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どうしても伝えたい日本の真相(9)

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(9)「お手入れ」は「お手荒らし」、「スキンケア」は「スキンダメージ」

 船瀬氏が「あぶない化粧品」シリーズを書いたのは、20代後半である。正編は150万部を超えるベストセラーとなった。続編・続々編を加えれば約200万部であり、それだけ大反響を巻き起こしたのである。なぜか?

 それまで、化粧品批判の本が皆無だったからである。化粧品業界はマスコミの最大級のスポンサーである。つまり、マスコミにとって神様である。神様を批判することなど、メディアで絶対にあってはならないことだった。同書は、その正体を完膚なきまでに暴いた。「化粧品」の正体は、皮膚毒物のエキスであり、化粧品業界は紛れもない詐欺業界だったのだ。

 当時、船瀬氏は日本消費者連盟(日消連)のスタッフだった。消費者運動と言えば、おばさんの運動と言うイメージが強かった。しかし、アメリカでは若き弁護士ライフ・ネーダーが欠陥車の告発書を発表し、脚光を浴びていた。市民が声を上げて社会を変えていく・・・・。船瀬氏は、そのネーダーイズムに感化されていた。そこで、日本版ネーダーイズムを掲げて日消連に参加したのである。

 日消連で、機関紙≪消費者リポート≫編集を担当し、消費者から様々な苦情を集めているうちに、奇妙な被害が全国に蔓延していることに気付いた。「黒皮症」と言う病気であり、正式には「女子顔面黒皮症」と言う。皮膚科の医師も、診察して、この病名をカルテに書いていたほど全国的に多くの患者があふれていた。その原因を知って船瀬氏は呆れたという。

 この奇妙な皮膚病の元凶は、化粧品だという。化粧品とは、女性が美しくなるために、日々顔に塗っているものだ。それが、逆に顔を黒くし、醜くしている・・・。その被害がいかにひどく深刻かは、被害者の会が結成されていたほどである。その会の名は「大阪化粧品公害被害者の会」と言う。その女性たちと連絡を取り合い、日消連で面会して、絶句した。その顔は黒変しているだけでなく、ケロイド状に凸凹に変形している方もおられた。眼を背けるほどの惨状に胸が痛んだ。彼女たちは、様々な愛用化粧品類を毎日、顔に塗ることで、美しくなるどころか、無残に醜くなってしまった。まさに、化粧品による「お手入れ」の正体は「お手荒らし」だったのだ。「スキンケア」は「スキンダメージ」だったのだ。

 そこで日消連は「化粧品被害110番」と言う電話相談窓口を開設した。一斉に電話が鳴り響き、全国から数多くの被害者の声が殺到した。「黒皮症」だけでなく「シミ」「腫れ」「かぶれ」「発疹」「痛み」・・・など、ありとあらゆる化粧品被害の声が寄せられた。

 船瀬氏たちは首をひねった。美しくなるはずの化粧品で、どうして、こんなに被害が発生するのか? そこで化粧品被害を考えるシンポジウムを開催した。登場したのは同志社大学工学部、西岡一教授、大阪大学医学部、皮膚科部長、田代実博士・・・・などである。

 そこで、衝撃事実が判明した。化粧品成分は、ほとんどが皮膚にとって異物、刺激物、そして毒物である…と言うショッキングな事実だった。特に西岡教授は「化粧品毒性テーブル」と言う印刷物で、化粧品の有害性に警鐘を鳴らしておられた。まさに化粧品とは、皮膚毒物のエッセンスであることが一目瞭然だった。

 では、どうして全国の女性たちは、こんな毒のエキスを顔に毎日塗りたくっているのか? そこで船瀬氏は書店に赴き、棚にある女性雑誌20冊余りをすべて買い求めた。事務所に持ち帰り、全広告ページを切り取り、化粧品「広告内容」をチェックした。

 広告内容をチェックすると、さらに仰天、絶句した。次のような化粧品の「効能」表現に満ちていたからである。

①肌荒れを防ぐ ②シミを防ぐ ③色黒を防ぐ ④ニキビを防ぐ ⑤サメ肌を防ぐ ⑥たるみを防ぐ ⑦小じわを防ぐ ⑧肌の老化を防ぐ ⑨肌に栄養を与える ⑩肌を健やかに…などなど。

 これだけの効能があるならば、女性たちは、いくらお金を払っても購入して、顔に塗り続けるのも当然である。

「本当にこれだけの効能があるのか?」と田代実教授に質問してみた。すると、田代教授は苦笑いしながら「全部、逆ですよ」と、あっさりおっしゃった。

「逆と言いますと?」

「防ぐのではなく原因になるんですよ」

「えー?」

「化粧品を顔に塗るから「肌荒れ」「色黒」「シミ」「ニキビ」「たるみ」「小じわ」「老化」の原因になるのです」

「肌に栄養を与えるとか?」

「肌は栄養分を吸収しません。だから、「栄養クリーム」と言うのも誤りです。これだけ、皮膚障害が出ているのだから、「健やかに」などありえません」

 つまり、女性雑誌に満載されていた化粧品の効能表現は全て嘘だったのである。


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