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聖徳太子の「未来記」開封(16)

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(16)「未然記」第五百歳の出来事(3)

「第五百歳の出来事 三」

「光り北水に沈むるに三十旬日 南の木に封ずるに六十日」

 

(預言内容→世界編)

 アメリカとロシアは、「戦略的兵器制限交渉」で核兵器を削減してきたが、ブッシュ(ジュニア)政権下では一転、核弾道迎撃ミサイル制限条約の破棄、包括的核実験禁止条約の批准拒否、ミサイル防衛計画の促進、小型核兵器の開発や核兵器使用を含む先制攻撃の準備を始めている。

 院政を敷くウラジミル・プーチンがいつまでもそれを傍観しているはずがない。

 預言を世界情勢に置き換えると、北方の地に没落した者が封じ込められると解釈できる。最悪の屈辱期間はほぼ1年である。ロシアを象徴するシベリアの大地は、水と関わる永久凍土と解釈すれば水は最北の氷となる。

 それがすむと、その者は再び復活し、それと呼応するように南の諸国が大きな戦争を起こすことになる。ロシアの南側にある火薬庫は中東以外にあり得ない。しかし、南で起きる戦争は2か月余りで終わってしまうとある。

 フランスは、EU内部と国際舞台での主導権を握るため、ドイツよりフランス主導で行われた拡大NATOの構想を、最大限に利用するはずだった。

 しかし、フランスの意図は、アメリカのクリントン前大統領の肩入れで拡大NATO構想における功績のほとんどをアメリカに奪われる形で終了してしまう。まさに鳶ならぬ鷲に、油揚げをさらわれてしまったことになった。

 当初、東欧5か国をNATOに吸収するフランスの主張が、アメリカの妨害で取り入れられず、フランスのアメリカ嫌いがピークに達した。それが後のイラク戦争直前に起きた、アメリカに対する強い反対行動にもつながっている。

 現在もNATOが保有する核兵器をアメリカが支配している。アメリカの許可がなければヨーロッパは何もできないのが現状である。アメリカは、第2次世界大戦後もヨーロッパに居座り続け、核攻撃の決定権すらヨーロッパに渡していない。

 ロシアは、プーチン政権下でGDP(国内総生産)を急速に回復させ、かっての威信を取り戻したと言える。ロシアに取れば、たとえアメリカがロシアをジュニア・パートナーとして「G7(先進七か国首脳会議)」に迎え、「OECD (経済協力開発機構)」のメンバーに加えても、しょせんはNATO 拡大のための「ご褒美」に過ぎない。現在、ロシア経済は石油の高騰を追い風に安定し、正式な「G8」メンバーになっている。

 プーチン政権の頃から、ロシアはかっての超大国の面子と意地にかけて、国際舞台でヨーロッパとアメリカに対し、一矢を報いる機会を虎視眈々と狙っていたはずである。いずれ何か途方もない大きな返礼を企ててくる可能性がある。

 慎重なる熊は、まずイランに接近し、それを盾に中東のイスラム諸国と手を結び、「イラク戦争」で世界の鼻つまみ者に陥ったアメリカを中東から追い出し、旧ワルシャワ条約機構国を取り返す。これがプーチン帝国の描くロシアの復活劇のはずである。事実、プーチンのあだ名は「皇帝」である。

 いずれ、全イスラムを震撼させる事件が中東で勃発するかもしれず、その兆しは既にイランで起き始めている。

 その結果、中東でイスラム教徒を決起させる大戦争が勃発し、それが60日にわたって続くことになるだろう。その戦争が何と呼ばれるかは別として、核兵器が使われる可能性があり、ヨーロッパも巻き込まれる可能性が高い。なぜなら、アメリカが撤退した中東で影響力を持つのは、中東の影響力拡大を狙うフランスであり、中東に近いEUだからである。しかし、彼らは必ず失敗する。なぜなら、イスラム諸国の背後にロシアがいて、裏で動かすからである。かってのワルシャワ条約機構という領土を奪い返すためにである。

 その大きな戦争は60日で終結するが、その結果、戦場と化すかもしれないヨーロッパは、かっての力を失うだろう。


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