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カッバーラでしか解けない「ヨハネの黙示録」(30)

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(30)エジプトの宰相ヨセフと金星の誕生

 大洪水が世界規模だったと同じく、1000年間続いた大飢饉も世界規模だった。聖書の記述は、中東だけの出来事とは限らないのだ。

 兄たちからエジプトに売られたヨセフは、そこで才能を発揮して宰相の地位にまで上り詰めていた。そこで、もうすぐ来る大飢饉に備えるようファラオに進言する。これは明らかに預言だった。

「豊作の7年の間、エジプトの国の産物の五分の一を徴収なさいますように。このようにして、これから訪れる豊年の間に食糧を出来る限り集めさせ、町々に食糧となる穀物をファラオの管理の下に蓄え、保管させるのです。そうすれば、その食糧がエジプトの国を襲う7年の飢饉に対する国の備蓄となり、飢饉によって国が滅びることはないでしょう。」(旧約聖書「創世記」第41章34~36節)

 その後、世界中を未曽有の大飢饉が襲った。世界規模の大飢饉は地球の異変を示している。それは、天体の影響であった。

 それについての詳細は後述するとして、ヨセフは父ヤコブと自分の兄弟の一族を大飢饉から救うため、一計を案じて自分の所に引き寄せる行動に出る。

「ヨセフはまた言った。「私はあなたたちがエジプトへ売った弟のヨセフです。しかし、今は、私はここへ売ったことを悔やんだり、責め合ったりする必要はありません。命を救うために、神が私をあなたたちより先にお遣わしになったのです。この2年間の間、世界中に飢饉が襲っていますが、まだこれから5年間は、耕すこともなく、収穫もないでしょう。神が私をあなたたちより先にお遣わしになったのは、この国にあなたたちの残りの者を与え、あなたたちを生き永らえさせて、大いなる救いに至らせるためです。」(旧約聖書「創世記」第45章4~7節)

 ヨセフは紀元前1800年~1700年に生きた人物で、第3期の千年紀を生きた預言者だった。この時代、宇宙では大異変が起きていた。

 紀元前2000年以前には世界中どこの古代文明も記していない天体が突如として出現しているのである。

 金星である。シュメールの「バビロニア天体図」にも、古代バラモンの「ヒンズー惑星天文図」にも、水星、火星、木星、土星はあっても金星の記述がない。

 一方、紀元前2000年以降になると、世界中で金星の記述がなされるようになる。これはいったい何を意味するのだろうか?

 金星は美の女神「ヴィーナス」として知られているが、その由来はローマ神話にあり、それに先立つギリシャ神話では「パラス・アテナ」と記されている。パラス・アテナの誕生ほど異様なものはない。何しろ、父親の「ゼウス神」の頭を割って、その中から出てきたと言うのだから驚きである。

 神話と言ってしまえばそれまでだが、それが天体活動になぞらえたものだとすれば、ゼウスである木星の大爆発で金星が飛び出したと解釈できる。生まれたばかりの惑星は、長い尾を引く灼熱の巨大彗星であり、その姿は美の女神の長い髪とも符合する。

 驚くべきことに、古代の金星の記述には殺戮のイメージが付きまとっている。まるで古代人にとって金星は疫病神そのもので、ヴィーナスのイメージはない。その疫病神が、いつの間にか変貌して美の女神となる一方、大昔はただの惑星に過ぎなかった火星が、急に戦争の神の「軍神」へと変貌する。

 金星の謎に最初に気づいたのは、古代神話を研究する医学者イマニエル・ヴェリコフスキーだった。ヴェリコフスキーは金星と火星の入れ替わりの謎を埋めるため、様々な古代記録を捜したところ、古代エジプトの「アレキサンドリア図書館」の記録に行きつく。アレキサンドリア図書館の館長だったエラトステネスが、自らパピルスに書き残した金星と火星の記録が見つかったのだ。そこには以下のように記してあった。

 「金星が火星に接近して捕らえられると、凄まじい情熱で火を放った」

 この記録が書かれたのは、アラブ人が図書館を破壊する紀元640年より前の、紀元前3世紀だった。ヴェリコフスキーがさらに時代を遡って調べた結果、ギリシャ神話の「トロヤ戦争」へと行き着く。そこにアテナとアレス(マルス)の物語があり、そこに金星(パレス・アテナ)と火星(アレス)が闘う図式が浮かび上がってきたのだ。

 古代アメリカにも、同じような伝説がある。アステカの守護神は金星のケツァルコアトル、敵である殺戮の神は火星のフイチロポヒトリとされ、両者の戦いが伝説として残されているのだ。また、古代アメリカの宗教儀式には、金星の神が火星に矢を放つシーンが取り入れられていた。

 これらのことから、ヴェリコフスキーは、火星が軍神に変貌した時期を、少なくとも紀元前8世紀前後と推測した、

 火星は定期的に地球へと大接近する楕円形の公転軌道を持っている。ヴェリコフスキーは、それを見て、古代において火星は今よりはるかに地球と近かったのではないかと考えた。同様に、木星から飛び出した金星も、初めの頃は、地球とニアミスするほど接近していたに違いないと考えたのである。

 そうだとすれば、燃え盛る金星は火星とニアミスするほど大接近した際、灼熱の矢である炎(超高熱プラズマ)を火星に放ったはずだ。その様子を地上から見ていた古代人は、天空で起きる様々な現象を、全て神の世界の出来事として神話に書き残したのではないか?

 金星との潮汐力で小さな火星は安定軌道から弾き飛ばされ、それによって金星が安定軌道に入ったとすると、金星の時点が逆向きの謎も解ける。

 以後、火星が近世に代わって好ましからざる天体となり、人々は赤く染まった火星を軍神として恐れた。


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