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世界皇帝の死(28)

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(28)石油王は、さらに世界の医療王を目指した!

 ロックフェラー財閥が、近代から現代にかけて、医療を独占してきた。それは、もはや常識である。近代医療の独占支配体制を確立したのはジョン・D・ロックフェラーである。「医療を独占すれば、石油トラストなどより、さらに莫大な利益をもたらす可能性に思い至ったのである」(ユースタス・マリンズ著「医療殺戮」より)

 狡猾な一族は、それより先から、世界の医療理権を虎視眈々と狙っていた。近代医学の父とされるのは、ルドルフ・ウィルヒョウである。近代医学=ドイツ医学である。その頂点に君臨したのがウィルヒョウなのだ。彼は極めて名誉欲が強く、かつ好戦的だった。加えて、論争好きで、時の最高権力者であったビスマルク首相にも論争を挑んだ。当時のドイツ医学界では、1つの論争が勃発していた。それは「生命とは何か?」と言う極めて根源的な問いだった。この永遠の謎については、それまで「生気論」という考えが主流をなしていた。これは生命とは「神秘的な生気が司っている」とする考えである。そして、「生気」とは「科学や物理学では説明できない」存在としていた。古代ギリシャの医聖ヒポクラテス以来、生理学・医学はこの説が根底にあった。それに挑戦してきたのがウィルヒョウを中心とする新たな学説「機械論」である。それは、英国の産業革命を契機として誕生した。「生命も精密機械の一種に過ぎない」と彼らは主張したのである。それは科学信仰に裏打ちされていた。その筆頭のウィルヒョウは、舌鋒鋭く生気論者たちに論争を挑んだ。「生気なるものが、存在するなら、それを科学的に証明してみよ」

 これには生気論者たちも、困り果てた。「科学で説明できない」と主張しているのに、それを科学で証明しろとは、まさに無理難題である。その返答に窮している生気論者たちを横目にウィルヒョウらは、「生気論破れたり」と勝手に勝利宣言してしまった。勝利宣言で勢いづいたウィルヒョウは、さらにこう宣言した。「病気や怪我を治すのは、我々医師であり、医薬であり、医術である。ただの物体に過ぎない人体に、自ら治る力など存在するわけがない」

 これは、傲慢不遜なウィルヒョウのオーバーランである。勢い余って、生体に生まれつきに備わっている自然治癒力まで、否定してしまった。医聖ヒポクラテスは、生命の本質をこう喝破している。「人間には生まれながらにして体内に100人の名医がいる」 この「100人の名医」こそ、自然治癒力そのものなのだ。例えば、指を切った傷もいつかきれいに治っているのは、体内に備わっている自然治癒力のおかげである。

 生命と物体との違いな何か?それはホメオスタシス(生体恒常維持機能)の有無である。これは「生体は常に正常を保とうとする機能がある」という真理である。まさに生命の根源原理なのだ。自然治癒力とは、病気や怪我の時のホメオスタシスの現れに過ぎない。ドイツ医学界のドンは、その根本原理を否定してしまった。痛恨のミスと言うべきだ。しかし、彼は傲慢にも胸を聳やかし、ドイツ医学界から世界の医学界の頂点に君臨したのだ。そして、それを是として拍手を送り、「医学の父」の冠を授けたのがロックフェラー一族なのだ。だから、ウィルヒョウは、ロックフェラーが世界医療を支配する上での、まず第1歩の操り人形だった。

 「機械論」そのものであるウィルヒョウ学説は、そのまま近代医学教科書の中心に据えられた。こうして、自然治癒力と言う生命の本質を否定する誤謬の学説が、医学テキストの中枢に据えられたのだ。根本的に誤ったウィルヒョウ理論は、その後、一切の修正を加えられることなく現在に至るまで、現代医学の中枢理論として鎮座しているのである。だから、大学医学部の講座でも、自然治癒力を教える講座は1時間もない。船瀬氏が試しに「医学大辞典」を購入して、「自然治癒力」と言う項目を引いてみたら、その見出しすらなかったという。次に「治癒」を引くと、これもない。これで、現代医学は、自然治癒力を完全に黙殺していることがはっきり分かった。ある高名な医学博士に「医学部でどうして自然治癒力を教えないのか?」と質問してみた。すると、御大は体をゆすりながら大笑いしてこう答えた。「そりゃあ、当たり前ですよ。患者がほっといても治ってしまうことを教えたら、医者も薬屋もオマンマの食い上げだ」(大笑い) 船瀬氏も仕方なく苦笑するしかなかった。

 ロックフェラー一族が犯した第2の犯罪がある。それは伝統医療各派を徹底弾圧したことだ。19世紀半ばまで欧州には5つの医学流派があった。①自然療法→自然食事療法など。②整体療法→体のゆがみを整える。③心理療法→心理ケアから治療。④同種療法→自然治癒力を進める。⑤薬物療法→薬投与で治療。

 ロックフェラー医療独占体制にとって、医療利権とは薬物利権そのものだった。だから、必要な学問は⑤だけであり、①から④は、邪魔だった。それで彼らは自然医療を迷信と決めつけ徹底的に弾圧・追放したのだ。彼らは大学医学部や医師免許制など、近代医学の体制を確立・独占していた。①~④の医療は医学部教育や医師免許試験から排除した。金科玉条のごとく教えられていたのはウィルヒョウの自然治癒力を否定した機械論だった。これでは病気が治るわけがない。しかし、批判するものは容赦なく医学界から追放した。こうしてウィルヒョウ以降の医学は、現代の悪魔教と化したのである。その利権は世界で推計約1000兆円であり、日本国内だけでも50兆円に達する。かくして、医療費は右肩上がりに急増を続け、患者数も比例して爆発的に増え続けている。しかし洗脳されたゴイム(家畜)たちは全くその悪魔の饗宴に気付いてすらいない。


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