(30)金正日は「中国には絶対に心を許すな」と言う金日成の遺言を金正恩に伝えた!
金正日は中国に金正恩の後見人をお願いしたが、同時に金正日は金正恩に対して重要な遺言を残している。「中国には絶対に心を許してはいけない。中国は14のポケットを持っている。人民服にはポケットが4つあるが、別に10個のポケットを持っている。最初はこれを出すけれど、その裏は2番目のポケットに入っている。裏の裏の裏の裏、4つぐらいまでは我々にも判断できるが、彼らは10個のポケットを持っているので何を考えているのか分からない。軽率に判断してはいけない」と言うのが金日成主席から金正日への遺言だった。全く同じことを金正日も金正恩に対して言ったということである。つまり、中国には絶対に心を許すなと言うことである。
アメリカは中国に対して、北朝鮮に対する影響力を行使して、核ミサイル開発を断念させるように圧力をかけている。そのためいろいろな軍事行動を行っている。シリアにトマホークを撃ち込んだり、アフガニスタンに通常兵器としては最大の爆弾を落とした。「北朝鮮にもそれを撃ち込むよ」と言うことだが、実はアメリカの意図は、中国に対して「あなた方が何もしないならば我々が北朝鮮に対してミサイルを撃ち込むよ」と圧力をかけているのである。
しかし、北朝鮮の核ミサイル基地の多くは鴨緑江のほとりにある。そこへトマホークを撃ち込んできたら、中国自身の安全保障にとって大変な問題になる。「北朝鮮は中国なしには生きていけない国である。それほど影響力があるのだから、やりなさい」とトランプは習近平に強要しているのである。
さて、中国はどうするか? 北朝鮮が開発しているミサイルはアメリカだけに飛んでいくわけではない。北京に飛んでいくかもしれない。中国の権力の中枢は北京の中南海にある。一発のミサイルで中南海が崩壊すると、共産党の国である中国は完全にマヒ状態になり国家として成り立たなくなる。したがって、中国は北朝鮮に対して軍事的圧力をかけるわけにはいかないのである。
まず第一に、説得する。圧力の一つとして石油をストップする。しかし、北朝鮮はイラン、シリア、エジプトなどの国々にミサイルを輸出しているので、その代金が石油と言う形になって、一部中国経由で北に流れている。
金正日時代の、中東への武器輸出の最高責任者は金正男だった。金正男が成田空港へ来たのも、その代金を回収する為だった。
そうすると、中国が北朝鮮に対して影響力を行使するには、なんとしても話をしなければならない。しかし、金正恩はまだ中国に1回も行っていない。なぜ行かないのか? ①北朝鮮側にとって中国が金正男を抱え込んでいること。②中国にとっては北朝鮮が核実験をやるところだと言っていた。北朝鮮が核実験をやることは中国にとっても大変な脅威なのである。
したがって金正恩が北京訪問を実現するためには、北朝鮮の核実験をしばらくやめさせることである。中国としては金正恩を中国に呼んで、中朝関係をうまくいくようにすることである。そのためには、金正男に消えてもらおうということになる。金正男を殺したのは中国かもしれないのである。
金正男暗殺事件の後、習近平の反対派、要するに李克強に近い人が東京に来て、菅沼氏は対談したという。金正男が殺されたとき、中国のボデイガードがいなかったことを問題にした。これは習近平の責任だという。実行犯の2人の女の子は中国系だという。李克強に近い人が、菅沼氏にいろいろなことを教えてくれた。このように、何が動機で誰が殺したのかもわからない。北朝鮮は韓国の陰謀だと言っている。韓国が北朝鮮の金正恩は自分の兄弟まで殺す、如何に残酷な人間であるかという印象を世の中にアピールして、金正恩を潰そうとやったのではないか。
それぞれみんな一理あるわけだが、おそらく何十年経っても真相ははっきりしないだろう。今、北朝鮮と言うのは大変な国だということでトランプが一生懸命動いているという。我が国も冷静に見ていかねばならない。