(12)ローマ教皇が仲介する「米ロ軍事同盟」
「新たな国際システム構築」に向けた動きとしては、「ロシアとペンタゴンが大掛かりな軍事行動を計画、検討している」と言う情報がベンジャミン氏に寄せられている。ペンタゴン筋の話では、ロシア政府からアメリカ政府に向けて「トルコ軍とサウジアラビア軍の暴走」を止めるよう要請が出されたと言う。それを受けてアメリカ政府は、キリスト教徒や少数民族などにイスラム国(IS)の残虐行為を「ジェノサイド(計画的な集団大量虐殺)」と認定した。つまり、犯罪集団として打倒することを公にしたのである。
イスラム国を「ジェノサイド集団」と認定した以上、イスラム国に関わった国家も同罪となる。要するに、アメリカは「イスラム国の資金源であり司令部であるサウジアラビア、トルコ、イスラエルが犯罪国である」と言うことを世界に向けて公言したのである。さらに、この3国を「IS枢軸国」として各国と協力して打倒しようというのである。その連合国はロシア、中国、イランとなる。いずれにせよ、イスラエル、トルコ、サウジアラビアは国連常任理事国ではないため国連が下す決定を止めることはできない。
現在、ロシアや中国、アメリカと全ての国連常任理事国がイスラム国に対する攻撃を支持し、そのため、中国、ロシア、アメリカ、ヨーロッパの合同軍が中近東に侵攻をはじめ、さらにはそれらの国に対して「資金凍結」や「貿易封鎖」と言った措置が取られる可能性が高い。
ペンタゴンの幹部筋では、「アメリカ政府は、サウジアラビアが保有するすべてのドル資産を没収するつもりである」と言っている。追い詰められたトルコのエルドアン大統領は、「テロリストの定義にジャーナリストや政治家、市民活動家も含めるべきだ」といった常軌を逸した発言を繰り返している。
2016年2月12日、キューバの首都ハバナでローマ教皇フランシスコとロシア正教のキリル総主教が会談した。これは11世紀にキリスト教会が東西に分裂して以来、史上初の出来事である。なぜ東西のトップが会談したのか? それをなぜキューバが仲介したのか?
アメリカ軍は将軍職に就くと、騎士団に入る。それもバチカンのマルタ騎士団といった伝統と格式を誇る騎士団が多い。そうしてキリスト教文化圏の守護者となる。ロシア正教でも同様で、ロシア軍の将軍はロシア正教の騎士団に入る。東西のトップは、アメリカ正規軍、ロシア正規軍に強い影響力を持っている。つまり、ローマ教皇と正教総主教が仲介すれば、「米ロ軍事同盟」が実現する。その下準備として東西教会のトップが会談したのである。
ベルギーの連続爆破テロについては、後述するが、このテロは追い詰められた悪魔崇拝者ハザールマフィアの謀略だった。ハザールマフィアたちは、次々とテロ事件を捏造してヨーロッパ全土に戒厳令とファシスト支配を広げようと狙っている。これにアメリカ正規軍とロシア正規軍は、このハザールマフィアの動きを即座に潰すための準備をしている。その方針は、「ローマ法王」と「ロシア正教会モスクワ総主教」の直接会談が実現した際に決まったことである。
また、アメリカの「対中国貿易の赤字」が世界最大に膨れ上がったが、中国はアメリカにお金を渡し続けている。この状況は、実質的に中国がアメリカの軍事予算を背負っていることになる。そこからも分かるように、中国政府も米ロの正規軍の動きを支持している。ローマ教皇の動きが目立ってきたのは、いよいよ最終局面へと近づいているからであり、最後の仕上げに相応しいからである。
ドナルド・トランプについてまとめておきたい。
ベンジャミン氏の答えは「言っていることは、概ね、正しいように思える。ただ、今の段階では保留したい」と言うことである。ただし、トランプの動きが、アメリカの中枢を乗っ取っているパパ・ブッシュ率いるナチス勢力に打撃を与えているのは間違いない。少なくともアメリカ軍、軍産複合体の良識派たちはドナルド・トランプを一定程度、支持している。それはトランプがワシントン・ポスト紙の本部を訪れての発言に現れている。そこでトランプは「アメリカはNATOを支持すべきでない」と明言した。その一方で、ロシアのプーチンを褒めたたえる発言をしている。NATOと距離を置き、ロシア軍と接近しようとしているのは「軍産複合体の良識派」の意見と同じである。つまり、トランプは、彼らの意見を代弁していることになる。
興味深いのは、トランプがアメリカのユダヤロビイスト団体、AIPAC(アメリカ・イスラエル公共問題委員会)で演説したが、この時の演説に限って、モニターに映し出された字幕を読みながらスピーチを行っていたという。その演説が明らかにAIPAC側を喜ばせる内容であったことからも、トランプにとってはユダヤロビーに対する選挙戦の根回しの一環だった。ここで重要なのは、ユダヤロビー達には、アメリカの新権力と協調することで「イスラエルの生き残り」を図る思惑がある点である。アメリカのユダヤロビーはハザールマフィアとの関係を切ろうといている。トランプとユダヤロビーの思惑は一致している。それでトランプが失言しないように細心の注意を払ったのである。
こうしたトランプの躍進に危機感を覚える他のハザールマフィアらもヒラリー・クリントンを次の大統領に据えるためにあらゆる手段を用いて選挙戦をコントロールしようとしている。しかし、ヒラリーに対するFBIの捜査も加速し、当局は刑事告訴に持ち込むための証拠固めに日々奔走している。
トランプが大統領選を勝ち抜くかはわからない。ただし、アメリカ経済失速とトランプの躍進はリンクしている。トランプの躍進は、アメリカ中枢を乗っ取っているパパ・ブッシュのナチス勢力の排除へとつながっている。トランプの実態は、その「掃除人」と言う可能性がある。掃除した後の新しいシステムでは、別の人間がリーダーになることもあり得る。その意味では「パナマ文書」が、この新しいシステム構築で大きな役割を果たすかもしれない。まずは「ドル崩壊」から始まる。