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日本と天皇家の機密(26)

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(26)日本の国の成り立ちは、「古事記」にある自分を犠牲にして他を救う思想から(畠田氏)

 この思想が新しく私に植え付けられたのはこういうことです。思想は天から降る雨だと私は思う。天は地表の山や丘、平地や谷間に降り注ぎ、川となって海に流れていく。そして血を形づくる。人は山を見て、雨を見ない。丘を見て、川の流れを見ない。まして雨水の一滴を見ることもせず、話題にものせない。国の形を話題にする前に、雨の一滴を手のひらに受けてみる。雨は山を削り、丘を砕き、地の形を変えて海に注ぐ。そして再び天に上り、雲となり、雨となって地を潤す。地である国の形を云々する前に、どこから雨である思想が降るかを考える。あなたや私をつくるのは、目に見えるものではありません。私をつくったのは、目に見えない言葉でした。思想でした。神はあなたを愛しているというたった1つのことです。

 私のようなものを誰も愛してはくれない。母親が愛するのは当たり前です。私を産んだのだから、私が危篤になったときに、母親が輸血をしてくれました。そしてよくこう言いました。「私のおかげでお前は生きているのだぞ」と。医者は「もしこの子を連れてくるのが1日遅かったら、死んでいた」と言いました。私は肺炎になったのですね。ですから、恩着せがましく、「お前の命は私にかかっているのだぞ」と。これを毎日言われると、またかと思いますよ。しかし、心の底では「お母ちゃん、ありがとう。本当にありがとう」と思って私は生きていました。

 しかし、神様があなたや私を愛しているというのは、別問題です。どこに根拠があるのだ。お前たちは世界一豊かな国で生きている。今でこそニュージーランドと言うのはあまり豊かではありませんが、50年前のニュージーランドは素晴らしい国でした。医療費は全部無料だった。私は親知らずが痛くなり、歯医者に行きました。しかし、1円も払っていません。私のような外国人でもペンチを持ってきてグッと抜いて、はい終わり。帰国してからこの抜いた歯を日本の医者の見せたのです。「何でここだけ空いているの」「ニュージーランドで抜かれたんです」「なぜ親知らずを抜かないで、その手前の一番いい歯を抜いたの。なぜそんなことするの」。5人いた日本の歯医者は全員、「なんていうことをされたのだ。あなたのこの歯1本、200万円はしますよ」と言われました。ペンチでグッと抜いて、ごみ箱にポーンと放ったんです。私は返してくれと言ったら、看護婦さんが変な顔をして見るんです。西洋人は日本人とは違うんです。ごみ箱から出して、はいと渡してくれた。私は丁寧に包んでポケットにしまって、日本に持って帰ってきました。日本ならば、親知らずが横に生えてきているから、それを抜きます。浮き上がってくる手前を抜いたものだからグーッと狭まりましたが、そこが開いたままなんです。

 このように、国が違えば文化も違う。思想もある程度違うんです。でも、すべての人に共通のものでなければ、それは真理ではない。日本人だけに通用して、アメリカ人、ロシア人、イギリス人、中国人に通用しなければ、それは単なる思想です。

 あなたが今日まで命をかけて何かをやってこられて、よかったなと思う人生を毎日歩んでおられるなら、あなたほど幸せな人はいない。命をかけて家庭を愛するのは父親の務めです。そのことのためにすべてを犠牲にします。聖書はそれをせよと書いてあります。これは万民共通です。どこの国でも同じです。その雨の一滴を私は幾つでも話することができます。しかし、4つか5つぐらいしか私の持ち時間では話ができません。

 まず、日本に落ちた雨の一滴、、これは日本人の死生観です。「古事記」に弟橘比売命(おとたちばなひめのみこと)の話が出てきます。日本神話に登場する日本武尊の妃、「古事記」には弟橘比売命と記され、日本武尊の東国平定の時、走水の海(浦賀水道)で一行が海の神(海神)によって航行を妨げられると、海中に身を投じて海神を鎮め、船を進ませたという記事が書かれています。海中に身を没しながら、弟橘比売命は歌を歌うわけです。日本武尊に残した歌があります。自分を愚性にして他を救うというのが「古事記」の思想です。そして日本の国が成り立ち始めたのです。


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