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カッバーラでしか解けない「ヨハネの黙示録」(48)

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(48)「第三のラッパ」と「第四のラッパ」

(第三のラッパ)

 地への裁きはさらに続く。しかも、まだ7つあるラッパの2つしか終わっていない。

 ヨハネは「第三のラッパ」が吹かれたときに起こる大災害を、次のように預言している。

「第三の天使がラッパを吹いた。すると、松明のように燃えている大きな星が、天から落ちてきて、川という川の三分の一と、その水源の上に落ちた。この星の名は「苦よもぎ」といい、水の三分の一が苦よもぎのように苦くなって、そのために多くの人が死んだ。」(新約聖書「ヨハネの黙示録」第8章10~11節)

 ここも両義預言になっていて、「松明のように燃えている大きな星が、天から落ちて」は、ルシフェルの落下の様子を表すと同時に、海に落ちたのと同規模の小惑星が「川という川の三分の一と、その水源の上に落ちた」ために、世界中の大河と無数の川が、無数の落下物で汚染されるとしている。

 2005年11月24日、中国の吉林省の化学工場「中国石油基地輪石化公司」が事故で大爆発を起こし、有害な化学物質が松花江を汚染する大事件が起きた。その被害は中国国内にとどまらず、汚染物質が松花江からアムール川へ流れ込み、そのまま中露国境を流れ下ってハバロフスク市まで到達した。ロシアでは、水道が使えないばかりか土壌汚染も心配され、河川汚染は長期にわたって深刻な影響を及ぼしている。

 川辺には様々な工場が建っている。そのため、もし連鎖的に破壊されたら最後、甚大な河川汚染を引き起こす。特に川が国境を越えて流れるヨーロッパでは、ライン川の水源が汚染されたら最後、スイス、リヒテンシュタイン、オーストリア、フランス、ドイツ、オランダに甚大な被害を与えるだろう。

 黙示録は、河川を破壊する星の名を「苦よもぎ」と記している。

 ニガヨモギは「苦蓬」と書き、蓬と似ているが毒性が強く、食すと死を招きかねないという。ヨーロッパから南シベリアに自生するこの植物には向精神作用があり、「アブサン」というリキュール酒には、かってこれが大量に含まれていた。(現在はニガヨモギの含有量が規制されている)。これを飲んで眩暈を起こしたり、神経が侵された人までいたというのに、その独特の味と香りに魅せられ、中毒に陥る人も多かった。

 苦よもぎは、死を招くルシフェル、そして地獄で辛苦を舐める悪霊たちを象徴する。彼らは人を誘惑して悪の道に落とし、霊的に殺してしまう。「そのために多くの人が死んだ」とは、そのことをも表している。そして末の日には、川という川は汚染され、放射能の塵を含めて飲み水がなくなるのだろう。

(第四のラッパ)

 ヨハネは、第4の天使がラッパを吹き鳴らすと、それまで輝いていた太陽が暗くなり、真昼でも夕方のような明るさしかないと預言する。月もその影響で急に輝きを失い始め、星々も光を失うという。このような出来事が実際に起きるのだろうか?

「第四の天使がラッパを吹いた。すると、太陽の三分の一、月の三分の一、星という星の三分の一が損なわれたので、それぞれ三分の一が暗くなって、昼はその光の三分の一を失い、夜も同じようになった。」(新訳聖書「ヨハネの黙示録」第8章12節)

 天体規模の地殻変動が起きれば、必ずプレート(地殻)に異変が起きる。大規模なプレート型地震が世界中で勃発し、日本のようなプレートの交差点にある島国は最悪の状況に陥るだろう。

 日本近海のプレートが異変を起こせば、阿蘇山や浅間山などの活火山が一斉に大噴火し、眠っていた富士山も一気に噴火する。大量の噴煙が混じって噴出する火山弾や溶岩流以外にも、大火砕流が、麓に広がる都市や町々を一気に襲うことになるだろう。

 世界中の火山という火山が一斉に大噴火を起こした場合、立ち昇る膨大な噴煙が偏西風に乗って世界中の空を覆いつくす。そうなると地上から見る太陽はうす暗くなり、月も星も光を失ってほとんど見えなくなるだろう。

「神はご自分の雲を広げて 玉座を覆い隠される。原始の海の面に円を描いて 光と暗黒との境とされる。天の柱は揺らぎ その叱咤に動転する。」(旧約聖書「ヨブ記」第26章9~11節)

 そういう凄まじい大混乱の中で、一羽の鳥が天空に現れて、世界中に聞こえる声で最後の警告を発するという。果たしてこの鳥には、どんな意味が隠されているのだろうか?

「また、見ていると、一羽の鷲が空高く飛びながら、大声でこういうのが聞こえた。「不幸だ、不幸だ、不幸だ、地上に住む者たち。なお三人の天使が吹こうとしているラッパの響きのゆえに。」(新約聖書「ヨハネの黙示録」第8章13節)

 飛翔する鷲は、天地を行き交う天使の喩えである。同時に猛禽類の中で最も強い鳥「鷲」は、黙示録では武力と戦争の象徴でもある。だから、「殺戮の天使」とでも言ったらいいかもしれない。その殺戮の天使が、更に恐ろしいことが起きると預言しているのだ。

 ヨハネの言う「太陽の三分の一、月の三分の一、星という星の三分の一が損なわれた」は、ルシフェルによって天使の三分の一が地獄に落ちたという意味であり、実際に太陽や月や星がうす暗くなるという意味でもある。

 推測だが、実際に太陽自体が輝きを失う可能性がある。太陽の大気表面を飛び交う無数の磁力線が何らかの変化で弱くなれば、磁力線交差から生まれるプラズマは低熱化し、白色発光をから赤色へと変異する。

 磁力線は等圧線のように交差しないと考えられてきたが、太陽表面のような特異な状況下では交差が起こり、その瞬間につなぎ替え(リコネクション)という現象が起きることを、太陽観測衛星「SOHO」が観測している。プロミネンスは、この磁力線のつなぎ替えの爆発で発生する巨大な炎のループなのだ。


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