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聖徳太子の「未来記」開封(8)

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(8)「未然記」の時間解読方程式 

 「未然記」には、622年から1621年までの出来事が預言されている。

 問題は「未然記」の持つ複雑な計算式を解き明かさないと、繰り返される預言年代がバラバラになってしまうことである。

 一つのヒントは、「未然記」が百歳(100年)刻みで記されていることである。これにより迷う必要がなく、622年から始まる1000年を、そのまま100年ずつ10区分すればいいだけとなる。

 問題があるとすると、最初の一千年紀が終わった1621年以降、どの百年紀から繰り返せばいいかで中身が違ってしまうことである。

 それをクリアしないと、現在の21世紀を示唆する預言に突き当たらなくなる。そこで、「未然記」の基本構造を明らかにしてみたい。

①第初百歳・・・・・・・622年~721年

②第次百歳・・・・・・・722年~821年

③第三百歳・・・・・・・822年~921年

④第四百歳・・・・・・・922年~1021年

⑤第五百歳・・・・・・・1022年~1121年

⑥第六百歳・・・・・・・1122年~1221年

⑦第七百歳・・・・・・・1222年~1321年

⑧第八百歳・・・・・・・1322年~1421年

⑨第九百歳・・・・・・・1422年~1521年

⑩第十百歳・・・・・・・1522年~1621年

 社会に関する預言が1000年分しか無いので、「未然記」の別名を「千歳紀」という。

 奇妙なのは、なぜ622年という中途半端な端数年代から預言を始めたのかということである。

 そのため最終預言部分も、1621年という端数で終わる羽目に陥ってしまっている。

 実は、聖徳太子が亡くなったのが622年であり、その年から預言が始まること自体に、太子の預言の意味合いが示されているという。しかし、それでも中途半端な端数が妙に引っかかる。

 実は各百年記の始まりと終わりの西暦の数字の和が、それぞれ一致するのである。それを記してみる。

①第初百歳 6+2+2=10 ~ 7+2+1=10

②第次百歳 7+2+2=11 ~ 8+2+1=11

③第三百歳 8+2+2=12 ~ 9+2+1=12

④第四百歳 9+2+2=13 ~ 10+2+1=13

⑤第五百歳 10+2+2=14 ~11+2+1=14

⑥第六百歳 11+2+2=15 ~ 12+2+1=15

⑦第七百歳 12+2+2=16 ~ 13+2+1~16

⑧第八百歳 13+2+2=17 ~ 14+2+1=17

⑨第九百歳 14+2+2=18 ~ 15+2+1=18

⑩第十百歳 15+2+2=19 ~ 16+2+1=19

 これはゲマトリアという数秘術から発したもので、ユダヤ密教のカッバーラは持つ基本計算術なのである。しかし、問題はそれだけではない。

 さらに各合計数を分解して足した数が、下記から順番に並ぶのである。

①第初百歳 6+2+2=10 ~ 7+2+1=10    1+0=1

②第次百歳 7+2+2=11 ~ 8+2+1=11    1+1=2

③第三百歳 8+2+2=12 ~ 9+2+1=12    1+2=3

④第四百歳 9+2+2=13 ~10+2+1=13   1+3=4

⑤第五百歳 10+2+2=14 ~ 11+2+1=14 1+4=5

⑥第六百歳 11+2+2=15 ~ 12+2+1=15 1+5=6

⑦第七百歳 12+2+2=16 ~ 13+2+1=16 1+6=7

⑧第八百歳 13+2+2=17 ~ 14+2+1=17 1+7=8

⑨第九百歳 14+2+2=18 ~ 15+2+1=18 1+8=9

⑩第十百歳 15+2+2=19 ~ 16+2+1=19 1+9=10→1+0=1

 ゲマトリアは完成の度合いを高めていく。これは西暦を知らなければできない芸当で、裏を返せば、イエス・キリストの生誕を知っており、それを基本に置く術を使っていたことになる。すでにユダヤとの関係が匂ってくる。

 カッバーラを無視しても結果は同じである。算出法で第五百歳以降、例えば1022年を「1+0+2+2」ではなく、「10+2+2」にしたのは、3区分のカッバーラの数式を重視したからである。しかし、それを無視しても結果は同じになる。

①第初百歳  6+2+2=10    7+2+1=10    1+0=1

②第次百歳  7+2+2=11    8+2+1=11    1+1=2

③第三百歳  8+2+2=12    9+2+1=12    1+2=3

④第四百歳  9+2+2=13    10+2+1=13   1+3=4

⑤第五百歳  1+0+2+2=5   1+1+2+1=5    5

⑥第六百歳  1+1+2+2=6   1+2+2+1=6    6

⑦第七百歳  1+2+2+2=7  1+3+2+1=7     7

⑧第八百歳  1+3+2+2=8   1+4+2+1=8    8

⑨第九百歳  1+4+2+2=9  1+5+2+1=9    9

⑩第十百歳  1+5+2+2=10   1+6+2+1=10  10

 第十百歳(一千歳)の「10」をさらに進めた「1+0」で1となり、622年から1621年までの預言には違いないが、「第初百歳」と「第十百歳」が同じ1で合わさることになる。すると、最後の「第十百歳」の次は、同じ1の「第初百歳」ではなく、次の「第次百歳」にあたることになるのである。


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