(31)東洋の裏社会「青幇(チンパン)」「洪門(ホンメン)」を知らなければ、世界情勢は分からない!
これからは、志波秀宇氏の講演である。彼は元小学館コミックス編集室室長であり、裏社会の人脈を構築し、古代中国に源流を持つ「青幇」「洪門」との深い関係を持っている。
4月6日、7日にトランプ・習近平会談があった。その間に世界は激変した。トランプ・習会談で東アジアの安定・安全は中国に委ねられたということが判明した。それは日本は蚊帳の外に追いやられたということである。旧宗主国である日本が、東アジアに何の関与もできないということがハッキリしたのである。大変残念なことである。
この中国・北朝鮮・東アジアを巡っての状況は、裏の世界では別な形で動いている。ここでも日本の力がそがれてきている。
西洋では、裏の世界は、軍なり国家の情報機関が行う。例えば、タリバンせん滅作戦は、アメリカの特殊部隊ネイビーシールズがやった。この時、ネイビーシールズは多数の死者が出て失敗に終わった。ビン・ラーディン殺害もネイビーシールズがやった作戦である。このように、欧米では暗殺をはじめテロや破壊工作に国家機関が出てくる。CIAやM16あるいはモサドとかである。ところが、東洋では、闇の勢力が出てくる。この闇の勢力は大体、幇(パン)と呼ばれる組織である。
幇と言う組織は、中国で興った。しかし、今、華人世界、中国人世界だけでなく、中国人が加わっていない形でも、幇が大きな力を持っている。中国は、共産党と人民解放軍が国体を作っている。それだけではなく、中国は、宗族(一族)を大切にする。そして、もう一つが幇会(パンフェ)である。幇と言うのは友達組織、仲間組織の事である。中国には無数の幇がある。
そうした幇の中で、歴史もあり、力も強いのが「青幇(チンパン)」と「洪門(ホンメン)」である。洪門はまたの名を洪幇(ホンパン、紅幇)と言う。チャイニーズ・フリーメーソンともいう。青幇はチャイニーズ・イルミナティまたはチャイニーズ・マフィアともいう。
洪門は世界中に少なく見積もっても1000万人近くいる。青幇は数万単位ぐらいである。アジアの裏社会を見るときに、幇の力は大きな意味を持っている。勿論、政治を動かしているのは表の方だが、裏の力が1~2割関わっている。注目すべきことは、クアラルンプールで暗殺されたとされる金正男は、幇に密接なつながりを持っていた。中国共産党でも、幇とつながりを持った人が沢山いる。中国人民解放軍の建軍の父と言われた朱徳と言う人も洪門のメンバーだった。彼は毛沢東と並んで毛朱時代を作った人間である。洪門の中でも、苛老会と言う怖い暗殺者集団にいた人間である。
鄧小平も洪門のメンバーだった。鄧小平の息子さん、鄧樸方と言う人がいる。彼は、習近平を党中央に引き上げた実力者と言える。鄧樸方も恐らくは洪門のメンバーである。この力はアジアの裏社会に色濃く姿を出している。
オウム真理教の中川死刑囚がコロラド大学の化学兵器の教授に手紙を送ったというニュースが流れた。その手紙によると、オウム真理教が使ったVXガスは北朝鮮が作った物だと言っている。これは大変重要なことで、サリンも北朝鮮のものだと言っているのではないかと想像できる。中川死刑囚が今になってVXガスが北朝鮮製だと手紙に書いたのは、金正男暗殺にVXガスが使われたことが明らかになったからである。さらに、シリアではサリンとおぼしきものが使われたようだが、このサリンはCIAのサリンだということである。