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マネーカースト(11)

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(11)トランプVS金正恩 加熱する「核の脅迫合戦」

 アメリカ国内で、旧体制(ハザールマフィア)と対決するトランプ政権とアメリカ軍の政策はどのようなものだろうか? 前時代的な悪であるハザールマフィアを倒して、本当の善を体現する正義のアメリカ軍として生まれ変わったということであれば、何の問題もない。そのような善悪二元論で説明できるほど現実は単純ではない。悪の敵が善や正義であるのはフィクションの世界だけである。

 アメリカ軍が立ち上がった理由は、自分たちの生き残りをかけてである。その理由の範囲をある程度広げたとしても、アメリカ国民のためだからである。アメリカファースト(米国第1主義)なのである。トランプ政権の対外政策は、ハザールマフィアのペテン的な手法を踏襲している面も多い。目的は、アメリカおよびアメリカ軍の利益を確保するためである。最初に結論を言っておけば、世界の国々にとって、トランプ政権(アメリカ軍)は、旧体制(ハザールマフィア)よりはましである。ただ、ましになったからと言って安全になったわけではないのだ。日本はトランプ政権に対しても、しっかりと脇を締めて向かい合わなくてはならない。

 以上のような側面を理解するために、トランプ政権の対外政策、中でも北朝鮮問題を見ていく。

 大統領就任以来、トランプ及び関係閣僚は、会見やツイッターなどで、北朝鮮に対する挑発的な発言を続けている。その一方で、時折一転して友好的な発言も挟み込む。正直、その真意をつかみかねて混乱した方も多かっただろう。金正恩委員長の発言を含めて、2017年の一連の流れを見てみる。

 2017年3月2日、「北朝鮮に対して、トランプ政権が武力行使や政権転覆などの選択肢を検討」とアメリカ大手メデイアが報道した。3月6日、その報道に反発するかのように北朝鮮は4発の弾道ミサイルを発射する。金正恩は、このミサイル発射に関して「同時に発射したミサイルが、まるで航空ショーサーカスの編隊飛行のように飛んで行った」と言う談話を発表。この人を食ったようなコメントにアメリカや周辺諸国はいら立ちを募らせる。

3月17日、トランプは「北朝鮮は大変な悪事を働いている。彼らはずっとアメリカを手玉に取ってきた」とツイッターに書き込み、4月11日には、「中国が協力を決断しなければ、アメリカは単独でも問題を解決する」と単独武力行使の可能性を匂わせた。

 しかし、5月1日、トランプはマスコミインタビューにて「金正恩との会談について、環境が適切なら会ってもいいだろう」と述べ、会談するのは「光栄だ」とも語り、一転して態度を軟化させる。

 7月4日、北朝鮮の国営放送・朝鮮中央テレビが「北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験に初成功した」と発表。成功したICBMはアメリカ本土を攻撃可能な2段式の最新ミサイルである。

 8月4日、国連安全保障理事会が、弾道ミサイル発射実験を理由に、北朝鮮に対する追加の経済制裁案を可決。これに対して北朝鮮は、「主権を侵害された」として、決議案をまとめたアメリカに「代償を支払わせる」との声明を発表する。

 8月8日、「北朝鮮がICBMに搭載可能な核弾頭の小型化に成功した」との情報に触れて、トランプは「金正恩の脅しは常軌を逸している。北朝鮮は世界が目にしたことのないような炎と怒りに直面するだろう」と警告。日本に原爆を投下したトルーマン大統領の「太陽の源のエネルギーを極東に放つ」と言う演説を彷彿とさせる。核攻撃をも示唆する牽制を行った。

 8月9日、北朝鮮、朝鮮人民軍戦略軍司令官がアメリカ領グアム周辺への中距離弾道ミサイル発射計画を表明する。

 これに対してトランプは、8月10日、「グアムに何かをすれば、誰もかって見たことのないようなことが北朝鮮で起きるだろう」、8月11日には「北朝鮮が無分別な行動をするなら、軍事的解決の準備は万端整っており、臨戦態勢だ。金正恩が別の道を見出すとよいのだが!」とツイッターに投稿する。

 しかし、8月15日、金正恩の「悲惨な運命を待つ、つらい時間を過ごしているアメリカの行動をもう少し見守る」との発言と、グアム周辺へのミサイル発射の当面凍結と言う方針が、北朝鮮国営メデイア・朝鮮中央通信にて報じられる。ほんの1週間前の強硬姿勢が嘘のような切り替えである。

 これを受けて8月16日、トランプは「非常に賢明で道理の通った決断だ」と数日前までの激しい怒りから、一転して冷静な態度を示した。

 このようなアメリカ・北朝鮮間の過熱と冷却との級へ来なアップダウンを念頭に、さらにトランプ節が白熱する9月以降の展開を次に見ていく。


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