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聖徳太子の「未来記」開封(37)

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(37)「未来記」第五章 近代日本と終末国際世界の預言

(第五章 読み下し文)

彼の三比丘の第一は一遍法師と名づく 念仏三昧に依りて私家を立て 邪義を弘め女犯を許して侶尼と一所に起臥する 鼠色の衣を着けて黒衣を禁じ 踊躍念仏を修めて六字の名号を汚す 人民を惑わして往生の札を授け 悪病人を集めて眷属と為し 国郡に遊行して米銭を費やし 奇特を現して諸人の信敬を被り 施主を引きて地獄に堕とさんと為す 蓋し以て斯くの如し

(現代語訳)

三悪僧の一番目は、名前を一遍法師と言い、念仏三昧で自分個人の家を建て、偽りの道理を世の中に広め、僧が女性と交合することを許し、尼と一つの場所で寝起きする。鼠色の衣を身に着け黒衣を戒め、踊躍念仏(踊り念仏)を修めて、六字の名号(南無阿弥陀仏)を貶める。人々を惑わして、死後極楽浄土に生まれ変われるというお札を授ける。質の悪い病気の人を集めて配下とし、国中を遊び歩いて米と銭を無駄に使い、霊験を現して多くの人の信敬を受けて施主(僧に物を施す人)を引き寄せ、そして地獄に堕とそうとする。まさしくこの通りである。

(歴史的現代→日本)

 明治天皇に取り入った薩長は、他の土佐、肥後より政府の重要な職を占め、富国強兵政策で指導権を握った。楠木正成の頃を目指した建武の中興政治の復活にも見えるが、実態は天皇を錦の御旗に担ぎ上げ、神輿の扱いで実質的支配権は官軍の薩長が握った。主に薩長から生まれた日本軍部は、日本を支配しやすいように、天皇を神と祭り上げて現人神とし、軍を皇軍として神聖視させた。

 さらに死ねば神となる神道の根源を悪用し、「靖国神社」を興し、死後の保障を安易に約束した。これが国家神道という邪教だった。

 こうして一言念仏同様、軍の言葉を「天皇陛下の言葉と思え」で、日本を支配していった。これは一遍が仏名を唱えるのと同じ理屈だった。軍は伊勢神宮を要とする天下無双の仕組みを汚したも同然だった。

 「鼠色」は一つの色を言うのではない。全体的に地味な色を指し、文化文政年間以降、色が細分化し、「四捨八茶・百鼠」と言われるほど多かった。その一つが黄系の枯れ葉色、あるいは生壁色でもあり、後にカーキー色と呼ばれて日本軍の征服として採用されている。それが「未来記」の鼠色の衣の意味になっている。

(歴史的現代→世界)

 アメリカは、イスラエルからイスラム教徒を排斥する計画を持っているとしか思えない。ブッシュジュニアは、ユダヤ一辺倒のキリスト教原理主義者で、パレスチナ人をゴミとしか見ていない。だから平気で十字軍の名を出せる。誰も逆らえない「対テロ戦争」の美名を詔か免罪符のように連呼し、イスラム諸国を侵略している。対テロ戦争の別名は新十字軍戦争であり、イスラム教徒絶滅作戦である。イスラム原理主義者たちは、それに最も敏感に反応したともいえる。

 ブッシュジュニアは安易にイラク戦争の勝利を世界に向けて宣言し、平和を約束したが、現実は逆になった。イラク戦争はベトナム戦争と同じく泥沼化し、世界を混沌と出口の見えない暗闇の中に引きずり込んだだけである。

 まさにブッシュジュニアは、世界中にアメリカ軍を派兵し、膨大な戦費(税金)と人命を無駄に使っているとしか思えない。アメリカと共に行き着く先は、まさしく地獄である。


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