歴史の重み、つまり潰れることなく何年もコツコツとやっているだけで、それがブランドになる。これが時間軸の発想である。

 アインシュタインは時間軸を入れて考えたのだが、時間軸で説明がついたのは重力だけだった。電磁力という新しい力を作ろうとすると、必ず座標が増える。そこでクラインはもう一つ5次元軸を作った。今、手元の紙を筒のように丸めたとする。5次元がこの円筒形のように丸まっているとして、円筒を横長方向から見ると重力、円形の断面方向から見ると電磁力である。このようにクラインは説明した。ただ、彼の理論はアインシュタインは非常に気に入ったようでしたが、検証ができなかったわけである。


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