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「闇の支配者最後の日々」の要約(3)

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(3)CIAが分裂したから山口組も分裂した!

 山口組の「親分」はCIAである。戦後、CIAは暴力団の一部組織を非合法活動のエージェントとして雇用してきた。暴力団に「汚れ仕事」をやらせてきた。また、CIAから直接エージェントを送り込んだときの「隠れ蓑」として利用してきた。日本の暴力団が「マフィア」でありながら、堂々と代紋を掲げてきたのは、こうした裏事情があったからであり、警察も潰したくても潰せなかったのである。そのCIAが分裂した。当然子分である日本のヤクザも分裂することになる。ここで重要なのは、日本のヤクザが「どのように」分裂したのかで、CIAの分裂も見えてくるのである。

 山口組は、6代目を抱える名古屋を本拠地とした弘道会と、もともとの本拠地である神戸の山健組を中心とした神戸山口組に分裂した。その対立は「シノギ」、つまりヤクザ用語でいうビジネスの違いによる。ベンジャミン氏は弘道会系の組長から、以前、覚醒剤にまつわる話を聞いたことがある。日本に出回る覚醒剤は北朝鮮製だという。その取引方法につき、CIAが関与していたという。朝鮮半島の38度線の「板門店」は軍事境界線なので北朝鮮軍と韓国軍が文書などを直接やり取りできる場所があり、そこにある「秘密のボックス」には北朝鮮からの高純度な覚醒剤が定期的に入っているという。その代金としてアメリカのCIAが「スーパーK]と言う偽造ドル札を支払っていたというのである。スーパーKは高額偽造ドル札の一つの呼び方だが、CIAを通じて日本のヤクザへと渡っていった。ベンジャミン氏が取材したこの組長は、「弘道会はシャブ(覚醒剤)をシノギ(ビジネス)にしていない。やっているのは神戸山口組だ」とほのめかしていた。

 いずれにせよ、北朝鮮とCIAは覚醒剤とスーパーKによって裏で深く結びついている。

 そもそも北朝鮮の覚醒剤ビジネスは、旧日本軍が深く関わっている。日中戦争中、旧日本軍の軍部は覚醒剤を開発、支配下にあった満州などで製造していた。そして覚醒剤製造技術をもった旧日本軍のナチスシンパは北朝鮮建国に関与し、その覚醒剤の日本への密輸と密売をヤクザに依頼する。そのルートを建築したのがCIAである。日本のヤクザに「在日朝鮮人」が多いのはそれが理由でもある。

 この満州、ナチス、北朝鮮、CIA、ヤクザと言うコネクションを徹底的に利用してきたのが「戦後の怪物」と呼ばれた岸信介であり、そのコネクションを受け継いだのが安倍晋三と言うことになる。

 北朝鮮の覚醒剤取引に「スーパーK]を使っているのは理由がある。アメリカ国内の麻薬捜査はFBIの管轄であるが、海外のドラッグ拠点に対しては捜査権がない。そこで海外の操作や情報収集はCIAが任務に就く。そこでCIAは国外の麻薬拠点、ドラッグシンジケート、マフィアをあぶりだす方法として「スーパーK]を考案する。スーパーKは精妙なだけあり見破られることなく麻薬シンジケートへと渡る。そこでスーパーKの使用場所を調べていくことで麻薬密造拠点や販売組織をあぶりだす、とCIAが主張すれば、当然、認可される。こうしてCIAは「高額ドル札」の原板を手に入れる。

 それだけではない。CIAは、このスーパーKを犯罪捜査に使うことは無かった。スーパーKを利用してマフィアのアジトを突き止め、幹部やボスを見つけると「証拠は押さえた。逮捕されたくなければ傘下に入れ」と、どんどん手下へと組み込んでいったのである。そうして、ドラッグ製造、密売のみならず、さらには武器や人身売買の密輸までやらせる。こうしてCIAは世界中のマフィアを傘下に従えた「犯罪ネットワーク」を構築するのであった。その一つが北朝鮮の覚醒剤と、それを販売する日本のヤクザである。

 「スーパーK」が最初に騒がれたのは1970年代から1980年代にかけての中南米で、こちらはコカインルートとなった。次がレバノンで、1990年代が北朝鮮、2000年以降がアフガニスタンだった。実際、アフガニスタンは2001年のアフガン戦争後、米軍によって占領地にケシ畑とヘロイン工場が作られ、それを「イスラムゲリラ」と言う名のマフィアが管理、CIAが構築した「犯罪ネットワーク」を通じて世界中にばら撒かれてきた。ヘロインの代金はスーパーKだけでなく密輸した武器の場合もある。これがメディアの報じてこなかった世界の「実相」だったのである。

 ところが2015年夏以降、CIAが中心となって構築した国際マフィア連合と言うべき「犯罪ネットワーク」に対して、CIA内部から反発し、積極的に摘発する動きが出てきた。CIAの「愛国者」が立ち上がり、「マフィア派」に対して公然と敵対行動をとるようになったのである。そうなれば参加として組み込まれてきた国際マフィア連合の「犯罪ネットワーク」の「愛国者派」につくか、「マフィア派」につくかで割れる。その影響で日本最大の暴力団組織だった山口組も2つに分裂したのである。

 そこで先の弘道会系組長の話を思い出してほしい。山口組分裂の背景も、スーパーKを使い、ドラッグの密売を手掛けるマフィア派のCIAに付くか、それに対立している愛国者派に付くかで分裂したことが分かる。→「マフィア派」に付いたのが神戸山健組であり、「愛国者派」に付いたのが弘道会と言う構図になると考えられる。

 CIAは組織上、2つの命令系統が存在する。1つは国務省、もう1つが国防総省、ペンタゴンである。CIAはアメリカ中央情報局と言う諜報機関で、戦時中はペンタゴンの指揮で諜報活動に従事するし、平時にはアメリカの外交を司る国務省が管轄する。アメリカは年柄年中どこかと戦争をしている。CIAは国務省のセクションとペンタゴンのセクションの2系統でフル稼働しているのである。つまり、CIAの分裂は、ペンタゴンと国務省が割れて対立するようになったからである。


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