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「闇の支配者最後の日々」の要約(9)

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(9)アメリカは通貨を発行するたび「借金」をしなければならない!

 バビロニア借金奴隷制度の根幹は、「民間中央銀行制度」にある。つまり、ハザールマフィアが「闇の支配者」なのは、この欧米と日本の中央銀行を支配しているからである。逆に中国とロシアが経済発展し、ハザールマフィアに対抗できるのは、中央銀行を政府で押さえているからである。

 20世紀半ばまで通貨は基本的に金や銀との交換を保証した兌換紙幣だ。担保となる金銀以上の紙幣を刷れば、その通貨の価値は下がる。しかし、通貨は商取引や日常の買い物で使用するので、担保以上の紙幣を刷っても通貨価値は維持できる。担保以上に刷った額が「通貨発行益」である。もちろん無軌道に紙幣を乱発すれば、通貨は信用を失い、担保の金銀と交換されて紙幣は紙屑となるが、商取引で使用頻度が高い場合、取り付け騒ぎになる危険水準も低くなり、そこまでは通貨発行益も増える。国際商取引で使用される基軸通貨は最も通貨発行益が出る。濡れ手に粟のぼろ儲けができるのである。

 19世紀の基軸通貨は大英帝国のポンドだった。これを闇の支配者が奪い取った。基軸通貨は莫大な通貨発行益を生み出す。その利益は本来、国家に還元されるわけだが、アメリカは、「政府紙幣」の発行を闇の支配者によって邪魔されてきた。今の所、アメリカ政府は「ドル」の発行権を持っていない。ドルをFRB(連邦準備制度理事会)から買わなければならない。その支払いとして、国債を発行して、その国債の額面分と交換しているのである。その証拠に、ドル紙幣は、紙幣を意味する「BILL」ではなく、「NOTE」と明記されている。NOTEとは証書の事であり、借金札を意味している。もし、アメリカ政府が、20世紀から現在まで国際通貨である「ドル」の発行権をもっていたならば、アメリカはものすごい経済発展をしたであろう。その富を奪ってきたのが闇の支配者たちである。

 繰り返すが、FRBは民間企業である。当然株主が存在する。それが闇の支配者たちである。FRB設立当初、ドルは金を担保にした通貨だった。国際決済に使用されていたドルは大量の需要があり、その分大量の金が必要となる。しかし南北戦争で疲弊していたアメリカは需要に見合う金を準備できなかった。そこで民間から金を準備してもらうことになった。→そのように政府は闇の支配者に脅されたのである。

 FRB設立時に民間が準備した金は「資本金」となり、その量に応じて株式が渡される。この株式をアメリカは一切持っていないのである。なぜなら、FRBで金を準備していいのは民間のみであり、政府や公的機関は準備してはならないと法律で決まったからである。その法律を決めたのは、ウィルソン大統領であり、「オーウェン・グラス法」と呼ばれ、アメリカを不幸のどん底にしてしまったのである。彼は晩年に「私はうっかりして、この国を不幸にしてしまった。この偉大な産業国は、金融制度に支配されてしまった」と後悔している。この金融制度こそ、闇の支配者となるのである。

 第1次世界大戦で大量の金を保有してきたロシア帝国、ドイツ帝国、オスマン帝国、オーストリア、ハンガリー二重帝国が解体し、これらの帝国がため込んできた金をすべてFRBの金庫へと移動した。第2次世界大戦中に、ドルを唯一の国際通貨と定めたブレトン・ウッズ体制(1944年)、戦後はヤルタ会談(1945年)による冷戦構造と世界各地での戦争の恒常化、そして1973年、中東の石油資源を押さえたアメリカによってドルは「石油交換券」となり、ニクソンショックで金兌換を廃止することになる。こうしてドルの輪転機は無限のごとく回転しても、その価値は維持され続けることになる。この「美味し過ぎるビジネス」は2008年のリーマンショックまで続いていく。

 繰り返すが、ドルは闇の支配者が売りつける商品である。それで紙幣を見れば「借金札」なのだから、酷い話である。これがバビロニア借金奴隷制度であり、私たちはハザールマフィアによって、「豊かな未来」を奪われ続けてきたのである。


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