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聖徳太子の「未来記」開封(50)

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(50)「未来記」第十章 近代日本と終末国際世界の預言

(第十章 読み下し全文)

若し人有りて此の徒党を信じ真実の僧の如く恭敬し供養する者は五病を受けん 謂う所の一は盲 二は聾 三は瘖 四は痿 五は瘡 また七禍を得る 一は瞋辱 二は打擲 三は被縛 四は閉籠 五は配流 六は呵責 七は尸曝 斯くの如く現身の中に於いて十悪事を蒙る 何ぞ況んや後生に於いてをや魔王眷属にして外道の棟梁と為し 故を以て斯くの如し 大聖釈尊 一切の諸菩薩は此の悪党を鑑知して 妙経の中に説示したまう 謂う所の法華第一に云う 当来の悪人は仏説一乗を聞き 迷惑して信受せずに法を破りて悪道に堕ちると

(第十章の現代語訳)

 もしこの者たちに帰依する人がいて、真の僧に対するように敬い供養するならば、その身に五病を受ける。いわゆる、一に盲(目が見えない)、二に聾(耳が聞こえない) 三に瘖(声が聞こえない)、四に痿(手足が萎える)、五に瘡(できもの)。さらに次の七禍を得る。一に瞋辱(怒り汚される)、二に打擲(殴られる)、三に被縛(縛られる)、四に閉籠(閉じ込められる)、五に配流(流罪にされる)、六に呵責(責めさいなまれる)、七に尸曝(屍を晒される)。子のように、現世に於いてその身に十悪事(「身、口、意」の三業によって造る10種の罪悪。「殺生、偸盗、邪淫、妄語、綺語、悪口、両舌、貪欲、瞋恚、邪見(また愚痴)」を受ける。ましてや、来世においてはなおさらである。魔王やその腹心の者たちは外道の棟梁となり、それ故に、このようになるのである。いわゆる法華第一に「来世に生ずる悪人は、法華経の教義を聞いて、どうしてよいのか迷った末に、信じて聞き入れることをしないで仏法に反し、自ら悪道に堕ちる」と述べている。

(歴史的現代→日本)

 国家神道という国家カルトを最大限に利用した日本軍部が、日本国民に何をしたか知る者にとれば一目瞭然と思われる。戦前・戦中の日本を軍国主義国家というが、特高警察が目を光らせる警察国家でもあった。妙な言動や体制批判などすれば、思想犯か国賊として連行され、まともに帰されることはなかった。拷問は日常茶飯事で、死体で戻されることも珍しくなく、それが戦前・戦中の日本の姿である。そこまで至らなくても、隣近所の連帯責任として互いに監視しあう「隣組制度」が定着化し、無政府主義やキリスト教徒、平和主義者は町内で監視し、時には村八分にして追い出したりした。歪曲した「教育勅語」を、小学生から叩き込み、神道を捻じ曲げて悪用した結果、国民の大多数は日本が唯一の神の国であり、戦争に負けることはないと妄信した。挙句の果てに、世界を天皇陛下の軍門に降らせ、天皇陛下が世界を制覇すると本気で信じ込んだのである。

 結果、日本はカルトである国家神道を掲げる軍に操られ、国土が焦土と化すまで突き進むことになる。人々は現実に対して盲(目が見えない)、情報があっても聾(耳が聞こえない)、捕虜になれば助かるといっても信じない痿(声が聞こえない)、飢餓による痿(手足が萎える)が襲い、不衛生による瘡(できもの)が襲ったのは歴史が証明している。

 さらに賊に従い続けた日本人に、次の七禍が襲った。群から屈辱的な目に合う瞋辱(怒り汚される)、暴力を受ける打擲(殴られる)、逆らえば被縛(縛られる)、国賊として閉籠(閉じ込められる)、刑務所に送られる配流(流罪にされる)、拷問を受ける呵責(責めさいなまれる)、挙句の果てに処刑で̪尸曝(屍を晒される)が襲った。

 これが戦前・戦中の軍による日本統治下の有様である。今の北朝鮮を思えばいいだろう。日本が負けて軍が一掃されたとき、多くの国民は悔しさと同時に安著の気持ちを得たというのもわかる気がする。異常な国家カルト体制から解放された瞬間だったからである。

 そこで気になるのが「未来記」が示唆する現代の日蓮の象徴、公明党の存在である。憲法第20条に抵触する形でなおかつ存続する公明党は、僧k学界と表裏一体の関係にあることは誰でも認める事実である。聖徳太子の「未来記」を紐解く限り、日蓮を最悪の僧と断じ得るため、その教義に従う創価学会の思想も賊となる。己以外の宗教・宗派をすべて邪教とし、存在を一切認めない創価学会は、その教えに忠実な原理主義集団となり、彼らが政治の主導権を握ったら最後、創価学会に属さぬものはすべて排斥される運命が待ち構える理屈になる。他宗教・宗派を全て認めない以上はそういうことになってしまうだろう。別の言葉を借りれば他宗教・宗派の根絶である。

 オウム真理教が看板を代えても何一つ変わらない様に、日蓮に忠実な創価学会が変わることは断じてない。それが原理主義である。公明党は今も池田大作名誉会長の影響下で動く政治組織であり、それを否定する証拠はどこにもない。公明党の支持母体が創価学会だからである。表裏一体と言ってもいい。

 「未来記」は日蓮の教えは亡国に至る危険思想と述べている。そして、創価学会の究極目的は、日蓮の教えによれば日本制覇である。その先に続くのは世界制覇となるであろう。日蓮の教え以外の宗教をすべて邪教とするならば、キリスト教、イスラム教、ユダヤ教、ヒンズー教等々の他の宗教宗派は全て排除の対象となる。当然、神道も邪教となるため、天皇の地位を奪うことも創価学会の目的となだろう。

 創価学会がいくら言葉を濁し、詭弁を弄しても、日蓮の教えは原理的に必ずそこへ行きつくしかないように思える。だから、日蓮を最悪の僧として、聖徳太子は「未来記」「未然記」両書重なるように、日蓮の誕生した1222年を仕組んでいるのだ。

 そればかりではない、世界を日蓮の教えで統一し、他の宗教を駆逐して絶滅させようとするならば、これは宗教戦争そのものである。これでは旧日本軍が国家神道を掲げ、世界宗教にするため八紘一宇で世界制覇に乗り出した動機と同じことになる。だからこそ、「未来記」は、これを賊と表したのである。公明党がなぜ現実に生き残れて力を持っているかというと、与野党にとって創価学会の組織票が欲しいからである。それゆえに、どちらからも憲法違反で公明党を追放することができないでいる。実はこれは「未来記」の立場からすれば、最悪に事態なのである。

(歴史的現代~近未来→世界)

 近い将来、「対テロ戦争」を錦の御旗として、圧倒的武力でヨーロッパを救い、ロシアを追い出し、イスラム勢力を叩き潰したアメリカは、まさに世界の救世主である。結果、どの国もアメリカに逆らえなくなっている。アメリカ主導の世界政府がここに登場する余地がある。この現代の錦の御旗は、世界を導く世界総統そのものになるはずである。この男は、世界を滅亡から救う英雄になるはずである。世界中が歓喜の声でこの男を迎え、この男を世界の指導者に相応しい人物と認定するようになる。

 この男はヒトラーさえ持ちえなかった絶対権力を手中にし史上最悪の独裁者となる。一度は命を失う傷を受けるが蘇り、その後、男は変貌して恐怖の存在となる。

 絶対的軍事力と警察権力を合わせもつ世界総統は、世界政府の指示に従わない国や人間に対し、冷徹な制裁を加えるようになる。弱小の国家は消え去り、男への批判は死を意味するようになる。地上は今まで見たこともない、暴力と虐殺にあふれ、老若男女の区別なく捕らえられ、処刑される社会が訪れる。その世界を「新約聖書」は以下のように預言する。

「獣の像を拝もうとしない者があれば、皆殺しにさせた。また、小さな者にも大きな者にも、富める者にも貧しい者にも、自由な身分に者にも奴隷にも、すべての者にその右手か額に刻印を押させた。そこで子の刻印のある者でなければ、物を買うことも、売ることもできないようになった。この獣の名、あるいはその名の数字である。」(新約聖書「ヨハネの黙示録」第13章15~17節)

 現在、すでに使用されている認識コードを、額と腕に打つような時代がやって来る。人が各所に設置しyてあるセンサーに前を通るだけで、その人間がいつどこにいるかもわかるシステムが登場するのだ。これは住民基本台帳による国民総背番号制の延長と思えばわかりやすい。

 買い物もすべて認識コードだけで済ませ、買い物をしただけで照りリストがどこに隠れているかも発見できるようになる。だからこそ、平和を渇望する世界が、このシステムを支持するだろう。しかし、これは徹底した監視システムである。その雛形が、現在、アメリカのNSA(国家安全保障局)の監視システムの「エシュロン」である。エシュロンは現在すでに携帯電話、ネット回線、電波、有線、衛星回線を問わずすべての情報を盗聴している。このシステムが世界規模で増殖し、発展した物が構築される。

 このシステムは裏を返せば「世界政府に逆らった人間を物の売り買いもできなくさせ、社会生活もできなくさせる」ことである。それどころか世界総統を支持しない人間や国は、世界から抹殺されてしまうのだ。そのため世界政府には、史上最大最強のアメリカ軍とその同盟国、従属国の軍事力を結集させるのである。その世界は言論の自由など全くなく、情報は操作され、見るもの読むものは検閲される。逆らえば投獄され、収容所の送られ、拷問を受け、最後は処刑される。それは史上最悪の警察国家社会で、密告社会でもある。そんな恐怖社会が未来に待ち受けている。これは魔王による悪魔世界の具現化そのものである。こうなってしまったら救われる道などあるわけがない。


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