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カッバーラでしか解けない「ヨハネの黙示録」(12)

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(12)ベルガモンへの手紙:「白い小石」

 黙示録は、信仰を貫けば、自分の秘めた名を刻んだ「白い小石」を与えるとも約束している。

「また白い小石を与えよう。その小石には、これを受ける者の他には誰にも分らぬ新しい名が記されている。」(新約聖書「ヨハネの黙示録」第2章17節)

 「新しい名」とは天使名のことである。ヤハウェ(エホバ)がイエス・キリストの天使名というのと同じことだ。その名が救いの白い小石に刻まれるのである。

 これと同じ風習が日本に存在する。天照大神を奉る天下無双の宗廟「伊勢神宮」は、神社本庁に属する全国7万9000余もの神社の本宗で、神道最高の聖域である。その伊勢神宮に白い小石を与える儀式が存在するのだ。

 1300年以上にわたり、伊勢神宮では20年に1度、正殿をはじめとする神殿や神宝を新しく作り替え、御神体を移し替える「式年遷宮」を行っている。その遷御の直前に行われるのが、「お白石持ち行事」である。これは、新しく敷き詰める白石を一人一人が白布に包んで手に持ち、真新しい正殿の周囲に置いていくという儀式で、その白石の数は延べ3万個とされている。この儀式には、天照大神の元に自分の分身(白石)を置くことで、永遠の平安を得るとともに、神領の民として永遠につながるという意味が込められている。天照大神をイエス・キリストとすれば、その本陣でもある伊勢神宮に、人々が銘々1個の白石を置いていく謂れも見えてくる。

 これと似た風習が地方に数多くあり、鳥居の上に境内の玉砂利を乗せれば、一生縁起がいいとされているのも、お白石持ち行事の変形である。

 なぜ、式年遷宮が20年に1度なのかについては、釘を1本も使わない「唯一神明造」の技法を継承するのに、20年に1度がちょうどいいとか、萱葺き屋根や掘立柱を建て替えるのに最適だなど、様々な意見がある。しかし、式年遷宮で最も重要なのは、移動させる「後神体」のはずである。遷宮の主役は御神体だからだ。天照大神の御神体は、櫃(箱)に入っているという。旧約聖書の中で、動く御神体と20年の記述を捜すと、すぐに見つかった。

「主の箱がキルヤト・エアリムに安置された日から時が過ぎ、20年を経た。」(旧約聖書「サムエル記 上」第7章2節)

 「契約の聖櫃アーク」は、モーセの頃から動きっぱなしだった。移動式の幕屋の至聖所に置かれていたので仕方がないが、約束の地カナンを得る戦争にも、アークは終始先頭に担ぎ出された。それが20年動かなかったと記されているのが「サムエル記 上」で、伊勢神宮はそれを忠実に守っているのである。

 そうなると、伊勢神宮の御神体は「契約の聖櫃アーク」ということになる。神輿の上に立つ金の鳳凰も、陰陽一対の「鳳」と「凰」を合体させたものだという。

 つまり、合体以前は陰陽で分かれていたことになる。それが左右一対の翼がある黄金のケルビムなのだ。神輿を担ぐ姿がヘブライ人のアークを担ぐ姿と瓜二つとされるのも道理である。

 天照大神の御神体は、崇神天皇の頃、内宮に至るまで21年で27か所も移動し、最後は五十鈴川の川辺に鎮座する。だが、今も20年に1度移動しているのである。果たしてこれを偶然の一言で済ませてよいのか?

*(飛鳥氏の視点)

 仏教伝来後、牛を咲いて河原に住む者を「河原者」と呼んで卑しんだが、本来は、牛を使うユダヤの儀式を行ったカバラ者のことを言った。門松が三柱構造なのもカッバーラであり、猿の髪の毛が3本足りないのも、三柱の神が人にために存在することを喩えたもので、日本人は知らず知らずの内、カッバーラを伝承していたのだ。

 日本では、調理する板を「マナ板」というが、マナを調理した板という解釈も成り立ち、事実、口によきものを「甘露」と称したのも、甘い露のマナに語源を発する。

「朝には宿営の周りに露が降りた。この降りた露が蒸発すると、見よ、荒れ野の地表を覆って薄く壊れやすいものが大地の霜のように薄く残っていた。…(中略)・・・・イスラエルの家では、それをマナと名付けた。それは、コエンドロの種に似て白く、蜜の入ったウェファースのような味がした。」(旧約聖書「出エジプト記」第16章13~31節)

 こういうことをカッバーラと言い、真理を覆い隠す一方で、真理に導く手段にも使われる。要するに、カッバーラは人を選ぶのであり、わからない者は、何を聞いても悟らない。その意味でカッバーラは己を移す鏡となる。


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