(20)天照大神の別名「太一」はエジプト由来か?
杣「私が、エジプトから日本までつながっている証拠の1つとして挙げているのが「太一」です。伊勢神宮に置いて天照大神を指す「太一」と言う文字が、実は漢書にも登場する。そこには「泰一の神」と言う記述があり、それは「太一」「太乙」「天帝」「天一」「地一」「三一」とも書かれます。これは昊天上帝の事です。一方、日本では伊勢神宮の遷宮で、氏子たちが「太一御用」と書いた法被を着ているでしょう? さらに、インドで私が発見したのは、ハラッパー遺跡から出土したインダス文明の銅貨、つまり、2600年前の銅貨に「太一」の文字があるという事実です。漢字で「太一」と書かれた硬貨がある。なお、インドの硬貨には、ダビデの星も生命の樹も卍も龍も蛇も全部ある。2600年前の硬貨にはそれがあるわけです。そして、最終的な証拠として、エジプトのセティー1世の墓にも多くの「大」の文字が書かれているほか、エジプトの母なる神・ヌトの体中に「大」と言う字が描かれていたりもする。これまで外国人研究者らは、漢字を知らないから、それを単なる星型の印と思っていたわけです」
飛鳥「エジプトの遺跡の墓に入ると無数の「大」がある。僕らから見ると「大」に見えるなと分かるのだが、外国人たちから見たら、星だと思ってしまう。エジプトのガイドに聞くと、あれはヒトデで「古代エジプト人はヒトデを星形にしました」と言っていました」
杣「メノラーについても、そのルーツはエジプトのロータスの生命の樹であり、それがアッシリアでも生命の樹となり、メノラーの形になった、と私は説明しています。これにはイスラエルの学者もビックリした。彼らはエジプトの話を知らなかったから、そことつながっているなんて信じられなかった。しかし、私の資料を見たら、信じられるという。それから、「メノラー=生命の樹」は日本にもありますよ。桐の紋や卜部家の家紋「丸に三つ柏」は、まさしく生命の樹がモチーフになっています。太一の話の戻りますが、中国最古の竹簡(紙が作られる前、文字を記すのに使った細長い竹の札)が紀元前2世紀の漢の王墓から出ていて、そこにも「太一」の字が確認されています」
飛鳥「「太平洋」と「大西洋」というように、「太」と「大」の意味は全く一緒ですよね。つまり、エジプトやインドで見つかった「大」と「太」がここでつながる。さらに、大と書いてその下に十字架を置くと「本」になる。これは富本銭に書かれた「本」の字がそれをよく表しています」
杣「日本の「本」でもある」
飛鳥「そうです。「大」は五体、頭と両手と足を表すでしょう? そこに「チョン」、つまり、ヘブライ語の「ヨッド」がつくと「太」になる。そして、十字架があると「本」になる。これは十字架に人がかけられているという図です。同様に、将棋も昔から王将と玉将があり、両者がそれで対局しますよね。これらは「ヨッド」が絶対神「ヤハウェ」の意味で、最大と同格の意味を持つわけです」
杣「漢字の語源が聖書に関係するということも、言われてきていますね。「寿」と言う漢字を調べていたら、この文字がメノラーとハヌキアを表していることに気づきました。「寿」にはいろいろな字体があり、その1つに、ハヌキアの形の上に2つのメノラーが横に並んでいる字体がある。また、メノラーが1つだけの「寿」もある。つまり、「寿」と言う漢字は、メノラーとハヌキアの合成文字だったわけです。ユダヤ人にも見せたら、漢字は聖書の影響を受けていると確信していました」
飛鳥「面白いですね。奈良県の石上(いそのかみ)神宮にある国宝・七支刀もメノラーの変形です。それを神宮では「六叉鉾(ろくさのほこ)」と言っていますね」
杣「メノラーには7枝の物以外にいくつかのバリエーションがあるが、「寿」には正式な7枝のメノラーが隠されている。ユダヤ人もこれを見て間違いないと言っていました。「君の話には説得力がある。それを信じるしかない」と言ってくれました。北京の天壇の記念殿にある皇帝の玉座の前の香炉にも、メノラーのような装飾があり、これもまた、10支族の痕跡と言っていいでしょう。それから、御幣。神社で使う御幣そっくりのものがウズベキスタン国立歴史博物館にあります。これは年代不詳ですが古代遺跡からの出土品でメノラーやハヌキアの形がすこし変化したものと思えます。つまり、神社の御幣も、そのルーツはメノラーであると言っていいでしょう」
飛鳥「本当だ。形が似ていますね。そういえば、日本の家紋や社紋にある「柏紋」は葉脈の形がメノラーやハヌキアですよ」