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マネーカースト(2)

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(2)アメリカの異常な株高と破裂寸前の株バブル

 今まさに、アメリカ政府が破産の危機に瀕している。「アメリカ政府破産」は、絵空事ではない。この世界で起ころうとしている現実なのだ。その緊迫した状況を最もリアルに認識しているのは、特権的な情報を得られる欧米の大物投資家たちである。ハイレベルなインサイダー情報に精通している一部の投資家たちが、こぞって「アメリカ株・ドル離れ」をしているのだ。

 例えば、ロンドン・ロスチャイルド家の現当主(6代目)ジェイコブ・ロスチャイルドが率いる投資会社のRIT・キャピタル・パートナーズは、2017年の前半までに、ドル建て米国資産の投資比率を62%から37%へと約半分に下げている。その理由は①株価や債券価格の時期上げと言ったFRB(米連邦準備制度理事会)の量的緩和政策が終わると予測されること。②現状の異常な株高現象を挙げている。ロスチャイルド一族がアメリカ金融市場から手を引こうとしているのだ。これこそが、アメリカ株式市場、ひいてはアメリカ経済が末期に達している証左であろう。

 アメリカ経済の現状に懸念を抱いている大物投資家は他にもいる。世界最大の投資持株会社パークシャー・ハサウェイ筆頭株主(会長兼CEO)であり、株式投資の世界では天才と名高いウォーレン・バフェットである。パフェットは「いい投資案件が見当たらない」として2017年12月の時点で、過去最高額の1090憶ドルを現金で保有しているのだ。つまり、アメリカ経済は投資先として「終わっている」のである。

 この10年で見れば、一見好景気に見えるアメリカ経済は、実際には「量的緩和」や「超低金利政策」などで生じたあぶく銭により、異常な株高や不動産の高騰と言った「資産バブル」が引き起こされているに過ぎない。FRBは2008年のリーマンショック以降、量的緩和を進めるために大量のドルを刷り続けた。結果、株価が高騰した。いわば近年の株高は人為的に演出されたもので、実体経済を全く反映していない。しかし、無尽蔵にドルを刷り続けることはできない以上、量的緩和にも限界がある。このような状況の下、多くの金融市場関係者の間に前代未聞の悲観論が蔓延している。ボストン・コンサルティング・グループが大物投資家250人を対象に調査した結果を見ても、今後の金融市場の見通しは、リーマンショック以来の悲観的観測が強まっている。

 一般の投資家がアメリカ市場から手を引いている。完全に冷え切った姿こそがアメリカ株式市場の真の姿である。FRBを初めとした世界各国の中央銀行は、マネーカースト最上位に君臨する寡頭勢力が支配している。アメリカ株式市場は彼らによって作り上げられたフィクションであり、そのいかさま手法の綻びが限界まで広がっているのだ。

 2018年2月、アメリカ株式市場の株価不正操作に関して大きな内部告発がなされて波紋を呼んだ。

「シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(恐怖指数、VIX)算出の仕組みを利用して市場操作が行われたと告発する書簡が米金融当局に提出された。・・・・・・・・・・」(「ロイター」2018年2月13日付)

 ボラティリティー・インデックス(VIX)とは、株価の値動きの目安となる指数のことで、投資家の不安心理の大きさを表すことから、恐怖指数とも呼ばれている。VIXはコンピューターによる株式の自動取引に使われており、この指数が急上昇した際に損失のリスクを減らすため、売り注文を自動的に出す仕組みになっている。つまり、VIXを操作すれば株価を操作することが可能なのだ。内部告発を待たずとも、寡頭勢力のこのようないかさま手法は株価の動きに目に見えて現れている。

 近年アメリカ株式市場の株価が通常では考えられない奇妙な動きを見せている。株価が史上最高値で連騰する「不自然な株高」が続く中、機関投資家や個人投資家たちが兆ドル単位で売り越している。だが、これはかなり不可解な現象だ。「売り越し」とは市場である一定期間において売りの金額が多い状態を指す。そして、市場全体として売りの金額が多い場合は株価が下がる」と言うのが市場の基本原理だ。また、アメリカの小型株指数である「ラッセル2000種指数」でも同じような現象がみられる。企業の利益率が軒並み低下しているにもかかわらず、指数そのものだけは過去最高にまで高騰しているのだ。株式市場の仕組み自体が、完全に機能不全に陥っているのである。なぜ、このようなことが起こるのか。答えは簡単である。株、為替を含めて、金融市場がすべてマネーゲームと化しているからである。このマネーゲームの勝者は限られている。壮大なインサイダー情報を持つ一部の既得権者、スーパーコンピューターで超高速取引(HFT)を行っている一部の大手欧米金融機関である。HFTで問題視されているのが、「クオートスタッフィング」と言う取引だ。このハイテクを使えば株価操作ができる。ところが、米証券取引委員会(SEC)の調査が入っているにもかかわらず一向に取り締まられる気配はない。寡頭勢力が支配しているからである。


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