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カッバーラでしか解けない「ヨハネの黙示録」(47)

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(47)「第二のラッパ」

 第2の天使が出てきてラッパを吹き鳴らした。すると、今度は、燃え盛る巨大な山のようなものが海に落ちてくるという。

 ヨハネはそれを山と記しているが、山というのは比喩であって、実際には直径10キロを超える規模の小惑星の可能性が高いと思われる。それが大気圏に突入し、激しく燃え盛りながら太平洋か大西洋、あるいはインド洋に落下する・・・・。

「第二の天使がラッパを吹いた。すると、火で燃えている大きな山のようなものが、海に投げ入れられた。海の三分の一が血に変わり、また、被造物で海に住む生き物の三分の一は死に、船という船の三分の一が壊された。」(新約聖書「ヨハネの黙示録」第8章8~9節)

 地球に大接近する巨大彗星(新惑星)は、木星から地球までの軌道上で必ず通る「小惑星帯」から、幾つも小惑星を引き連れてくるはずだ。その1つが海洋に落下するのかもしれない。そうなった場合、人類が被る被害は想像もできないほどの規模になる。

 1992年10月、「パリ第6大学」のラスパール教授は、小惑星「トータチス」が2000年9月26日に最接近すると警告した。

 トータチスは、1989年に発見された直径6・5キロほどの歪な小惑星で、つぶれた楕円軌道を公転している。太陽に最も近づく近日点では、地球軌道の内側に入り込むため、絶えず地球と衝突する危険をはらんでいる。約4年ごとに地球と接近するとされるこの小惑星は、1992年には地球から350万キロ、2000年には1105万キロまで接近し、2004年9月29日には、ニアミスと言っていい所まで接近した。その時の距離は155万キロ、地球から月までのおよそ4倍だった。

 幸いトータチスは今まで地球と衝突していないが、これから先はわからない。実際、このニアミスを機に、トータチスより大きな直系10キロほどの小惑星が海洋に落下した場合を想定したシミュレーションが、世界中でいくつも作られている。

 直系10キロの小惑星が海洋に落下した場合、瞬間的に物凄い衝撃波が発生する。仮に落下地点が港湾都市近郊とすると、巨大津波より先にその衝撃波が都市を襲い、建物のほとんどを紙屑のように吹き飛ばしてしまう。その破壊力は、冷戦時に米ソが保有した全核弾頭の1万倍の規模というから凄まじい。冷戦時は2万5000発の核弾頭があったので、少なくとも2億5000万発の核が瞬時に炸裂するほどの大爆発だ。広島形原爆の5億倍の数字も出されている。その威力は、高層ビルを粉砕するどころではないので、当然、人など木っ端微塵になって跡形も残らない。

 小惑星の落下海域には、数千~1万メートルの水柱が立ち昇り、それが崩れ落ちると、高さ1000メートルを超える超弩級津波が発生する。これを「ハルマゲドン津波」といい、その巨大な壁のような津波は世界中の海岸線をめがけて押し寄せてくる。それは内陸にある大都市まで呑み尽くし、生き残れるのは高い山に住む人ぐらいだろう。

 ハルマゲドン津波がどの海域で発生しようが、その影響は地球の反対側にも及ぶため、被害は世界規模に膨れ上がる。

 1960年5月22日19時11分(日本時間→5月23日午前4時11分)、南米チリ沿岸でマグニチュード8・5の巨大地震が発生したとき、チリの海岸を最大20メートルの津波が襲った。同時に、津波は太平洋全域に伝播し、15時間後にハワイ島のヒロで11メートルの津波が観測され、サモア諸島でも数メートルの津波が記録された。

 津波の伝わる速さは、水深5000メートル級の外洋では時速800キロで、これはジェット機並みの速度である。日本のように入り江や湾が多い国は特に危険で、湾口から侵入する津波が湾幅が狭くなるにつれて集中し、湾奥では一気に高くなって崩れ落ちる。チリ地震の時には、地震発生から22時間半後、津波は早朝の北海道東部沿岸に到着した。その後、津波は次々と太平洋沿岸を襲い、三陸のリアス式海岸では津波の高さは5メートルに達した。地震の発生地から遠く離れた日本ですら、142名の犠牲者が出た。

 ハルマゲドン津波の規模はこの比ではなく、ヨハネは「船という船の三分の一が壊された」と記している。世界中の多くの船が破壊され、巨大タンカーや豪華客船、戦艦や空母、貨物船、漁船、ヨットをも含む船舶の3分の1が海の藻屑となるのだ。全ての船が沈まないのは、大陸が防波堤の役目をするからだろう。

 被害は船だけにとどまらない。海の生態系は瞬時に崩壊する。「被造物で海に住む生き物の3分の1は死に」とあるのは、海洋の生態バランスが破壊されるからで、その結果、「海の三分の一が血に変わり」とあるような現象が起きる。

 直径10キロの小惑星が海洋に落下した瞬間、周辺の物質は瞬時に蒸発し、直径100キロの巨大クレーターが誕生する。海洋の泥は巻き上げられ、深層海流も破壊的なダメージを受け、その結果として海洋はその色を変えるだろう。

 日本の場合、原発は全て海岸沿いに建てられているから、もし落下地点が太平洋や日本海なら無地で済むとは思えない。ハルマゲドン津波によって原発群は瞬時に破壊され、メルトダウンを起こして凄まじい規模の爆発を起こすだろう。日本中の原発が連鎖的に爆発を起こすのだから、日本全土の被爆は免れない。特に圧力容器の破壊は致命的で、炸裂と同時に放射能を含む膨大な量の塵が舞い上がり、巨大津波を生き延びた人々に襲い掛かる。そしてその塵は、海洋にも流れ込み、海流に乗って環太平洋へと広がっていく・・・・。

 第2のラッパも両義預言になっており、それを紐解くキーワードになっているのが、全ての災害が「三分の一」と記されていることである。つまり、「天上の戦い」の様相がここでも語られているのだ。

「火で燃えている大きな山のようなものが、海に投げ入れられた」とは、地獄の炎に包まれたルシフェルが、神界から地に投げ落とされたことを、「海の三分の一が血に変わり」は、ルシフェルに従った天使たちの3分の1が「血」に象徴される獄に落ちたことを意味する。

 「被造物で海に住む生き物の三分の一は死に、船という船の三分の一が壊された」も同じ意味で、全て天地創造の前に起きた出来事を複合的に表している。両義とはその両方が実現する預言なのだ。


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