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物部氏とアークの謎(21)

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(21)中国にいた「羅漢=アブラハム」たち

杣「熊本県・八代の妙見宮では今でもヘブライ語で祭りが行われている。祭りの日、氏子たちは「ハレルヤー、ハアリー・ヤー・トシャ・ヤーウェー! ヤーウェー ヨイットナー」と歌うのですが、シャハン教授によると、これはヘブライ語で「主を誉めよ、主を掲げよ、ヤーウェーよ、救い給え、ヤーウェーよ、主は我らとともにある」と言う意味になるそうである。さらに、この祭りには、「大」と書かれた旗が登場するし、メノラーも登場する。真ん中の榊が7本でメノラーに、両脇の榊が9本でハヌキアになっている。これは「寿」の漢字と同じ形です。また、開封のユダヤ教の会堂では、春分の日と秋分の日に、中国のユダヤ人が先祖を祀る祭りをしていたことも興味深い。しかも、彼らは仏教でいう位牌を作っていた。中国人の名前は漢字3文字ぐらいしかないのに、位牌には、その人が天の神の前でどう生きたかを付け加える。そして、裏には生年月日と没年を書く。これ、日本の仏教が使っている位牌と全く一緒です。それがユダヤ教から来ていると言うのです。さらに、会堂には、1400年頃、仏教の経典入れを作ってほしいと皇帝から注文を受けて、トーラーを入れていた六角形のボックスの形で、デコレーションして皇帝に納めたと書いてある。開封のユダヤ人を調査した本には、中国ユダヤ教の人達1000人へのインタビュー結果も載っている。その人たちの名前がそれで分かるわけだが、そこにはモーセやアブラハムの名前がある。これも重要な証拠です」

飛鳥「アブラハムと書いてあるのですか?」

杣「五百羅漢の「羅漢」と書いてある。羅漢と言うのはアブラムの事です。つまり、アブラハムの以前の名前です。神にお会いして「あなたはアブラハムとなりなさい」と言われてなりますよね。それ以前はアブラムと名乗っていて、中国では「羅漢」と書く。つまり、神から証明を受けるまでの人は羅漢。証明を受けた人は「阿無羅漢=アブラハム」になる」

飛鳥「羅漢って、よく石造になっているね。それも、アブラハムの子孫が星の数のように増える様子を表すように沢山並ぶことが多い」

杣「そうですね。五百羅漢像が有名ですね。中国最古の仏教寺院とされる白馬寺が、実はユダヤ・キリスト教の寺であることが証明できました。そこにはメノラーがあり、ダビデの星があり、ユダヤ教やイスラム教のお守りである「ナザール・ボンジュウ」と言う神の青い目が装飾として屋根に使われている。それらを全部確認して、これは間違いないとなった。また、アフガ二スタン北部、ティリア・テペと言うゾロアスター教の神殿遺跡からの出土品として中国の鏡が発見された。そこからは出エジプトの印として額にマークの入った黄金製のギリシャの女神像も見つかっている。また、十字架や勾玉、法隆寺から出てきた王冠に似た物も出土している。つまり、少なくとも、ゾロアスター教の人達は、キリスト教や仏教を違う宗教とは思っていなかった。ゾロアスターの神殿の王族の墓から出てきたのですからね。異教とは考えていなかった証拠です。もう1つの証拠が開封のユダヤ教の会堂です。その名前は清真寺といい、中国人によるとイスラムの寺であるという。これは同じ地区内の中に道教の寺も、キリスト教会もイスラム教寺院もあるという。さらに、ゾロアスター教の神殿が通りの向かいにある。このことが示すのは、スタイルは違うけど、道鏡の神も、キリスト教の神も、ゾロアスター教の神も、違う神ではないということです。日本人の宗教思想、つまり、神の名前はいろいろあるが、1つのものから出ているという考え方は正しかったということです。日本人は教理教義よりも行いの方を大切にしているから、モーセの十戒の言葉が身に染みて行動で示してきた。その背景には、この地上で神の国を作るという意識があったのですね」

飛鳥「そうでしょうね。日本人ほど外国の宗教や習慣を取り込む民族はいない。生まれてから神社でお宮参りをし、クリスマスにはケーキを食べてプレゼントを交換し合い、死んだら寺でお葬式をする。最近では外国の収穫祭であるハロウィンまで大々的にやっている。これを寛容ととるか、節操がないととるかは主観の問題として、全てが同一神から来ているとするDNAというか、民族の遺伝子がそうさせているのかもしれませんね」

杣「行いを大切にしている日本人は言葉や教義は必要なかった。リーダー自身が行いで示していけばいいから。大和魂や侍魂というが、そういう精神は侍だけではなく商人とか農民とか、女性でも持っていた。それは日本の宗教者の多くが、この地において、レベルの高い神の国を作る意識を持っていたからでしょうね。空海などが社会事業に取り組んでいたのも、そういう姿勢の現れです。だから、私は、先祖はやはり素晴らしい信仰を持っていたと考えています。それをみんなが承継しなければいけないという思いが、私をこの研究に向かわせている。私の研究テーマの原点は「イザヤ書」第19章25節にある。「万事の主は彼らを祝福して言われる「祝福されよ わが民エジプト わが手の業なるアッシリア わが嗣業なるイスラエル」 そして、新約聖書は旧約聖書の焼き直しであって、別のことを言っているわけではない。そこで一番大切なことを、たった2つしか言っていない。つまり、「心を尽くし、思いを付くし、精神を尽くして主なる神を愛しなさい」。もう1つは「隣人を愛しなさい」と言うことです。たった2つしかないのに、今、宗教界は「これは違う。あれは違う」とお互いを非難し合っている。「敵であっても愛しなさい」と言う教えはどこかに行ってしまっている。だから、そういう意味でも、日本と言う国がこれから世界で求められていると思うのです」 


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