(41)日本には古くからイスラム教も伝来している!
杣「仏教の発祥はインドだけど、学問としては、日本が一番進んでいる。つまり、日本は他の国で滅ばされたものを全部受け入れた。仏教は韓国で潰され、中国でも唐の武宗が道教以外は禁止するということで潰された。その弾圧を逃れてきた人たちを日本は全部受け入れている。清浄寺や清真寺は、開封にあるユダヤ教会堂にしてイスラム寺院でもあるわけだから、その同じ名前の寺が日本には沢山あるということは、この国には古代イスラエルの宗教や原始キリスト教だけでなく、イスラム教までも生きているわけです。酒を飲まない、肉を食べないと言ったベジタリアンが結構いるのはそういう影響でしょう。京都の寺の精進料理などもそうでしょう。だから、日本にはイスラムもライブで生きている。そういう寺として残っている」
飛鳥「釈迦が菩提樹の下で瞑想に入り解脱してブッダになったのがインドのブッタガヤですね。そこが仏教発祥の地になっている。ほかにも、釈迦が生まれたネパールのルンビニを仏教発祥の地とする場合もあるが、どちらにせよ、今でも残る宗教は全てアジアで生まれたものです。その仏教が日本では禅として昇華し、中国の禅宗とは違う禅として世界中に広まっている。一方、韓国だが、李氏朝鮮が行った儒教優先の「崇儒排仏」で、韓半島の仏教が滅亡寸前まで追い込まれた。しかし、「日韓併合」で、日本が半島の仏教を守って復活させた。とにかく、日本と言う国は世界でも唯一の宗教の総合商社みたいなもので、全部入っている」
杣「僕もそれを感じました。生きている。それも何百年もの間、国単位で受け入れて、ずっと続いている」
飛鳥「延々と続いています」
杣「もっと掘り起こせば、どんどん出てくると思う。やはり、それが1つの使命であるし、また、人も来てもらえるから経済的にも豊かになる。今、日本は豊かに見えるけれど、果たしてそうか? 先日、アフリカ・ナイロビの貧民街の学校に行ったのですよ。そこでは1200人の生徒がバラック建ての校舎に通っていて、クリスチャンが先生をやっているけど、そこで給食が出ている。釜が2つあって、そこで1200人分の昼食を作る。それで、校長先生が「この1食がその子の1日の食事だと思って下さい」と言う。「家に帰った時に、他に食べる物があるとは思わないでください」とも言われた。「だから、彼らは欠席しません」と」
飛鳥「そういうことか。欠席したら食べ物がない」
杣「食べ物が無くても明るいのです。貧しくても明るい。一方、日本は豊かだけど、逆に精神的に目標を失っている。ナイロビの子供たちは貧しくても一生懸命生きようとしている。一方、日本は豊かだけど「もうだめだ」と引きこもっている。引き籠りとは日本にしか起こっていないそうです。インド人に言わせると、引き籠ったら普通の人は死ぬのだと」
飛鳥「そうでしょうね。人は恵まれすぎると精神が虚弱になり、打たれ弱くなってしまう。そうして自己防衛から家に引きこもってしまう。甘やかされて育った結果、自己中心となった男女は、リスクを取りたがらない。責任回避からマニュアルしかやらない人間になっていく。さらに、親が子供を手もとに置き続けることが増え、子供は親から離れる必要がなくなっている。結婚も生活レベルを落とすリスクがあるので避けるようになり、その結果、死ぬまで「おひとり様」になっていく。少し前、酒井順子さんが「負け犬の遠吠え」を著し、話題となったが、「30歳代以上・未婚・子なし」の3条件がそろった女性を「負け犬」と規定している。「負け組」の彼女たちの遠吠えを、カルチャーセンター通い、美容院通い、整形通い、資格取得通いで負け犬の女性ほど元気だと鋭い分析をしている。・・・・・・・・最近、負け組に入りたくない若い女性が激増している。彼女たちは早い婚活、早い結婚、早い出産を目指している。おそらく元気なアラフォーの「負け組」の女性たちを見て何かに気付いたのでしょう」
杣「いずれにせよ、我々日本人は、先祖の足跡と日本の素晴らしい文化を掘り起こしていかねばならない。使命感を持ってね」