(6)中国皇帝はユダヤ教の儀式を行っていた?
杣「ユダヤ人が古代から来ていることは、キリスト教も来ているということです。一般には1549年のザビエル来訪の時に、初めてキリスト教が来たとされているが、それは違うと確証している」
飛鳥「そうだね。ザビエル自身も伝道していた時、日本人の謙虚さや互いに助け合う姿を見て、昔、キリスト教がこの国に伝わった痕跡があると報告している」
杣「私の結論は、神道はユダヤ教から始まっており、その証明は中国で確認できると言うものです。中国の儒教や道教はユダヤ教であると私は証明している。つまり、紀元前500年頃、周の中期から、ユダヤ教の燔祭を公式行事として中国皇帝が行っていたことが証明できる。それは、北京の天壇にある歴史博物館で確認できる。冬至の日、クリスマスの日に燔祭を奉げたときの33段階の手順が書いてある。それをユダヤ人にみせたら、「これは正式なユダヤ教による燔祭と同じです」と言う結論になった」
飛鳥「杣さんは本当にすごい。実際にその現地に行っているから。そして、素晴らしいオールカラー本「日本文化もとをたどれば聖書から」「日本古来の神仏はイスラエルの神」「四大文明の神は聖書の神」などで、その成果を発表してね。おそらく、日ユ同祖論の分野で、杣さんの名前を知らない人はモグリですね」
杣「いえ、そんなことはないですよ」
飛鳥「それで、研究はもう完成しつつある・・・と言うことですね?」
杣「そうですね。最近では一応結論が出ていて、現在は、頭の固い保守的な先生方に、一覧表の形の物を見せて説明できるような資料を作成している。これは論文の最初に入れる予定の物です」
飛鳥「いや、素晴らしい」
杣「ポイントとなるのは、イザヤ書の第19章25節に、聖書の神が「私はエジプトの神であった」と言う内容が書かれていることです。正確には「万軍の主は彼らを祝福して言われる「祝福されよ わが民エジプト わが手の業なるアッシリア わが嗣業なるイスラエル」と-こう書かれています」
飛鳥「そうですね。聖書外典聖書(アポクリファ)の創世記では、モーセが紅海割れの奇跡を起こして多くのエジプト人を溺死させたが、その時絶対神ヤハウェは「ああ、多くの私の子供たちが命を落とした」と嘆いたことになっている。だから、絶対神にとってエジプト人も自分の子供だったことになる」
杣「イザヤ書の第19章25節には「わが手の業なるアッシリア」とある。ここでアッシリアとは、メソポタミアの事です。そして最後にイスラエルを引き継ぐものとして選んだ。このことが私の調査の原点にある。つまり、エジプト、メソポタミア、イスラエルに引き継がれてきた神のシンボル、その他のシンボルの継承を証明するということです。今、その研究は最後まで行きました。もう結論は出ました」
飛鳥「出ましたか」
杣「エジプト、メソポタミア、イスラエルの神が、1つの共通の神であることは証明できる。学者にも資料を見せたら、「これだけ証拠があれば確かだ」と言っている。それで、2017年の正月に気付いたのは、スフィンクスをどこかで見たぞと言う感覚なのです。つまり、有翼・人面・口髭付の獣像を」
飛鳥「口髭ね。正確には顎鬚も加えた口髭でしょうね。エジプトのファラオは顎鬚を細長い袋に束ねたり、中には付け髭までしていたね」
杣「それで、調べると、幕屋、至聖所にあるケルビムなのです。人面で体は獣で翼がある。そしれ顎鬚もある。アークの上についているのがケルビムですね。このケルビムがバビロンの門の入り口も守っていたわけです」
飛鳥「みんなひげがある、と」
杣「このケルビムが守っているのはエデンの園の生命の樹です。それからパラダイスの門を警護するという役割がある。ピラミッドの前にもケルビム、つまりスフィンクスがいますが、メソポタミアのバビロン、さらに、ペルシャ(イラン)のペルセポリスにもそれがある。このことで結論が出たのは、イランそのものがメソポタミア文明だということです。つまり、東メソポタミア文明なのです。チグリス、ユーフラテス川の東側のメソポタミアがイラン。それが今まで忘れ去られていた」
飛鳥「なるほどね」
杣「それで、去年、私はグルジアに行って、そこのトビリシ国立大学の考古学研究所所長のリチェリ先生と言う人にお会いした。彼は「グラクニアニ」と御いう遺跡の研究で知られている。国が高速道路を造ろうとして川が2つ交わった所の丘に遺跡を見つけた。それがグラクニアニです。200万年前からそこに神殿が出来ては潰され、またその上に建てたりしたものが発見された。リチェリ先生は紀元前2000年の層からゾロアスター教の燔祭をやった跡と、パンを焼いたパン焼き機と、それに押したシール(刻印)などを見つけている。これはゾロアスター神殿です。しかも、文字も発見している。この地方で一番古い文字ですが、まだ解読できていません。そして、ここで出土したものはエジプトやそのほかの地域と同じものなのです。私がそこに行って、調べたら、ケルビムが法輪の上に乗っているものがあって」
飛鳥「なるほど。日本では正体不明なものは妖怪として伝えたが、火(ケルビム)を噴いて回転する「片輪車」がまさしくそれです」
杣「これはイコン博物館にあるのですが、炎の法輪の上にケルビムが描かれている。本当は写真を撮れないのですが、何とか撮らせてもらったものがあります」