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マネーカースト(18)

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(18)「金本位制ドル」から「石油本位制ドル」に急転換

 FRB設立時、ドルは金本位制でスタートした。ドルの価値の裏付けとなる金を用意したのは、アジアの王族たちであった。その後、1929年の世界恐慌でも、ドルの価値を保つためにさらにアジアの王族から金を借りることとなった。

 この時の担保となったのは、アメリカ国民の一生分の労働力である。1人につき、30万ドル分の債権が発行されたのだ。1936年に発行された社会保障番号は、担保であるアメリカ国民をデータ管理するために作られた制度である。近年、日本で開始されたマイナンバーも、もちろん同様の意図から作られたものである。

 第2次世界大戦中、全世界が戦争で疲弊する中、本土が戦地とならなかったアメリカは、戦争特需により莫大な金を手中に納める。そして戦時中の1944年、圧倒的な経済力を背景に「ブレトン・ウッズ体制」を築き上げる。金1オンス=35ドルの固定相場制をとることで、ドルを世界唯一の金兌換通貨とした。

 そして、これを契機にドルは世界唯一の基軸通貨の地位を得る。ここにきて、ハザールマフィアの儲けも一気に増加する。ドルでしか国際貿易の決済ができない以上、世界中の国がドルを必要とする。アメリカが無尽蔵にドルを刷り続けてもその価値が維持され、莫大な通貨発行益を得られるようになった。

 世界の市場をドルで支配する一方、世界各国の中央銀行を支配するためにワシントンD・Cに設立されたのが「世界銀行」である。表向きは、第2次世界大戦後の発展途上国の貧困撲滅を目的と謳いながらも、その実はハザールマフィアのための組織である。

 アメリカによる世界各国への内政干渉を目的とするTPP(環太平洋パートナップシップ協定)だが、協定において国家間の争いを裁定する「投資紛争解決国際センター」の上部団体が、この世界銀行である。中央銀行や国際貿易協定を通して、「世界の富を見張る」機関である。因みに、ロスチャイルド一族を中心とするヨーロッパ系ハザールマフィアが支配する「中央銀行の中央銀行」が、スイスに本部を置くBIS(国際決済銀行)である。こちらは世界銀行より歴史が古く、1930年に第1次世界大戦後のドイツの賠償金取り立てのために作られた組織である。現在でも各国の中央銀行同士の決済機能を掌握し、世界の金融的流通を支配している。

 その後、長引くベトナム戦争、アメリカの経済発展の足踏み、ハザールマフィアによる無軌道なドルの発行などにより、ドルの価値が急激に低下、深刻な通貨危機に直面する。アメリカ経済、およびドルの価値に不安を覚えたイギリスやフランスを中心とした世界各国が、アメリカに対して保有するドルと金の交換を求めた。その結果、アメリカの所有する金は、急激に海外に流出していく。そして、1971年8月15日、リチャード・ニクソン大統領は電撃的にドルの金兌換の停止を発表する。いわゆる「ニクソンショック(ドルショック)」である。この一方的な金兌換停止は、「アメリカにはドルの価値を裏付ける量の金が、既に存在しないのではないか」と言う疑いを持たせるに十分な出来事であった。→その疑惑をアメリカは一度も晴らさないままに現在に至っている。

 一方的に、金との兌換を取りやめたアメリカ政府は、経済力と軍事力を背景にOPEC(石油輸出国機構)との間で「今後は全世界の原油価格は独占的にドル建てでしか決済できない。また、ドルでしか取引もできない」と言う取り決めを結ぶ。今度はドルを石油の決済通貨に仕立てたのである。アメリカは「金本位制ドル」から「石油本位制ドル」に切り替え、ドルの基軸通貨としての価値を維持させたのである。

 それまでは、自国で保有する金をもってドルの裏付けとしてきた。その裏付けをいきなり「他国の産出資源」へと切り替えてしまったのである。貨幣の歴史の中でも最大級に横暴な行為であろう。


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