(6)マネーカースト最上位「ハザールマフィア」の正体
アメリカと言う国を、そして世界を、現在のような極限までの「マネーカースト(経済格差階級)」社会へと変貌させた犯人について見ていく。
その犯人とは、「寡頭勢力」すなわち、「ハザールマフィア」である。ここで、ハザールマフィアの歴史について詳述しておく。
ハザールとは、今から1000年以上前の7~10世紀に、カスピ海や黒海周辺で栄えた奴隷商人国家の名前である。カスピ海や黒海周辺は、ヨーロッパとアジアの折衝点であり、文明的、文化的にも重要な役割を果たしてきた地域である。そして、これは人類の歴史にとって非常に重要な部分となるのだが、この国家が信仰していたのは、「神」ではなく「悪魔」なのだ。
この悪魔信仰を紀元前までさかのぼると、「バール」と呼ばれる悪魔を崇拝する古代遊牧民族の宗教に行き当たる。一言でいえば、悪魔を崇めて、人間を家畜のように奴隷化しようとする宗教である。これは、効率的に乳牛などの家畜を管理する雄族民族のシステムから生まれた思想なのだが、そこには、動物だけでなく「農耕民族(人間)」をも「家畜」として扱う危険思想が含まれている。
その後、このバールは、古代エジプトを征服した異民族ヒクソスの治世の下、エジプト神話の「セト(サタン)」と融合する。ここで悪魔信仰が一つの完成をみる。
このヒクソスがエジプト人との戦いに敗れ、エジプトを後にした際、奴隷として連れてきたのが中近東の農耕民族である。その際、ヒクソスは自分たちは悪魔を信仰していながらも、奴隷を管理するために「神」を作ったとされる。そしてこれが、「神よりも悪魔の方が上位にあり、悪魔信仰を盤石にするために神を利用する」と言う、現在まで続くハザールマフィアの根本的な思想となる。
古代から悪魔信仰を受けて継いできた奴隷商人国家ハザールだが、10世紀以降、ユダヤ教に表面的に改宗して、ハザール系ユダヤ教徒となることで勢力を広げていく。
17世紀になると、このハザール系ユダヤ教徒の中に、一人の教祖が現れる。サバタイ・ツヴィと言う人物である。現在のハザールマフィアの祖ともいえる存在だ。サバタイはトルコ出身のユダヤ人であり、自らを「ユダヤ人の救世主」として、新興宗教を立ち上げて布教を始めた。しかし、危険人物としてトルコ皇帝に拘束され、「死刑を受けるか、イスラム教に改宗せよ」と迫られる。この時、サバタイは表面的に100万人以上の信者たちと共にイスラム教に改宗する。見せかけの改宗をしてイスラム教の内部に入り込み、イスラム教を乗っ取ろうと画策したのだ。
その後、サバタイの勢力は、他の宗教や有力な組織を乗っ取るときも同じ手口を使うようになる。そして自分たちの支配下に置く宗教や組織を増やし、その勢力を次々と拡大させていった。その目的は、一神教、つまりユダヤ教、キリスト教、イスラム教の統一である。そしてサバタイ派による権力の掌握であった。
このサバタイ派の継承者らが、現代のハザールマフィアである。彼らは今もキリスト教徒やイスラム教徒のふり、ユダヤ人のふりをしながら、様々な国の中枢に潜り込んでいる。現在では、アメリカ、EU、日本、サウジアラビア、カタール、ウクライナ、そしてイスラエルの一部を支配するまでになったのだ。
そして、サバタイの思想の中心に「ハルマゲドン(最終戦争)があった。ヨハネの黙示録に描かれた「世界の終わり」についての預言である。その後、数百年の間、その思想は脈々とハザールマフィアに受け継がれた。そして、「人類の9割を殺して残りの1割を自分たちの家畜にする」と言う「第3次世界大戦(人工ハルマゲドン)」計画へと発展し、現在に至るのだ。