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カッバーラでしか解けない「ヨハネの黙示録」(28)

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(28)ノアの大洪水の時代「第二の封印」→紀元前3000年~2000年の千年紀

 ヨハネは、イエス・キリストが玉座で第2の封印を解いたとき、第2の生き物が大声で叫び、炎のような真っ赤な馬が飛び出したと記している。その赤い馬には巨大な剣を持つ殺戮者が乗っていた。

「小羊が第二の封印を開いたとき、第二の生き物が「出て来い」と言うのを、私は聞いた。すると、炎のように赤い別の馬が現れた。その馬に乗っている者には、地上から平和を奪い取って、殺し合いをさせる力が与えられた。また、この者には大きな剣が与えられた。」(新約聖書「ヨハネの黙示録」第6章3~4節)

 「赤」は血の色であり、罪の色でもある。その罪の赤い馬に乗る者は、地上から平和を奪い取り、人々に殺し合いをさせるほどの罪深い存在であることを意味する。そして「大きな剣」は、そのものが未曽有の人命を奪う存在であることを示している。

 時代は、封印の巻物の第1期に次ぐ、紀元前3000年~2000年の千年紀に該当する。

 その間に起きた史上最悪の出来事と言うと1つしかない。紀元前2344年に起きたとされる「ノアの大洪水」である。全地を沈め、地上に残ったノアの家族以外を一気に滅ぼした大洪水は、地上の罪と残虐性がピークに達したときに訪れたと伝えられている。そうであるならば、今世紀中に起きるとされる最終戦争(ハルマゲドン)も、地上の悪が最も満ちた際に起きることになる。

「主は、地上に人の悪が増し、常に悪いことばかりを心に思い計っているのをご覧になって、地上に人を造ったことを後悔し、心を痛められた。主は言われた。「私は人を創造したが、これは地上からぬぐい去ろう。人だけでなく、家畜も這うものも空の鳥も。わたしはこれらを造ったことを後悔する。」(旧約聖書「創世記」第6章5~7節)

 聖書学的に言うと、地上の人々に見境もない殺し合いをさせる張本人はサタンである。サタンは、かって天使だったことがあり、天使名をルシフェルと言った。そのころは最高位の熾天使の地位にあったルシフェルは、やがて、自分が神(天の父)を超える存在と思い込むようになり、自分に従う天使たちと徒党を組んで、天界で大戦争を仕掛けた。しかし、天使長ミカエルの率いる天使軍に打ち滅ぼされ、天から地に投げ落とされてしまう。

 ルシフェルは地に落とされてルシファーとなり、自ら地獄の王の悪魔(サタン)と化した。もともと肉体を持たなかったルシフェルは、一緒に落とされた前世の天使と共に、地上に彷徨い、天界から受肉のために地上に送られる人々の霊を貶めようと待ち構えるようになる。

 悪魔に従った前世の天使にも肉体はなく、彼らはすべて悪霊となった。

「神は、罪を犯した天使たちを容赦せず、暗闇という縄で縛って地獄に引き渡し、裁きのために閉じ込められました。」(新約聖書「ペテロの手紙 一」第2章四節)

 人の前世は霊だけの状態だった。神である父の側にいるために、その状態の人は天使と呼ばれ、そこにはやはり霊状態のイエス・キリストと天使長ミカエル、そしてルシフェルたちもいた。人はそこから地上に送られて受肉し、人として生活した後、地上での行いを神に報告するために死を迎える。その人の永遠の行き先が決定されるのはこの時であり、受肉して生きた時の結果による。これが「最後の審判」であり、生命の樹を上昇する仕組みである。

「私たちは皆、神の裁きの座の前に立つのです…(中略)・・・それで、私たちは一人一人、自分のことについて神に申し述べることになるのです。」(新約聖書「ローマの信徒への手紙」第14章10~12節

 ルシフェルに従った天使たちはすべて悪霊となり、サタンと化したルシファーと一緒に神の霊の子を誘惑し、一人でも多く地獄に落として自分と同じみじめな状態に置こうと画策するようになった。

 このようなキリスト教世界の話は、仏教国の日本人に無関係と思われがちだが、そうではない。

 仏陀は、悟りの境地に至るために断食をし、解脱の域に達する決意で菩提樹の根元で瞑想に入った。その時、マーラと名乗る悪霊が現れ、仏陀を様々に誘惑したとあり、悪霊の記述も仏典にある。 

 「古事記」にも以下のような一文がある。

「天の石屋戸を開きてさしこもりましき。ここに高天原皆暗く、葦原中国悉く暗し。来れによりて常夜往きき。これに万の神の声はさ蠅なす満ち、万の妖悉に発りき。」(「古事記・天の石屋戸」)

 「万の神」とは「常夜」の闇に属する神々のことで、あらゆる厄を起こす「蠅」のような存在について、古事記学者の次田真幸名誉教授も、明確に悪霊と邪神と記している。

 今の日本人は悪霊や悪魔は架空の存在と思っているが、昔の日本人はそうではなかった。仏教も神道も悪霊の存在を明記しており、人々もそれを信じていた。だから厄封じがあり祈祷があったのだ。今の日本人はそんなことすら全て忘れ去っている。

 この「古事記」の一文を聖書学的に解釈すると、次のようになる。

 イエス・キリストが磔刑の露と消え、地上が闇に覆われた時、悪魔と悪霊たちが大いに喜んだ。ところがイエス・キリストは3日後に復活した。それによって悪魔と悪霊たちは再び闇の世界に突き落とされる羽目に陥った。

 そこで黙示録の戻ると、「火のように赤い別の馬」に乗った大きな剣を持つ殺戮者とは、多くの人類を大洪水の罰で殺戮する状況を作ったルシフェル、つまり罪の権化であるサタンを指している。ノアの大洪水は、当時の人々による罪業の深さを一気に洗い流す、地球のバプテスマであり、禊ぎだった。


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