(12)原始キリスト教徒ガイアとノアの大洪水
ノアの大洪水をもたらした膨大な量の水は月内部にあった熱水である。原始地球は、完全に水没した。そのため、月の水の分だけ地球の質量が大きくなり、重力が増大し、地球環境が一変する。激変したのは地球内部でも起こった。地球内部の核やマントル層が大きく相転移を起こした。大きく体積が増大した。これに伴い、地球そのものの体積が急激に大きくなった。つまり、地球は膨張したのである。丸い形をした超大陸パンゲアが真ん中から裂け、テーチス海が出来た。超大陸パンゲアは沈み、全地球水没状態となり、一気に地球が膨張し、表面積が拡大した。テーチス海が拡大し、巨大大陸ローラシアと巨大大陸ゴンドワナに分かれる。続いて、南北アメリカ大陸とユーラシア大陸、アフリカ大陸の間が大きく裂け、大西洋が生じる。さらに、南極大陸とオーストラリア大陸が分裂する。これを「大陸放散」と呼ぶ。
地球膨張が一段落し、大陸放散が止まると、今度はプレートテクトニクスが働きだし、大陸移動が開始する。アフリカ大陸からインド亜大陸が分裂し、これがユーラシア大陸へと激突する。それにより、ヒマラヤ山脈を形成する。プレートの境界では地溝帯が出来たり、巨大な山脈ができる。
一般にプレートは海嶺で誕生し、海溝に沈んでいくとされる。大西洋には海溝が無い。太平洋には日本海溝をはじめ、大きな海溝がある。地球の表面積が一定であるならば、海嶺と海溝の長さは基本的に一致する。しかし、圧倒的に海嶺の方が長い。これは地球の表面積が拡大し、地球が膨張したからである。乾いた陸地ができたことで再び陸上の動植物が繁茂し、緑豊かな地球となった。
全地球が水没したのに、陸上生物が存在するのは、生き延びた生物がいたからである。つまり、箱舟である。生き延びたのではなく生かされたのである。明確な意図を持った何者かによって、絶滅の危機から救い出されたのである。それがノアの箱舟である。
旧約聖書によると、ノアの箱舟はアララテ山系に漂着したとある。現在のトルコにあるアララト山である。ノアの大洪水が起こったとき、アララト山は無かった。地球膨張と大陸放散が起こる過程で山脈が形成され、さらに大陸移動が開始したことで標高が高くなったのである。現在でもノアの箱舟のほかにも複数の箱舟が存在するという。ノアの箱舟と目されているのは、アララト山の南方30キロに位置する「箱舟地形」である。外見は化石化しており、人工物には見えないが、アメリカ軍はこれがノアの箱舟であると結論付けている。
地球生命体ガイアの素性を知るうえでノアの箱舟は重要な鍵となる。新約聖書には次のようにある。
「この箱舟に乗りこんだ数人、すなわち8人だけが水の中を通って救われました。この水で前もって表された洗礼は、今やイエス・キリストの復活によってあなた方をも救うのです」(「ペトロの手紙Ⅰ」第3章20~21節)
ノアの箱舟は水中を潜水艦の様に潜る機能を持っていたということである。ノアの箱舟が潜水したということは、象徴的に「洗礼」、すなわち「バプテスマ」を受けたということである。頭に水をかける「適礼」ではなく、体を一度水に沈める「浸礼」で行われたのである。イエス・キリストもヨルダン河にて、バプテスマのヨハネから浸礼を施された。浸礼のバプテスマは原始キリスト教の正式な儀式である。同様に。潜水したノアの箱舟に乗っていた8人は聖なる者としてバプテスマを施されたというわけである。注意してほしいのは、清い動物として集められた動物たちもいた。彼らもバプテスマによって聖別されたことになる。
では、バプテスマによって聖別され、絶対神との契約を結んだのは誰か?
地球生命体ガイアである。ガイアには明確な意識があった。惑星生命体プラネータは、みな超宇宙生命体ハイコスモリアンである。天変地異が生じることを承知のうえで、ガイアは月の水に身を沈め、そこから起き上がることでバプテスマを完遂したのである。その意味で、ガイアはクリスチャンである。浸礼と言うバプテスマを受けた原始キリスト教徒なのである。
一連の宇宙的大事件は、地球生命体ガイアにバプテスマを施す儀式でもあった。バプテスマで契約を結ぶ主体は絶対神ヤハウェである。まさにヤハウェと言うコードネームを持つ反地球生命体ヤハウェが灼熱の巨大彗星となって月を破壊し、その水を地球生命体ガイアに浴びせた。月生命体ディアーナは、バプテスマのヨハネの役割を担っていた。バプテスマのヨハネも、イエス・キリストに洗礼を施した後、処刑されてしまう。いずれにせよ、ノアの大洪水と言うバプテスマを受けた地球生命体ガイアは、原始キリスト教徒として生まれ変わった。やがて、地上には、救世主であるイエス・キリストが誕生する。地球生命体ガイアも、イエス・キリストを信じている。