(17)水爆に父、エドワード・テラー
飛鳥「エドワード・テラーには僕も会いました。1992年、まだ彼は生きていましたからね。エドワード・テラーは当時、スタンフォード大学で教鞭をとっていました。彼は1954年のビキニ環礁でのアメリカ軍の「キャッスル作戦」で水爆を炸裂させて、第五福竜丸というマグロ漁船を「死の灰」で被爆させた。後にわかったんですが、レーダーで漁船がどこにいるかわかっていて、わざとやったんです。どんな被害が起きるかということは、すごくいいサンプルが取れる。そういう男なんです。
ある意味、マッドサイエンティストという言い方が当たっているかもしれないけど、学者というのは、オッペンハイマーもそうですが善悪を超越している人が多いようです。自分で思ったものをサイエンスで具現化させる。これに猪突猛進しているんですよ。だから、その間のことはほとんど考えないし、意識がないですね。結局、出来上がったものを軍がどう使うかも一切考えない。ただ、自分は自分の理論を実証することに邁進するという意味では、純粋な物理学者だったとも言えます。
彼の家は大学の敷地の中にあったんですが、そこに行くと、びっくりしたのは、テラーは日本びいきなんです。応接室に行くと、日本のものがいっぱい飾ってある。上から釣り下がっているのは日本の和傘だったり、日本から来たというと大歓迎なんです。よく番組に参加してくださった方に局の景品がもらえる。当時、スーパープロデュースの小川謙治さんがテレビ局の取材ということでその景品を持って行ったんです。テレビ局のロゴの入った、はっきり言って高価じゃない参加協力者用の時計です。それでも喜んでいましたね。本当は、お金持ちなのにですよ。
風貌は仙人みたいでした。杖を持ってね。彼は片足を事故で無くしているんです。年を取ってくると、ますます歩きにくくなったみたいです。彼はハンガリー生まれのユダヤ人なんです。アメリカの亡命して、オッペンハイマーといろいろ確執があるんですが、結果的に「水爆の父」と言われるようになりました。同時に彼は「SDI(戦略防衛構想)の父」と言われた。レーガン大統領のときに、「戦略防衛構想」ということで、旧ソ連が最後のあがきで何をするかわからないときに、一か八か最初に核攻撃をする懸念がありました。アメリカに反撃を許さないほど完膚なきまでに叩き潰す。これを「ファーストライク」と言いました。
レーガン大統領は、これに対して「レーガン・ドクトリン」で核の先制攻撃も辞さない構えでした。その時の知恵袋がテラーであり、アメリカ軍のいろいろな問題、開発その他、水爆を超えるもの、中性子爆弾を含めてあらゆる形での権威になっていましたね。だって、彼は国からいくつもの勲章をもらっています。僕が見ただけでも、50~60の勲章は並んでいましたから、彼はアメリカ政府と軍に多大な貢献をしたということなんでしょう。
その時、僕は一か八か聞いたことがあって、エリア51から脱出した男、ロバート・ラザーというのがいたんです。今も生きています。ボブ・ラザーというんですが、「知っていますか?」と聞くと、「うーん、どうかな」と言って、いろいろ経緯を話すと「ああ、そういう男がいたね」となった。ここで重要なことがあるんですが、横にいつも奥さんがいるんです。おそらく老人ボケが入りかけていたのかなと思うんです。その時に、奥さんがいろいろボソボソと言っている。言いすぎると「ダメダメ」と言うので、彼も「ああ」となる。ただ、彼は「SDIの基本はワンサウザンド。1000基の軍事衛星で地球を取り囲む。日本にも協力させる。そうすると世界が平和になる」と言いました。取り囲むといっても、衛星の軌道はいろいろあります。どういうことか? 彼は「それは外に向かって放つんだ」と言っていた。彼が生まれた年が1908年、ロシアでツングースカの大爆発があった年です。要は、宇宙からくる脅威にUFOも入っているんじゃないかと僕は考えたわけです。勿論、彼はもう亡くなりましたからね。僕はあまり重要なこと、プラズマ兵器のことはわざと聞かなかった。あまり聞きすぎると帰りの飛行機が落ちる。本当ですよ。僕も高野誠鮮さんと全く同じで、余り踏み込んで虎のしっぽを踏むと帰れなくなるんです。僕はよくアメリカ国内に入った後、あちこちに小さな飛行場とかいっぱいあって、次々にタクシーみたいに移動していくんですが、大きな国際空港に入った後、次に行くときに大体引っかかるんです。そんなに悪い顔をしていないのに引っかかるんです。ツアーに行くと迷惑を与えちゃう。高野さんほどひどい扱いは受けていませんけどね。だから高野さんは、僕よりよほど悪いということだ(笑い)。それはしょっちゅうあることなので、クルーと一緒に行くと大体迷惑をかけちゃうんですが、小川さんなんかはだんだんわかってきて、まあまあいいかということで、多少遅れても涼しい顔をしていました、ただ、言えることは、間違いなくエドワード・テラーはUFOとエイリアン、いわゆるエイリアンクラフトがまず前提になるのです。もっと言うと、奴らと戦うために必要なものを開発するということで、ロズウェル事件で回収したUFOの解析にも関係した。「エレメント115」というのもそうなんです。当時はエレメント115なんてなかった。想像の段階ではあったんですが、実はそれでUFOが飛んでいることが墜落UFOから分かったんです。それの分析をしたのがロバート・ラザーだった。当時、彼はラスベガスに住んでいて、私は会いましたよ。鋭角の三角形に加工したエレメント115を使って飛ぶ。そういう発生装置が3基あった」