(23)1%が形成するリッチスタン
飛鳥「写真は撮らせてもらえなかったのですか?」
高野「家に行ったときはカメラを持って行かなかった」
飛鳥「他の場所へは持って行っているのですね」
高野「そういうカギを握っている人達がアメリカ国内にはかなりいて、その人たちのネットワークがあり、「ここだけは危ないから触るな」と言う部分を教えてもらった」
飛鳥「しかし、ギリギリのゾーンでちらっと見せてくれる。彼らはフリーメーソン系ですか?」
高野「フリーメーソン系ではないですね。本当のユダヤ系の金持ちです。ただ、イスラエルの関係者と強いつながりがある」
飛鳥「ユダヤのロビー活動はかなり強いですね」
高野「彼らは人の一番弱いところを知っている。金、色、権力。こうしたものを使う。「あなたを大学教授にしてあげよう」とか「息子さんに何かしてあげよう」とか・・・・。彼らは金や女や権力で操れると本当に思っている。知らないふりをしてつきあわなければダメです。そうすると、いろいろ教えてくれます」
飛鳥「彼らはアメリカには所属していない。別の国にいる。この連中はアメリカで問題になる1%の支配層の事で、アメリカナイズされた経済グローバル化、IT化、金融ビジネス化の中、これらを増殖の原動力にしながら巨大化していった。世界がリーマン・ショックに打ちのめされていた間も、経済グローバル化の波を見逃さなかった彼らは、いつしか国を超える存在となった。彼らは「ニューリッチ」と呼ばれ、国に対抗する巨大組織「リッチスタン」を形成し、大金持ちだけの仮想国家を形成している。彼らは古くて新しい特権階級で、莫大な収入を得た税金を国に還元せず、全て新たな投資と投機に回し、さらなる莫大な利益を生み出していく。彼らはアメリカを中心に世界中に1200万いて、全て資産1000万ドル以上の大金持ちばかりです。資本主義社会の貴族的特権階級と言う表現がふさわしく、99%の無能な連中を救うための税金など1セントも払う気はない。儲けた金はすべて有能な自分たちの正当な取り分で、貧しい者や働けない者を見下す傾向が強い。彼らは21世紀を生きる新世界の住人で、超富裕層だけが集まる仮想国家を形成している」
高野「悪い言い方をすれば、パラサイトですよ。アメリカと言う国家の実権を牛耳っている。こうした真実について教えてくれたのはコールマン・ヴォン・ケビュツキー氏でした。彼は元々ハンガリー帝国海軍の情報将校です。僕が最初にユダヤ系について知ったのは、彼が教えてくれたことです。ニューヨークに着いた時、お店が休みだったので不思議に思って尋ねたら「お前は馬鹿か」と言われた。その日は国民の祝日では無くユダヤ教の「過越祭」の日でした」
飛鳥「日本の富豪の数は世界第2位の190万人を超えている。日本で新富裕層と言えば「ヒルズ族」が有名だが、彼らも「合法的蓄積」に関心を示している。いわゆる「租税回避」で、プエルトリコがその典型でしょう。租税回避地はタックス・ヘイブンによる法人税減額から株式配当税もゼロとなれば、税金が大幅に低い所に莫大な利益を置くのは必然です。超富裕層が国に税金を納めることはなく、合法的に脱税しながら莫大な利益を積み重ねている。最近は新富裕層がタックス・ヘイブンへ移住する「人材流出」も起きている。・・・OECD(経済協力開発機構)は、欧米を中心とする先進34か国の加盟する国際機関で、国際マクロ経済の動向や貿易、開発援助に加え、加盟国間の分析と検討を行い、急遽「租税委員会」を立ち上げ、新富裕層のタックス・ヘイブンに対抗する動きを見せ始めたと聞いている。OECDは合法的脱税を許さない姿勢ですが、この問題は時間と調整がかかるでしょう。タックスフリー制度の恩恵を受けている人間からも税金を回収するという法案を通すか通さないかと言う話がありましたね」
高野「そんなことしたら、引きずり落とされますよ」
飛鳥「案は出るがそれを正式な形で提出する議員はいない」
高野「賛成は絶対にしません」
飛鳥「案は出るが、そこから先は無理。恐れられているのですね」