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聖徳太子の「未来記」開封(18)

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(18)「未然記」第五百歳の出来事(5)

「第五百歳の出来事 五」

「忠聖身を刃に伏し 侫賊自ら鋒を振るう」

 

(預言内容→世界編)

 真面目な人たちは、審議と忠誠をつくしながら、戦争の中で命を失う時代が来る。賊となる国は、悪の本心を隠しながら、軍事力をほのめかせ、数の論理で支配権を奪い取るだろう。そして、多くの国を自分の足元に集めることになる。

 足利尊氏にしろ、日本の軍部にしろ、錦の御旗である旗頭に取り入り、その隙に乗じて天下を掠め取った賊である。そのやり方はアメリカにも通じる。

 アメリカも錦の御旗を掲げている。現在のそれは「対テロ戦争」という御旗で、実際、世界は水戸黄門の印籠のように、その御旗に反論できないでいる。やがてそれが世界政府へとつながっていく。

 逆らう者は平和に盾突く抵抗勢力となり、十把一絡げで人類と世界の敵となる。小泉純一郎がやった手口と同じである。世界はこれに騙される。

 かって天皇という御旗を取り込み、武力で世界を支配しようと企てた日本軍と同じ発想である。天皇陛下の言葉(実は軍の言葉)に逆らう者は賊であり、売国奴にされてしまうのである。

 だから、世界政府を受け入れたら最後、アメリカの軍産複合体による恐怖支配を世界は迎えることになる。彼らは死の商人であり、彼らがアメリカ軍と共に世界を支配したとき、どういう世界が誕生するか想像できるだろう。

 世界は、アメリカが決めた敵と戦い、アメリカが査定した戦費を払わされる。さらに世界規模の警察国家社会が誕生する。これは恐ろしい監視社会を意味する。

 大きな戦争がヨーロッパを舞台に勃発したとき、強大な軍事力でイスラム連合軍を制圧し、ロシアを退かせたアメリカは、ヨーロッパを第二次世界大戦以来、再び敵の手から解放したことで世界から絶賛される。

 特にヨーロッパでの歓迎は非常に大きなものになる。数年前まで、ヨーロッパからアメリカ軍を追い出さない限り、真のEUの自立はあり得ないと叫んでいた頃と雲泥の差である。しかし、アメリカの英雄的行為の裏には、最初から計算された戦略的意図が隠されていた。だから聖徳太子は「賊」という言葉を使っている。

 アメリカの最終的な意図は、アメリカ一国で支配する世界構築である。その前段階として、アメリカ主導による世界政府を樹立せねばならず、そうなるには世界規模の戦争が起きなくてはならない。

 国際連盟の前に「第1次世界大戦」が起き、国際連合の前に「第二次世界大戦」が起きたのと同じことである。だから大戦争を起こす前、アメリカは世界の警察から故意に退く。世界政府の樹立の前に、もう一つやっておくことがある。必ず立ちはだかってくる邪魔者を事前に消し去っておかねばならないのである。

 その急先鋒が、アメリカの世界戦略に対し、いつも反発してくるEUである。アメリカのポチのイギリスはいいとしても、フランスはEUの反アメリカ運動の筆頭で、アメリカと石油利権を争う政策を推し進めてきた張本人である。

 もう一つの邪魔ものはイスラム諸国である。イスラム教はアメリカが推し進める世界制覇の邪魔にしかならない以上、先に叩き潰しておく必要がある。

 この両勢力を国際舞台から先に引きずりおろしておけば、後に残るのはロシアと中国だけになる。できれば、ロシアの力もこの際一緒に削いでおきたい。

 そこで、それまで反対だった拡大NATO構想を、アメリカ主導で行うよう大政策転換し、ロシアを北の果てに追い込む戦略を推進させていった。そうすればロシアの民族主義に火が付き、やがて目覚めたロシアは必ずもう一度かっての栄光を復活させよう企ててくる。ロシアが拡大NATO構想を破壊しに出てくるということである。

 事実、クリントン前大統領は、それまで大反対だった拡大NATO構想を、一夜にして全面撤回している。この決定は軍産複合体の主要メンバーとの秘密会合の直後だっただけに、クリントン陣営の重要スタッフにも知らされずに発表された。当時、マスコミは異例中の異例の大方針転換と報じている。


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