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マネーカースト(17)

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(17)借金札「ドル」で搾取する「ドルシステム」

 「ドルシステム」がいかに、アメリカ国民の利益と相反するものであるかを説明する。

 まず、インターネットなどで検索して、米ドル紙幣を見ると、それらには「紙幣」を意味する「BILL」と言う文字はなく、「証書」を意味する「NOTE} と言う文字が書かれている。

 ではFRBは何を印刷しているのか? 一言でいえば、米国債と言う借金に対する「借用証書」である。いわゆる借金札と同じ種類のものである。

 つまり、1ドル札を持つことで、1ドル分の価値があるものを手に入れたわけではなく、あくまでもFRBに「1ドル貸した」だけなのだ。つまりドルとは、米国債と言う「借金札」と引き換えできる「借金札」なのだ。

 借金札(ドル)をその価値分のものと交換しようとしても、渡されるのは別の借金札(国債)で、今度はその借金札(国債)を持っていくと、渡されるのは別の借金札(ドル)である。まるで童謡の、白ヤギと黒ヤギの手紙のやり取りの様なことが起こってしまう代物なのだ。

 ここで「ドルが金本位制であった時代には、ドルを銀行に持っていけば、金と交換してくれたのではないか?」と言う疑問が生じる。

 金本位制とは金を担保に紙幣の価値を裏付けする制度である。例えば1ドル紙幣に対しては1ドル分の金と交換せねばならない。しかし、ニクソンショックでドル近医本位制が崩れる1970年代まで、アメリカ国民は個人で金を所有することを法律で禁じられていたのである。これも、アメリカ政府が意図的に仕組んだことである。

 「ドルシステム」の要となる部分だが、ドルが刷られるたびに、アメリカ政府からFRB、そしてFRBからその株主へとカネが流れるシステムになっているのだ。

 通貨発行権を持たない政府はドルを刷ることができない。そこで政府は財務に必要な金額に合わせて米国債を発行する。そしてFRBがその国債と引き換えにドルを発行する。つまり、政府はFRBに借金をしてドルを得るのだ。当然、米国債の金利分の返済が政府に発生する。短期~長期で1~3%の金利だが、米国債の債務残高から計算すると、その返済額は毎年約4000億ドルに及ぶ。これだけの金利が、刷ったドルと同じ分の米国債を所有しているFRBの株主の懐に入るのである。そして、この政府の借金を背負うのは当然、アメリカ国民である。ドルが刷られるだけで、毎年4000億ドルも搾取されることになる。その後、ドルが世界の基軸通貨となるに及び、世界でドルが必要とされればされるほど、アメリカの借金が増えて国民が貧しくなっていくというパラドックスが続くのである。

 ドルシステムの悪質なところは、国民に直接借金をさせるわけではない点である。国家に借金をさせて、結果的に税金などの形で国民の財布から抜き取るのである。段階を経ている分、その悪辣さがカモフラージュされている。奴隷には搾取されていることすら気づかせない。洗練された近代の「階級的奴隷システム」マネーカーストなのである。

 そして当然だが、米国債を担保としているドルは、毎年、金利の返済分だけ目減りして、価値が下がる一方である。このドルの価値の目減りに対処するために、ハザールマフィアはさらなる悪事を繰り広げることとなる。


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